今年もポケモンバトルの祭典「ポケモンWCS」に参加したので対戦レポートを書きます。
記憶とメモを頼りに書いているので、間違っているところや怪しい箇所があるかもしれませんが悪しからず。
文字数の多いレポートですが気長にお読みください。
マッチング
R1 | アルゼンチン | Agustín De Cicco | |
R2 | ボリビア | Gabriel Alejandro Quevedo Zuazo | |
R3 | フランス | François-Xavier de Lageneste | |
R4 | スイス | David Mizrahi | |
R5 | アメリカ | Nathaniel Innocenti | |
R6 | アメリカ | River Davis | |
R7 | アメリカ | Alvin Hidayat | |
R8 | アメリカ | Emilio Forbes | |
R9 | チリ | Emiliano Reyes Castro |
- 前置き ~ナッシュビル世界大会への参加と今年のパーティ~
ポケモンWCSの世界大会は、多くのプレイヤーが参加する「Day1」と、それを勝ち抜いたプレイヤー及び各地区の成績上位者がシードで参加する「Day2」、決勝戦のみ行われる「Day3」の3日間で行われます。
今年、私は前回チャンピオンとして招待出場。
前回大会の上位者に対してDay2からのシード権が付与されるか、それともDay1からの参加になるかは毎年扱いが違うのですが、今年は「Day1からの参加権」とのことでした。
二連覇を狙う上でもちろんDay2からのシード権は欲しかったですが・・仕方ないです。
Day1を抜けて勢いをつけ優勝を狙う感じで今年はいこう!という意気込みでした。
Day1から世界一を目指すにはより勝てるパーティが必要。
そのために今年用意したパーティは「サナガエン」。
barudoru.hatenablog.com
詳細は構築記事に書いていますが、レートやフレ戦の戦績は昨年以上で自信はありました。
JCS優勝後の僅かな期間でパーティを作った去年とは違って、今年はJCSに出ず構築を準備する期間が十分にあり、他の大会では湿原誓いパやメガエルレイドを使う裏でサナガエンを煮詰めてきました。
ただ、「パーティを早くに決めすぎた」ことは今年の反省の一つでもあります。
詳しくは後述します。
そしてナッシュビル世界大会当日。
誰もが気にしていたDay1抜けの条件は「9ラウンド戦って7勝2敗以上の成績」と発表されます。
2015年は「4勝2敗」、2016年は「6勝2敗」、2017年は「5勝2敗」がそれぞれボーダーとなっていましたが、2018年は過去最高の難易度と言えます。
今年は海外でDay1参加のための条件が緩和されたのもあってDay1の参加者は例年より圧倒的に多かったようです。
初戦のペアリングを確認し、対戦卓にいくとこんな紙が置いてありました。
ON STREAM ということは・・
初戦、メインステージ!
いきなりクライマックスです。
例年、前回チャンピオンが初戦の配信台に呼ばれていたので今年もあるかなと思っていました。
メインステージは世界大会の華。
WCS2018最初のメインステージの試合を戦えるのは名誉なことです。
Twitch、ニコ生でも放送され、初戦は日本時間でも見やすい時間で視聴率も高そう。
当然勝ちたいです。
一方で気をつけなければならないのが「パーティの情報バレ」。
まだまだこの先も試合が残っており、重要な情報は極力出さないようにして勝ちたいです。
しかも、配信試合が始まる時間は他のDay1選手の試合がぼちぼち終わっているようなタイミングでした。
したがって、この日試合が無いDay2の選手はもちろん、Day1に出ている選手からも試合を見られるわけです。
ステージに向かっている時は、重要な情報を出さずに戦うためにはどうすればいいか・・突撃チョッキ持ちのコケコやホノオZ・サイチェン持ちのロトムは選出したくないな、とそんなことに頭がいっぱいで不安でした。
ですがステージ裏に入り、名前を呼ばれてメインステージに立つと気分が変わります。
ヘッドホンの感触、観客席から聞こえる声援・・この場所に帰ってきたんだと思うと気分が高揚しました。
- R1【アルゼンチン】Agustín De Cicco選手
相手のパーティは2014年世界チャンピオンのSejunが組んだことで有名なバンドリ+ピッピマリルリそのままの形。
このパーティに対してはコケコとロトムを出す必要がなく、主要な情報を隠しながら戦えるため内心ホッとしました。
こちらの選出は初手サナランド、後発ガエントドンに決めます。
もし相手がピッピマリルリから来たらハイボ+巻き込み地震でこの指とまれを透かしつつマリルリにダメージを与え、あとはトドンの呼び水を駆使して戦えば腹太鼓に苦しむことはありません。
相手がバンドリからスタートすれば威嚇がもろに刺さります。
気がかりは霊獣ボルトロス。ヘドロばくだん・くさむすびがあればメガサーナイトとトリトドンにそれぞれ大ダメージを与えうるため、このポケモンの技構成が気になるところでした。
・対戦動画
www.youtube.com
R1-1 | 先発 | 後発 |
相手 | ||
自分 |
相手の先発は砂なしドリュウズとボーマンダ。運良く威嚇をトレースし、Aを2段階下げます。
さらにこちらのサナとランドは素早さが準速ドリュウズ以上。トリル警戒でドリュウズがアイアンヘッドを撃ってくることも考えると地面Zでドリュウズを縛りながらハイパーボイスを通す手で間違いなさそうです。
1ターン目はお互いにハイパーボイスの撃ち合い。
ドリュウズを霊獣ボルトロスに交換されたことによって地面Zはスカされますが、こちらのハイパーボイスが相手2匹に通ってメガボーマンダを仕留め、さらに霊獣ボルトロスにも大ダメージです。
その後、霊獣ボルトロスのヘドロばくだんを警戒してメガサナは守る→交代と慎重に動きますが、一連の流れでめざ氷・挑発が見えてヘドロばくだんが無さそう(残りの技は10万ボルトと守るであると考えられるため)と判断。
そのついでにくさむすびが無いことも分かったため、トリトドンが非常に動きやすくなりました。
相手のドリュウズの地面Zをガオガエンに使わせたこともあり、威嚇を用いてトリトドンへの打点を封じていき勝ち。
R1-2 | 先発 | 後発 |
相手 | ||
自分 |
相手が先程と同じ選出をしてくるなら先発サナガエンを出してもいいのですが、選出を変えてピッピマリルリやバンギドリュを出されると困るため変わらずサナランド先発。
相手は選出を変えて霊獣ボルトロスとボーマンダを初手に繰り出します。威嚇を受けない組み合わせにしたようですね。
ただ一戦目で霊獣ボルトロスにヘドロ爆弾が無いことが分かっているので、仮に集中攻撃をサナ方向に撃たれても耐えそう。
自分のダメージ感覚を信じてメガサナを動かし、結果としてメガサナに集中を受けるも耐え、ハイボでメガボーマンダを仕留めつつ霊獣ボルトロスにもダメージを与えます。
2ターン目、相手のボルトドリュに対してこちらは体力僅かのサナと猫騙しが使えるガオガエン。
相手側としてはまだ「メガサーナイトがドリュウズより速い」ことは分かっていないはずで、メガサーナイトの行動を封じたい相手はドリュボルトを両動かしをしてくると考えたため霊獣ボルトロス方向に猫だまししながらハイボ。
計算通りドリュウズより先にメガサーナイトが動いて霊獣ボルトロスを仕留めます。
返しの地震でサナガエンを失いますが、バンドリ対ランドトドンの2:2勝負ならこちら優勢です。
相手のバンギラスはスカーフのため守ることはできない状況。
相手が集中攻撃をしなければランドロスを落とせない前提で考えると、ここは両方突っ張って問題ありません。
ドリュウズが動いてランドロスに集中攻撃した場合、トリトドンの大地の力でドリュウズを仕留めることができ最後にバンギラスvsトドンの形になるためこちらの勝ち
ドリュウズが守ればこちらはランドロスを縛られずに動かせるため地面Zでバンギラスを仕留めることができこちらの勝ち
ということで両動かしし、ドリュウズが守ったためランドはバンギラスから一撃で倒されず地面Zでバンギラスを仕留め、残ったドリュウズをトリトドンで倒して勝ち。
勝ち ○○
ここまでの戦績 1-0
初戦に勝てたことはもちろんですが、パーティの情報をあまり出さずに配信試合を勝てたことも嬉しい点でした。
インタビューを終えて会場に戻ると、やはり多くのプレイヤーが試合を見ていたとのこと。
メガサーナイト、霊獣ランドロス、ガオガエン、トリトドンの4匹は技構成や持ち物がバレてもダメージが少なく、コケコロトムを温存できたと考えると大きな一勝でした。
- R2【ボリビア】Gabriel Alejandro Quevedo Zuazo選手
配信卓から通常の対戦卓に戻って2戦目。
相手のパーティは北米ICで優勝したテテフグロスフワライド構築にメガバシャーモを加えたもののようです。
対テテフグロス2メガのマッチ戦では初戦でメガサーナイトを出さないようにします。
そして二戦目で相手がグロスを出さず別のメガシンカポケモンに切り替えてきたところでメガサーナイトを出すようにすれば、相手の計算を狂わせやすいです。
R2-1 | 先発 | 後発 |
相手 | ||
自分 |
1ターン目はモロバレルが守ると思い、ランド方向に猫ホノオZを集中するもモロバレルは動いておりガエンに胞子。この動きからモロバレルはオッカのみ持ちと予想。
ランドロスはテテフに交代してホノオZが通ります。
次のターンこちらはロトムをコケコに交代してテテフのエスパーZを受けます。フィールドの張替えとチョッキのおかげで致命打にはならず。
以上の流れでお互いにZを消耗したこと、こちらがアタッカーのサーナイトを選出していなかったこと、相手のバレルの攻撃技がクリアスモッグだけだったことでしばらく膠着しますが、
相手が役割のなくなったモロバレルをメタグロスに交換したタイミングでこちらのロトムが起きてオーバーヒートが通ります。
メタグロスをメガシンカすらさせず処理したことで有利となり勝ち。
R2-2 | 先発 | 後発 |
相手 | ||
自分 |
一戦目の内容を受けて相手がグロスを選出するかは怪しいし、ましてや初手ガエンロトムを見せた後なので先発グロスは絶対無いと考えてこちらの先発はコケコサナ。
相手側の先発はテテフライドで、エレキフィールドが塗り替えられサイコシードと軽業が発動。
1ターン目、相手は追い風を展開しつつこちらのメガサナに向けて挑発。トリルを防ぐ手のようです。
こちらは両方動いてボルトチェンジハイパーボイスを撃ち、フワライドを倒します。
霊獣ランドロスも追い風中に処理し、数的有利を取りますが、メガバシャーモの剣の舞を警戒して強気に突っ張ったところ普通に動かれてサーナイトを失います。
コケコガエン対バシャテテフの2対2となりますが、後から場に出したガエンの威嚇とコケコのフィールド奪取でこちらの優勢でした。
まずはバシャーモを倒し、テテフを2:1で仕留めて勝ち。
勝ち ○○
ここまでの戦績 2-0
一般的にテテフグロスはサナガエンの天敵とされているため、立ち回り方は練習していました。
その成果を出すことができて嬉しい勝利でした。
- R3【フランス】François-Xavier de Lageneste選手
見たことがないタイプのパーティ。
エンペルトは何回か自分も使ったことがあり、負けん気が発動しても火力が足りないイメージです。こちらにはトリトドンもいるので選出されるかは怪しいかなと思っていました。
また、霊獣ランドロスが使える環境でガブリアスも珍しいです。ランドロスと違い炎技で焼けないのが厄介で、このためにヒートロトムの選出を渋ることになります。
R3-1 | 先発 | 後発 |
相手 | ||
自分 |
1ターン目はメガゲンガーのヘドロ爆弾がコケコ方向。
チョッキのおかげで耐え、ボルトチェンジでエンペルトに攻撃。エンペルトもまたチョッキのようでした。
ボルチェン効果による交換先はガオガエンで威嚇によりエンペルトの負けん気が発動しますが、エンペルトの攻撃の低さを知っていたので多分1段階アップでもメガサナは耐えるだろうと思っていました。
メガサナのショックでメガゲンガーを倒し、エンペルトの選択は凍える風。負けん気でAが上がっていましたが物理攻撃ではありませんでした。
倒れたメガゲンガーの裏からブルルが出されて2ターン目、
こちらは再びコケコを出してフィールドを書き換え、ウッドハンマーをメガサーナイトが耐えてハイパーボイスで反撃、ブルルを撃破します。
最後はガブリアスの雪崩を避けてメガサナがハイボを通すこともでき勝ち。
R3-2 | 先発 | 後発 |
相手 | ||
自分 |
威嚇で負けん気が発動してスタート。
先ほどの試合でトリトドンを見せていなかったため、1ターン目はエンペルトのアクジェとメガゲンガーの攻撃でランドロスかメガサーナイトを集中攻撃してくると予想しました。
というわけでサナをトリトドンに交代しつつランドのジメンZでエンペルトを攻撃しにいきます。
せっかく負けん気が発動したのでエンペルトは交代したくないはずと思ったのもあります。
ところが予想は大外れ。エンペルトをブルルに交代されてジメンZを受けられ、メガシンカかげふみで交代をロックされてしまいました。
引けなくなったトリトドンをブルルで仕留められ、トリトドンを失ったことでガブリアスが厳しくなってしまい負け。
R3-3 | 先発 | 後発 |
相手 | ||
自分 |
相手はゲンガーのメガシンカ守るから入り、その後メガゲンガーをブルルに交代。
かげふみゲンガーが引いてくれたためにサイクル戦ができ、交代読みで撃ったトリトドンの凍える風でブルルの素早さを下げることに成功。
ただ、この時何を考えていたのかブルルのスカーフを警戒せずガオガエンで上を取っていると思い込んでしまい、ブルルのウドハンをトドンに通すのを許してしまいます。ガオガエンは猫騙しが撃てたターンであり、どう考えてもプレミでした・・
トドンを失った後はやはりガブリアスが厳しくて負け。
負け ○××
ここまでの戦績 2-1
最後はプレミとはいえパーティ相性的に厳しかった感じが強いです。
プレイングも噛み合わず、苦しい相手でした。
霊獣ランドロスではなくガブリアスを採用されていたのは、最速リザードンやテテフを抜ける素早さを重視したか、負けん気・勝ち気意識なのかもしれません。
- R4【スイス】David Mizrahi選手
CHALKレヒレってやつね、と思ったらレヒレがいなくて見慣れないポケモンが入っています。
余談ですが選出画面のヨワシは単独の姿なので外見がとても貧相です・・
一応マイナーポケモンの知識には自信があり、ヨワシは濁流と手助けを使えることが頭にあったのと、魚群のデメリットを回避するために持ち物はピンチベリーかなと予想します。
R4-1 | 先発 | 後発 |
相手 | ||
自分 |
ランドロスをガオガエンに交代し、メガガルーラに威嚇を2回かけます。
相手は攻撃の下がったメガガルーラとサナガエンの前でやることのないクレセリアを両方引っ込め、ヨワシが出てきます。
この交代際にハイパーボイスとはたき落とすがヒット。ガオガエンは猫騙しを撃てるターンでしたが、ガルーラもクレセリアも引くだろうと予想してはたき落とすを選んでおり、その判断が当たりました。
ピンチベリーが叩き落とせたかなと思いきや落ちません、水Zでしょうか??
その後ヨワシの群れは解散、ヒードランはこちらのランドロスのジメンZで仕留め、ペースを握って試合を進めて勝ち。
R4-2 | 先発 | 後発 |
相手 | ||
自分 |
この試合もサイクル戦。
1ターン目、こちらはランドロスを引いてガオガエンを出してサナガエンを並べ、相手もヒードランをランドロスに交代。
2ターン目、威嚇の入ったガルーラ・ランドロスを相手はカミツルギとヒードランに交代。ハイボが通りますがカミツルギにはほとんどダメージが入らず、チョッキであることが確定。
3ターン目、今度はこちらが両交代。サナ+ガエン→ロトム+ランド。その隙に相手はヒードランで身代わりを貼ります。
4ターン目、ランドロトムのS順をまだ相手は知らないと考え、ヒードランに集中攻撃を選択します。10万ボルトで身代わりを壊して地震でヒードランを撃破!
ヒードランを倒したことでハイパーボイスと炎技が通りやすくなり、相手のサイクルは崩壊。
ガルーラ・カミツルギが遅かったために上から殴ることもできて勝ち。
勝ち ○○
ここまでの戦績 3-1
サナガエンランドにとってガルーラスタンはメガマンダスタンの次に得意な相手です。
パーティ相性と素早さの有利でストレート勝ちできました。
相手のパーティを見て頭を抱えました。
毒タイプと鋼タイプのポケモンが入っておらずブルル処理手段を炎に頼っている私のパーティにとって、雨ブルルは最悪の相手です。
初戦は「トリトドンを出さない」ようにしてその分、選出のリソースをブルル対策に割く作戦でいきます。
雨パーティに対してトドンを出さないのは賭けですが、ここまでやらないと勝てないと思いました。
R5-1 | 先発 | 後発 |
相手 | ||
自分 |
サナもランドも手助け水Zで縛られうるのですが、世界大会クラスのプレイヤーならトリトドンを警戒して水技を撃たないだろうと信じて二匹とも突っ張らせる作戦でいきます。
相手はルンパッパをゴチルゼルに交代してニョロトノで滅びの歌。
コンボは決められてしまうものの、こちらのハイボ蜻蛉が両方通って大きくダメージを与えます。蜻蛉の引き先はガオガエン。
もし水Zを警戒して守るを押していたらローリスクで滅びロックされ厳しかったところでした。
その後、ニョロトノがルンパッパに交代するのを読んでハイボ叩きでルンパッパを削ります。
水Zでガオガエンが倒されている間にハイボをもう一回通してルンパッパ撃破。
ゴチルゼルのトリル読みでトリル返しにも成功。
滅びのカウント0でメガサーナイトを倒されたものの一連の流れでゴチルゼル、ニョロトノを大きく削り、二度目の滅びとトリルを許さない状況にします。
ロトムで残りの相手を縛る状況が完成し、勝ち。
R5-2 | 先発 | 後発 |
相手 | ||
自分 |
2試合目でこちらは大きく選出を変えます。
1試合目でトドンを見せていないので相手は呼び水を警戒しないと予想、初手でサナをトドンに引いて水技を吸いにいきます。
大当たり。
相手の選択は手助け水Zでした。トリトドンの呼び水で吸って無効化し、その間にランドロスのとんぼ返りでルンパッパをがっつり削ることに成功。
さらに蜻蛉で出したサーナイトがすいすいをトレース。
一見かなりのアドバンテージが取れましたが相手の切り返しが見事でした。
ルンパッパをブルルに交代しつつ、ゴチルゼルがトリックルームを起動。
トリックルーム下のターンでブルルに剣の舞を舞われ、さらにゴチルゼルのスキルスワップでブルルのグラスメイカーを再発動させられるなどしてブルルのパワーに圧倒されます。
ガエンロトムを切ったこちらの選出ではウッドホーンで回復し続けるブルルを倒すことができなくなり、負け。
R5-3 | 先発 | 後発 |
相手 | ||
自分 |
今度はトリトドンを警戒されると思って初手はハイボと蜻蛉。
相手のルンパッパの選択は失念してしまいましたが水Zではありませんでした。1ターン目の拓には勝ちます。
とはいえ、問題はブルルを崩せるかどうかです。
2回の威嚇でブルルの攻撃を下げますがそれでもカプ・ブルルの火力は衰えません。
このポケモン、弱点を突かないと禁伝クラスの強さです・・
しかしメガサーナイトがハイパーボイスを急所に当ててくれ、突破の芽が見えます。
ピンチベリーで回復したブルルに対し、再びハイボと雨下のフレドラでごり押しし、突破に成功。
取り巻きも倒し勝利。辛勝でした。
勝ち ○☓○
ここまでの戦績 4-1
不利なパーティ相性を読みと運で何とか捲ることに成功。
私が戦った試合のなかではこの日一番の激戦でした。配信卓でやりたかった。
- R6【アメリカ】River Davis選手
半年前に流行したゲンガエンブルルジャラの形。
こちらはサナに加えチョッキコケコもいるのでジャラランガ対策には事欠かず、得意なタイプの相手です。
R6-1 | 先発 | 後発 |
相手 | ||
自分 |
珍しくメガゲンガーが身代わりを持っており、こちらはサイコショック2回で立て続けに身代わりを壊していきます。
相手はガオガエンをジャラランガに交代し、影踏みでロックされたこちらの霊獣ランドロスを起点にブレイジングソウルビートを踊ります。
その後サーナイトとゲンガーが相打ちするような形になりますが、こちらにはもう1体のフェアリータイプ、カプ・コケコがいます。
相手のジャラランガの技はスケイルノイズ、インファイト、みがわり、まもるのようでコケコに対して大きな打点はありません。
ところが威嚇が入ったブルルのウッドハンマーが急所に当たってコケコが何もできずに倒れてしまいます。
ガエンとランドではジャラを倒せず負け。
R6-2 | 先発 | 後発 |
相手 | ||
自分 |
サナランドのサイコショックとジメンZでメガゲンガーを倒しにいくもこの指とまれで吸われます。
ピッピが倒れ、その間にメガゲンガーは身代わり。ピッピの代わりに出てきたのはジャラランガ。
ただ1戦目から相手の動きが妙にトリルに対して無防備です。もしかすると初戦の配信を観ていてメガサナが速いことを知っていて、そのためにトリルをしない型のサナだと思いこんでいるのでは?
2ターン目にトリルを使ってみたところ、メガゲンの攻撃を耐えてトリックルームの起動に成功。その間ジャラランガはジャラランガZを使っています。
相手はメガゲンガー、ジャラZ1積みのジャラランガ、スカーフブルルと速い3匹しか残っていないためトリルにより圧勝することができました。
R6-3 | 先発 | 後発 |
相手 | ||
自分 |
前の試合と同じ先発同士の対峙。相手はプレイを変えてくると予想します。
集中攻撃を読んでサーナイトに守らせたところ、うまく手助けヘドロ爆弾を防ぎます。そしてランドロスの地震で相手2匹に大ダメージ。
次のターン、守れないサーナイトが手助けヘドロ爆弾を受けて倒れますが、その間にランドロスでメガゲンガーを攻撃し倒します。
サナゲンが相打ちになった場合、こちらが優勢です。
こちらのコケコのマジカルシャインは全体技なのでピッピのこの指とまれを無視でき、ジャラランガに対して圧倒的優位に立ち回れます。
威嚇を回してブルルの攻撃からコケコを守りつつマジカルシャインで押していき勝ち。
勝ち ×○○
ここまでの戦績 5-1
一度は環境から姿を消したゲンガエンブルルジャラで4-1まで進んでいるプレイヤーとあって、身代わりメガゲン・身代わり最速ジャラと構築に多くの工夫がされていました。
ただ全体的にはコケコやトリックルームが刺さっていて、逆転でマッチを制することができました。
5-1と高いスコアになりましたが、スイスドローなのでここからが修羅場です。
- R7【アメリカ】Alvin Hidayat選手
ウォーグルと避雷針を組み合わせたパーティはよくありますがライボルトと組ませたパターンを見るのは初めてでした。
デマルウォーグルやライチュウウォーグルに当たったときと同じように対処しようと考え、飛行技を半減できるコケコロトム先発で対応を試みます。
R7-1 | 先発 | 後発 |
相手 | ||
自分 |
予想通り相手の先発はウォーグルライボルト。
1ターン目は相手がライボルトをメガ無しで守らせながらウォーグルをクレセに入れ替え、それに対して炎Zとマジカルシャインで交代先のクレセリアにダメージが入ります。
ウォーグルを引かせたことでガオガエンへの交代もしやすくなったため、2ターン目にこちらはサナガエンに両交代。
ライボルトのボルトチェンジで再びウォーグルが出てきますが、その飛行Zをロトムで受けます。
ここまで互角か有利よりなダメージレースをしているつもりでしたが、クレセの型が明らかになるにつれて焦ります。
月の光、どくどくを使用し、さらに叩き落とすで持ち物が落ちない・・え;
サイコキネシスどくどく月の光???@エスパーZ
シードや瞑想ならともかく毒々は厳しいです。
ライボルトのバークアウト、威嚇による弱体化に加え、負けん気ウォーグルが威嚇をけん制しているため交代を自由に行えず、どくどくのダメージをリセットすることができません。
結局クレセリアを崩せず負け。
R7-2 | 先発 | 後発 |
相手 | ||
自分 |
R2-2の試合でメガメタグロスの選出を封じたのと同じく、コケコロトムを見せておけば次の試合でウォーグルは出されないと判断。
これが当たり負けん気を発動させることなく、サナランドで無事にスタートできました。
しかし今度はクレセリアがトリックルームを使用。交代で出てきたガオガエン+エスパーZクレセリアで押される形になります。
最後の技がトリックルームなのは予想できませんでした。
メガサーナイトが削られてしまい、クレセリアを倒すプランが立てられなくなり負け。
負け ××
ここまでの戦績 5-2
負けん気ウォーグル+威嚇バクアライボルト+どくどく月の光トリルクレセリアという初めて見るタイプのパーティで、対処法が見つけらずストレート負けしてしまいました。
負けん気で交代を封じてどくどくのダメージリセットを封じたり、そういうシナジーもあるのかと勉強になりました。
二敗目を喫してしまい後がなくなります。
- R8【アメリカ】Emilio Forbes選手
配信台に移り、てっきり配信されているかと思っていましたが、前の配信が早く終わった場合の予備配信(?)のような感じだったようでどこにも配信されていませんでした。
後で配信見ればいいか~と考えていたのでメモをあまり取れておらず・・
相手のパーティは今日三度目のゲンガエンブルルです。
一応、こちらの苦手な雨ブルルの形になっていますが、ニョロトノピン刺しなのでどちらかと言えばリザードン対策用の雨に見えます。
R8-1 | 先発 | 後発 |
相手 | ||
自分 |
1ターン目は地面Zをメガゲンガーに撃つも守られ、ブルルをガオガエンに交代されます。
2ターン目で猫だましをサナに撃たれながらメガゲンガーが滅びの歌。
しかしランドロスは蜻蛉返りを選択していたため滅びのカウントを外すことには成功します。
その後メガゲンガーの身代わりなどもあってこちらのメガサーナイトが滅びカウントで倒されます。
終盤、コケコのめざ氷で相手のHP7割前後の霊獣ランドロスを落としにいきますがミリ耐えで落とせず。
これで落とせずに反撃を受けたのが痛手になり、負け。
R8-2 | 先発 | 後発 |
相手 | ||
自分 |
ラティアスが何をしてくるか分からない^^;
ただ様子見で守るを使うような余裕はありません。
手助けでメガサナを落としにくるとか、滅びのサポートをしてくるとかそういう線も考えられます。
・・で、霊獣ランドロスを動かしたところ、冷凍ビームを撃たれ一撃で倒されてしまいます。
絶望的な1ターン目になりましたが、返しのハイパーボイスが通ってラティアスも大きく削ります。
2ターン目、コケコのボルトチェンジでラティアスを倒しにいきますがまたもミリ耐え。
冷凍ビームでメガサーナイトを削られ、影踏みでロックされたままメガゲンガーに縛られる苦しい展開になります。
かげふみ下の集中攻撃でメガサーナイトを失い、残り2匹となったため滅びの歌で負け。
負け ××
ここまでの戦績 5-3
対戦相手のEmilio選手はこの次の試合も勝ち、さらにはDay2も勝ち進んでファイナリストになります。
構築も立ち回りも完成されていて今年の世界チャンピオンは彼になると信じて疑いませんでした。
一方の私は3敗したためDay2進出の芽は無くなりました。
世界大会二連覇に向けた挑戦はここで終わり。
悔しいですが、あと1ラウンド残っているため最後は勝って終わりたいところ。
- R9【チリ】Emiliano Reyes Castro選手
R4の相手のヨワシがカプ・レヒレになった形で純粋なガルーラスタンと言える相手です。
R9-1 | 先発 | 後発 |
相手 | ||
自分 |
ガルレヒレはこのルールでよく見かける初手。
この初手とサナランドが対峙した時は猫瞑想を前提に両動かしすることに決めていました。
猫だましの方向はランドロスで、その間にハイパーボイスをガルーラレヒレに通します。レヒレは瞑想。
その後は威嚇でガルーラを、トリトドンの呼び水でレヒレを封じながら立ち回り、瞑想したレヒレから全くダメージを受けずに倒すことに成功。
反対に呼び水でパワーアップしたトリトドンは相手のカミツルギ不在もあって暴れることができ、勝ち。
R9-2 | 先発 | 後発 |
相手 | ||
自分 |
トドンの脅威を一戦目で見せつけたため、次はカミツルギが選出されると予想。
トドンを選出せず、今回はヒートロトムに後発を任せます。
初手ランドロスミラーでとんぼ返りし合ってサイクル戦。
一度引いた相手のランドロスが再び交代で出てくるタイミングを読んでガオガエンの叩き落とすが決まり、こだわりスカーフを剥ぎます。
スカーフを落としたことにより、ヒートロトムでランドロスの上を取れたと思いました。
・・が、しかしランドの方が速かったです。性格陽気のようですね。
結果ロトムで攻撃する前に上から岩雪崩を撃たれてしまい、ガオガエンが怯んでカミツルギを倒し損ねてしまいます。
とはいえランドロスは倒すことができ、残りのポケモンはサナロトムより遅かったために上を取って攻撃していき勝ち。
- 結果
R1 | Agustín De Cicco | ○○ | WIN | |
R2 | Gabriel Alejandro Quevedo Zuazo | ○○ | WIN | |
R3 | François-Xavier de Lageneste | ○☓☓ | LOSE | |
R4 | David Mizrahi | ○○ | WIN | |
R5 | Nathaniel Innocenti | ○☓○ | WIN | |
R6 | River Davis | ☓○○ | WIN | |
R7 | Alvin Hidayat | ☓☓ | LOSE | |
R8 | Emilio Forbes | ☓☓ | LOSE | |
R9 | Emiliano Reyes Castro | ○○ | WIN |
というわけで6勝3敗(3敗時点では5-3)が今回の結果でした。
↓Day2に進めなかった僕はこんな感じで凹んでました。
配信試合ではあまり情報を見せずに勝つことができ、相性不利な相手も捲って途中まで5-1と好調で「いけそう!」ムードでした。
しかし、R7、R8で当たったAlvinとEmilioにそれぞれストレート負けして2連敗。
この2人はそのあとも勝ち進んでDay2に進み、特にEmilioはDay2も驚異的なスコアで勝ち進んでファイナリストとなっています。
命中100のハイパーボイスを主軸にしたメガサナパーティらしく運で負けることはほぼなく、むしろ運はかなり良い方でした。
プレイングも後から思い返して後悔するようなものは少なかったです。
初戦配信の情報バレも少なく抑えることができました。
今回の反省点はパーティでした。
優勝した昨年と比較するといくつか反省したいところがあります。
去年 | 今年 | |
1,パーティの準備期間 | 1か月と少し | 3か月以上 |
2,初見殺し要素 | 多め | 少なめ |
3,戦術の幅 | 広い | 狭い |
1について、構築の準備期間は長いほうがもちろん良いのですが、環境の進むスピードが速い場合はそれも大したアドバンテージではなくなります。
メガサーナイト構築は6世代の頃から全国ダブルで使い慣れており、JCSで流行していたメガボーマンダやメガガルーラ、メガメタグロス構築に対して有利を取れそうなことも決め手となって、だいぶ前から本命と決めて練習していました。
しかし世界大会の直前にメガゲンガーが台頭。
メガゲンガー構築はIFKと絡めて凍える風を使うイメージしか持っておらず、今回の相手のように身代わりを用いたり、ブルルと絡めたりするタイプには苦戦を強いられました。
軌道修正してメガゲンガーに強いタイプの構築を選ぶ選択肢もあったかもしれませんが、立ち回りを煮詰めていた構築を本番直前に転換するのには踏み切れませんでした。
去年のパーティはJCS後1か月と少しの期間で作ったものでしたが、新しい構築であった分環境に対するメタができていたと思います。
2について、去年はDay2参加者の中で自分しか使っていなかったワルビアルや、多くのプレイヤーが重視していなかった自然Zエルフーンを軸にしたパーティを使い、相手にセオリー通りの対処をさせずに勝ち星を伸ばせた部分が大きいです。
一方、今年のパーティの勝ち筋は「威嚇2枚でメガシンカポケモンを補佐する」というありがちなもので、結果として負けん気持ちの入ったパーティにメタられて負けることになりました。
メガサーナイトは他のメガシンカポケモンよりも威嚇への依存が強いため逆風が強かったと言えます。
バシャキザンやミロカロスに対しては対処法を考えていましたが、ライボルト+クレセリア+ウォーグルやメガゲンガー+カプ・ブルル+エンペルトのような組み合わせは初見で、対処法を見出せずに苦しい試合となりました。総じて「初見殺しされる側」だったように思います。
今年のDay2の試合を見ていると威嚇メタ特性持ちのポケモンをうまく絡めたパーティの活躍が多く見受けられ、自分がDay2に進めていたとしても勝ち上がるのは厳しかっただろうと考えます。
3について、世界大会では初見の戦術や初見の組み合わせと多く戦うことになるため、それに対して柔軟に対応しなければなりません。
ワルビアル軸のサイクル戦とエルフーン軸に上から攻撃する戦術の二通りがあった去年のパーティは、決勝戦で一見構築相性不利なSam選手を破ったように多くの構築に対応できましたが、
今年はパーティ内でのタイプ被りが多かったこともあり柔軟さに欠け、相性不利な相手に勝機を見出すのが難しかったです。
悔しい思いをした今年の世界大会ですが、対戦はとても楽しいものでした。
メインステージでの試合であったR1、激戦となったR5、この年の準優勝者との対戦をしたR8と印象に残る試合は多々あり、「世界中から集まった強者と熱い対戦ができる」WCSの醍醐味を今年も存分に味わうことができました。
だからこそDay2に進んでもっと戦いたかったというのが心残りになるのですが、この悔しさもまた来年の糧にしたいと思います。
その来年の会場はワシントンDC。
WCS2014が行われた場所です。
ワシントン世界大会は自分にとっても初めて出た世界大会で思い入れがあります。
Sejunが優勝したのはこの年。会場からその姿を間近で見ていて自分も世界チャンピオンになることに憧れたものです。
自分にとって世界大会挑戦の出発点であるワシントン、行きたいという気持ちは例年にまして強いです。
今年のような前回優勝者の招待出場権は無いため、ネット予選、ライブ大会と一つ一つステージをクリアできるよう頑張って、また世界を目指していきます。