今回はサザンドラ、キリキザン、テラキオン、シャンデラ、ウルガモス、トリトドン、ナットレイ、カポエラーの8匹について、第六世代での強化と弱体化をまとめました。
サザンドラ
強化された点 評価が上がった点 |
悪技が鋼タイプに等倍で通るようになり、悪の波動の一貫性が強化。 天敵であるラティオスやキングドラ、ローブシンの使用率低下。 強化されたゴースト・炎・電気に対して強い。 |
弱体化した点 評価が下がった点 |
流星群や大文字の威力が下がった。 悪のジュエルやドラゴンジュエルが消滅。 新たに登場したフェアリータイプに弱い。 メガガルーラのメタとして使用率が増加した格闘技に弱い。 |
ドラゴンジュエルは消滅し、流星群や炎技の威力も下がった。
その一方で、悪の波動は鋼タイプに対して等倍で通るようになり、一貫性が強化。
拘り眼鏡・拘りスカーフを持たせて拘ることが多いこのポケモンにとって、技の一貫性が強化されたのは大きい。
前作ではラティオスやキングドラに上から縛られることが多く、特にスカーフラティオスが流行するとスカーフサザンドラでさえも運用が厳しくなっていた。
今作ではそれらの使用率が低下したことにより、ハバン無しでも動きやすくなっている。
一方、ゴウカザルやテラキオン、馬鹿力を使うスカーフ霊獣ランドロス・物理ボルトロスなどメガガルーラのメタとして台頭した格闘技を使うポケモンには注意しなければならない。
4倍弱点にフェアリーが追加。
フェアリータイプのほとんどは素早さが遅いため上から縛られることは少ないが、悪・ドラゴン技の両方を半減されるうえ、トゲキッスやピクシーからはこの指とまれで攻撃を吸い寄せられてしまうため厳しい。
ただし、フェアリータイプ中使用率トップのメガクチートに対しては炎技で打点があり、不意打ちも半減できる。
弱点も増えたが、得意な相手も増え、相性補完役としては大きく株を上げている。
鋼タイプの耐性変更によって一貫性が強化されたゴースト・あく技に対して耐性を持つ。
サザンドラは特殊型メインの悪タイプであるため、ゴーストタイプの鬼火やキングシールドを恐れる必要もない。
衰退したラティオスに代わり、ドラゴン枠として炎・電気などのメタにもなれる。
ムーンフォースには注意しなければならないが、クレセリアへの打点となるのも相変わらず重要。
メガリザードンY・メガライボルト・メガゲンガーなど、メガシンカポケモンの多くに対しても強い。
キリキザン
強化された点 評価が上がった点 |
メインウェポンが辻斬り→はたき落とすに大幅強化。 主力の悪技が鋼タイプに等倍で通るようになった。 タイプ一致の鋼技により新タイプのフェアリーに対して打点を与えられる。 威嚇の使用率増加で負けん気が活かしやすくなった。 キングシールドの攻撃力減少を負けん気で相殺できることからギルガルドに滅法強い。 強化されたファストガードを使える。 苦手としてきたローブシンやキノガッサの使用率減少。 |
弱体化した点 評価が下がった点 |
悪のジュエルが消滅。 鋼タイプの耐性変更で悪・ゴーストへの耐性が1/4から1/2になった。 不意打ち対策となるファストガードや鬼火の強化。 得意としてきたラティオスの使用率減少。 苦手とする炎タイプの使用率増加。 |
鋼タイプの耐性変更が行われたが、キリキザンにとっては、対あく・ゴーストの耐性が1/4倍から1/2倍になっただけで、大した痛手ではない。
また、悪タイプの新たな弱点としてフェアリーが追加されたが、鋼タイプのおかげでそれを弱点としない。
このように、鋼タイプと悪タイプの弱体化した部分をそれぞれのタイプで補い合っている。
キリキザンの使う悪技も鋼タイプに等倍で通るようになり、消耗したヒードランやドリュウズを不意打ちで縛りやすくなった。
さらに悪技のはたきおとすが強化され、辻斬りに代わってメインウェポンとして使えるようになった。
A194キリキザンのはたき落とす(持ち物を落とした場合)は、命の珠であれば187-150メタグロスを、拘りハチマキであれば227-140クレセリアをぴったり確定1発で落とす火力を持つ。持ち物を無力化する追加効果も強力。
タイプ一致のアイアンヘッドはフェアリータイプという仮想的を得た。
悪技を半減するフェアリーやバンギラス、テラキオンに対して鋼技で弱点を突けるので攻撃範囲は広い。
威嚇の使用率が増加したことにより、特性負けん気も評価を上げた。
相手の威嚇持ちポケモンの選出を抑止することで、間接的にメガガルーラなどを動かしやすくできる。
また、ギルガルドに対してもキングシールドによる攻撃力減少を負けん気で打ち消せるため、ノーリスクで攻撃することが可能。
その他、ニャオニクスなどの甘えるも相殺できる。
手軽に火力を底上げできた悪のジュエルは消滅してしまった。
ただ、命の珠でもランク+1の不意打ちで耐久無振りの霊獣ランドロスやボーマンダなら落とせるため、火力は事欠かない。
ファストガードの使用率が増えており、不意打ち自体が対策されてしまう点には注意する必要がある。
キリキザンもファストガードを使用でき、不意打ちを警戒して使われる先制技や悪戯心+補助技を回避するなどできる。
ただしファストガードは今作から遺伝技に追加されたものであるため、前作の教え技であるはたき落とすと両立ができない。
テラキオン
強化された点 評価が上がった点 |
タイプ一致の技でメガガルーラ・メガリザードンYを上から縛れる。 天敵であったラティオスやキングドラ、メタグロス、ローブシンの使用率減少。 強化されたファストガードを使える。 相方のエルフーンやマニューラの強化。 |
弱体化した点 評価が下がった点 |
使用率が高かった格闘ジュエル・岩のジュエルの消滅。 鬼火、威嚇など物理メタの増加。 格闘に強いフェアリータイプの登場、ゴーストタイプの強化。 |
メガガルーラを上から縛れる貴重なポケモン。
ノーマル技を半減でき、猫騙し・不意打ちをファストガードにより防げるなどガルーラメタに関しては完璧である。
同様にメガリザードンYやファイアローに対しても滅法強い。
テラキオンを上から縛ってきたラティオスやキングドラ、高い物理耐久と先制技でテラキオンを苦しめたメタグロスやローブシンなど、天敵の多くは弱体化した。
とはいえ、クレセリアや霊獣ランドロスは相変わらず健在であるほか、ギルガルドやゲンガーといったゴーストタイプが新たな弱点となる。
フェアリータイプに対しても相性が悪いが、対トゲキッスに関しては得意とする。
袋叩き+正義の心のコンボに関しては、主な相方であるエルフーンが袋叩きとアンコール等を両立できるようになったことで戦術の幅が広がった。
エルフーンは草タイプであるため、袋叩きをモロバレルの怒りの粉に妨害されないようにもなっている。
テラキオンのファストガードでエルフーンを疾風の翼ブレイブバードや悪戯心挑発、猫騙しから守り、追い風の起動を補助するといったことも可能。
ただし、このコンボにおいてテラキオンに持たせることの多かった岩のジュエルは消滅してしまった。
強化されたワイドガードによって岩雪崩・地震が連続で防がれることにも注意したい。
シャンデラ
強化された点 評価が上がった点 |
新たに登場したメガリザードンYやギルガルド、フェアリータイプに強い。 鬼火の命中率、エナジーボールの威力が上昇。 苦手とする雨パーティの弱体化。 新特性すりぬけが追加。 シャドーボールがヒードランに対して半減されなくなった。 |
弱体化した点 評価が下がった点 |
炎のジュエル・ゴーストジュエルが消滅。 主力技の熱風やオーバーヒート、サブ技のめざめるパワー等が威力低下。 苦手とする悪タイプのポケモンや技が強化。 得意としてきたラティオスやメタグロス、草タイプの使用率減少。 |
強化されたフェアリーや炎、ノーマルに耐性を持つ。
メガリザードンYに対しては、晴れや貰い火を利用してこちらの火力を上げられることから強力な抑止力となる。
メガサーナイト・メガフシギバナ・メガユキノオー・メガルカリオに対しても相性が良い。
メガクチートやメガガルーラに対しては、それぞれの主要技に耐性があるものの、不意打ちで縛られるのが厳しい。
とはいえ、シャンデラは強化された鬼火に加え、小さくなる・トリックルームなど補助技も豊富であり、安易に不意打ちを撃たれることは少ないだろう。
これまで多かった拘りスカーフ型は主要仮想敵であるラティオスの使用率低下、オーバーヒートの威力が下がって縛れるポケモンが減ったこと、スカーフ霊獣ランドロスや不意打ちを使うポケモンの増加などによって数を減らした。
現状はトリックルームを使うものが多い。
ただしトリル下ではギルガルドに逆に縛られてしまうことも多いため、トリルの発動タイミングには注意する必要がある。
ナットレイやシュバルゴ、メガクチートのはたき落とすも警戒する必要がある。
シャドーボールは鋼タイプに半減されなくなった。
もともと鋼タイプに炎技で殴れたこのポケモンにとっては大きな強化ではないが、ヒードランに対して打点を与えられるのは嬉しい。
熱風などの威力は低下。一方でサブウェポンのエナジーボールは威力が90に強化。157-127水ロトム、207-100マリルリを命の珠なら高乱数1発で、拘り眼鏡なら確定1発で落とす火力となっている。
夢特性としてすりぬけが追加。身代わりを貫通でき、特に身代わりを使うことの多いギルガルドに対して有効。
光の壁も無視することができる。
とはいえメガリザードンYなど強力な炎タイプも増えており、貰い火も捨て難い。
ウルガモス
強化された点 評価が上がった点 |
むしのさざめきが身代わりを貫通する仕様になった。 鬼火の命中率上昇。 夢特性むしのしらせが解禁。 新たに追加されたフェアリー技への耐性がある。 苦手とする雨パーティやトルネロスの使用率減少。 強化されたファストガード・ワイドガードの恩恵を受けやすい。 |
弱体化した点 評価が下がった点 |
炎のジュエル・虫のジュエルが消滅。 熱風やオーバーヒート、めざめるパワー、暴風の威力低下。 怒りの粉の優先度低下で猫だましを吸い寄せられなくなった。 苦手とする炎タイプ、岩技の使用率増加。 得意としてきたエスパー・草・虫タイプの使用率減少。 |
炎タイプの使用率は増えつつあるが、炎タイプ同士の殴り合いに弱いウルガモスは評価が落ちる。
特にファイアローに対しては圧倒的に弱く、蝶の舞で素早さを補強しても容易に縛られてしまう。
そのファイアローとメガリザードンYの台頭によって、岩技の使用率が上がっているのも厳しい。
タイプ相性や特性、主な技の仕様の変更や追加が多い。
まず、夢特性のむしのしらせが解禁。状況次第で虫のさざめきの威力を1.5倍にできるのは強力だが、メガガルーラ等に対して刺さる炎の体も強化されており、現状は炎の体の方が圧倒的に使用率が高い。
新たにフェアリーへの耐性が追加されたが、ウルガモスの虫技もフェアリーに半減され、マリルリ等に対しては不利である。
怒りの粉は優先度が+2に減少し、これまでのように猫騙し(優先度+3)を吸い寄せることができなくなってしまった。
むしのさざめきは身代わりを貫通するようになっている。身代わりを使うことの多いゲンガーやギルガルドなどは虫技に耐性を持っているのが惜しいところか。
めざめるパワーは威力が低下し、めざパ地面でヒードランに奇襲するのは難しくなった。
一方、めざパ氷でボーマンダや霊獣ランドロスを一発で倒す火力はまだ残っており、スカーフなどで奇襲ができる。
今作で強化されたファストガード・ワイドガードの恩恵を受けやすく、それを持ったポケモンと横の相性が良い。
これまで苦手としてきた悪戯心電磁波、新たな弱点である疾風の翼ブレイブバードはファストガードで防げる。
岩雪崩に関しては、相方にワイドガードを使ってもらえば延々と防ぐことができる。
ただし、岩雪崩ではなくストーンエッジを採用するポケモンも多いため不安定さは否めない。
トリトドン
強化された点 評価が上がった点 |
ギルガルドに対して後手で行動でき、トリル下のメガクチートにも強い。 得意とする炎・水・電気・岩・毒タイプの使用率増加。 苦手とするドラゴン・草タイプの使用率低下。 弱点であるめざめるパワー草の威力減少。 |
弱体化した点 評価が下がった点 |
得意としてきた雨パーティやトリパの使用率減少。 自身が使う冷凍ビームや濁流の威力低下。 弱点であるエナジーボールの威力上昇。 草技を標準装備するゲッコウガやメガリザードンYに弱い。 型破りを持つメガギャラドスを呼び水で止めきれない。 |
素早さの遅さが幸いし前作ではスイッチトリパのメタグロスを対策することができたが、今作でも同じようにトリル下のメガクチートに対するメタとなれる。
また、ギルガルドに対して後手で行動できるため、ブレードフォルム状態のそれを狙いやすい。
その他ファイアローやメガゲンガー、メガプテラに対して、後手から弱点を突いて殴ることができる。
特性の呼び水により、構築に入りやすくなった炎タイプや霊獣ランドロスを水技から守ることができる。
雨パーティの弱体化があったとはいえ、強化されたマリルリ・水ロトム・ミロカロスなどに対して有効。
トリトドン単体では腹太鼓マリルリに勝てないが、アクアジェットを抑止できるのは大きい。
ただ、これまでカモにしてきたギャラドスがメガシンカで型破りを使えるようになっており、それによって対策されるようになってしまった。
ジュエル消滅・特殊技の威力低下など火力デフレによって、ドラゴンタイプなどから強引に突破されることも減り、自己再生で粘りやすくなった。
努力値配分を特殊耐久に大きく傾ける必要も無くなり、その分を物理耐久に回せるようになった。
ニョロトノやロトムがトリトドン対策として使うめざめるパワー草の威力も大きく低下。
ただし、エナジーボールの威力は上がっており、クレセリアやシャンデラには一層の警戒が必要。
メガリザードンYのソーラービームやゲッコウガの草結びで縛られるのも惜しい。
ナットレイ
強化された点 評価が上がった点 |
直接攻撃を使う物理アタッカーが増え、鉄のトゲが有効に働きやすい。 苦手とする炎技を含め、特殊技全般の威力低下。 新たに登場したフェアリータイプに強い。 苦手としてきたローブシンやキノガッサの使用率減少。 粉・胞子技を無効化できるようになった。 強化されたはたき落とすを使える。 |
弱体化した点 評価が下がった点 |
天敵である炎タイプのポケモン・技の使用率増加。 鋼の耐性変更により、悪・ゴースト技が等倍で通るようになった。 強化された鬼火に弱い。 電磁波が電気タイプに無効。 得意としてきたラティオスや雨パーティの使用率低下。 |
ゴースト・悪技を半減できなくなったが、フェアリーへの耐性が追加された。
直接攻撃の増えた現環境では鉄のトゲも刺さりやすく、特にメガガルーラへの抑止力となる。
苦手としてきたローブシンなどの格闘タイプも弱体化。
とはいえ、台頭するメガクチートやギルガルドのメタとして炎技の使用率は上がっており、それによる突破はされやすい。
夢特性としてきけんよちが追加され、これを使えば炎技の有無を確かめられるが、基本的には汎用性の高い鉄のトゲが優先される。
これまでカモにしてきたラティオスや雨パーティは弱体化してしまった。
新たに強化されたマリルリやフシギバナに対しては強いが、それぞれ馬鹿力・めざめるパワー炎を持っていることも多い。
また、水ロトムやブルンゲルからは鬼火を受けることが増えた。
このポケモンにとって火傷は厳しく、攻撃力の半減はもちろんだが、スリップダメージによって宿り木のタネで粘ることも難しくなる。
カポエラー
強化された点 評価が上がった点 |
威嚇の需要増加。 強化されたワイドガード・ファストガードの両方を使える。 上記に加え、猫騙し・手助け・フェイントなど豊富な手段でメガシンカポケモンを補助できる。 |
弱体化した点 評価が下がった点 |
新たな弱点としてフェアリータイプやファイアローが登場。 定番の持ち物だった格闘ジュエル、悪のジュエルが消滅。 鬼火・威嚇などの使用率増加で攻撃力を下げられやすい。 威嚇メタとなる負けん気ボルトロス・キリキザンの強化や勝ち気ミロカロスの登場。 |
第五世代では格闘ジュエルが定番の持ち物であり、鉄砲玉のような立ち回りをすることが多かったが、今作でジュエルは消滅。
悪のジュエルも消滅し、不意打ちによる奇襲も難しくなった。
現状カポエラーの持ち物としてはオボンのみや脱出ボタン、ラムのみ、ゴツゴツメットなどが使われている。
威嚇、猫騙し、手助け、フェイントといったサポート技に加え、強化されたファストガードとワイドガードを両方扱える。
この2つで多種の技を防ぐことができ、カポエラー自身に対しての疾風の翼ブレイブバードやマジカルシャイン・フェアリースキンハイパーボイスも防げることから生き残りやすい。
逆に相手のファストガード・ワイドガードをフェイントで打ち消すこともできる。
メガリザードンYなどの補助に適するほか、ファイアローや岩雪崩に悩まされるトリパでは一層重宝される存在となっている。