サーナイト | ハイパーボイス | トリックルーム | ふういん | まもる | サーナイトナイト |
モロバレル | ヘドロばくだん | キノコのほうし | いかりのこな | まもる | ゴツゴツメット |
ズルズキン | はたきおとす | ドレインパンチ | ねこだまし | ちょうはつ | ラムのみ |
ロトム炎 | 10まんボルト | オーバーヒート | エレキネット | まもる | オボンのみ |
ニョロトノ | ねっとう | なみのり | れいとうビーム | あまごい | こだわりスカーフ |
ルンパッパ | ねっとう | ギガドレイン | れいとうビーム | ねこだまし | とつげきチョッキ |
8月~10月にかけて全国ダブルのオフで使用した構築。
下記のように各オフで予選を抜け、結果を出すことができました。
第11回南白オフ | 準優勝 |
第9回北陸オフ (2016バトルロードグロリア北陸予選) |
ベスト8 |
第20回やまポケオフ | 準優勝 |
第30回がにゅーオフ (2016バトルロードグロリア九州予選) |
準優勝 |
概要
去年構築し、VGC2015で愛用した雨サナバレルの派生形。
最大の変更点はサーナイトに「トリックルーム」を持たせたことです。
これによって「スイッチトリル」の戦術を組み込めるようになりました。
「スイッチトリル」について
スイッチトリルとは、最初からトリックルームを張ることを前提に立ち回るのではなく、状況に応じてトリルを使う戦術のことを指します。
相手が速いポケモンを並べているならトリルを仕掛ける、
そうでないならトリルを無理に使わず通常速度で攻める、といった具合です。
したがって、Sを遅くしているのはズルズキンとモロバレルのみで、他は中速以上に設定しています。
このギミックによって、高速ポケモンの対処が楽になるとともに、電磁波や追い風、凍える風といったS操作に対してもカウンターできます。
ヒートロトムの採用について
以前は電気枠としてサンダーを採用していましたが、その採用理由の一つは相手の追い風に対抗してこちらも追い風を使う必要があるため、というものでした。
今回は相手の追い風に対してトリックルームで対応できるため、サンダー以外の電気枠を採用する道が開け、ヒートロトムの採用に至りました。
雨サナバレルに不足しがちだったフェアリー・電気・炎・氷への耐性があること、タイプ一致オーバーヒートによりギルガルドやモロバレルを縛れることなど、補完に多くの貢献をしてくれるポケモンです。
「ふういん+トリックルーム」のコンボについて
サーナイトの封印は、相手のニンフィア・メガサーナイトのハイパーボイスを封じることのできる技です。
今回はそれに加えてトリックルームを封印できるため、相手側のトリル展開を妨害できます。
トリックルーム依存度が強いトリパに対してはイージーウィンすることも可能。
総じて、相手の電磁波や追い風に対してはトリックルームで対処でき、
相手のトリックルームに対しては封印で対抗できるため、S操作に振り回されず、常に上をとって戦えるのがこの構築の強みです。
トリックルーム採用に関して注意すべきこと
サーナイトにトリックルームを持たせるうえで注意すべき点がいくつかあります。
1,サーナイトの素早さ
メガサーナイトの素早さは「127」という値に設定しました。
ロトムやミロカロスなど、中速のポケモンは大体抜くことができ、ヒートロトムのエレキネットとあわせればメガボーマンダも抜ける数値です。
スイッチトリルのコンセプトに従い、これらの中速ポケモンに対してはトリルを張らずに立ち回り、テラキオンやライコウ等の高速ポケモンにはトリルを張る流れで戦います。
とはいえ、相手側のSは簡単には判別できないもの。
S127より遅いガルーラや霊獣ランドロスがいたり、逆にそれより早いミロカロスや水ロトムが存在するため、計算が狂うこともあります。トリルを張って後悔することもあれば、張らずに後悔することも。
この点はスイッチトリルの難しいところであり、マイナーな型や配分は割り切るか、相手に先に動かれてもケアができるような立ち回りをしていく必要があります。
トリックルームを使う際にメガシンカをしなければ、1ターンのみメガシンカ前の素早さで動けることも活かしたいところ。
そのメガシンカ前の素早さは「107」。これ以上遅くすると非トリル下でニンフィアに上を取られ、封印する前にハイパーボイスを受ける事態が起こり得るため、そうした面でもこの設定が妥当と判断しました。
2,サーナイトの技スペース
サーナイトにトリックルームを採用したため、技を1つ切る必要があります。
ハイパーボイス・守るが必須技であることを踏まえると、エスパー技か封印を諦めることになりますが、エスパー技を抜くことにしました。
これによって懸念されるのは相手のモロバレルへの打点が不足することです。
もっとも、最近のモロバレルは特殊耐久に振っている場合が多く、サイコキネシスがあったとしても一撃で落とせるとは限りません。
それに加えて、トリル下であればこちらが動く前にキノコの胞子でサーナイトを眠らされてしまうため、結局仕事はされてしまいます。
そこで考えたのがズルズキンに挑発を持たせ、補助技を封じてモロバレルを腐らせることでした。
ズルズキンはラム持ちなので、トリル下であってもキノコの胞子を恐れず挑発を狙うことができます。
挑発はギルガルドに対しても大変有効な技であり、総じて、トリル対策をモロバレルやギルガルドに依存しているパーティに対して強くなれます。
ただし、ヘドロ爆弾を積んだモロバレルは、挑発状態でもサーナイト・ルンパッパの弱点を突いてダメージを与えてくるため要注意。
使用率は低いですが、モロバレル以外の毒タイプ、特にメガフシギバナには苦戦を強いられます。
主な展開
【サナバレル+ズキン】
主にガルーラスタンに対する選出。
あるいはトリルや威嚇が刺さる相手に対しての選出となります。
ラスト1匹は相手がヒードラン入りの構築ならニョロトノを出し、ヒードランの代わりにギルガルドやファイアローを入れている構築ならヒートロトムを出していきます。
CHALKに強いズルズキンと雨サナバレルの組み合わせであるため、CHALK系統の構築には高い勝率を誇ります。
ズルズキンとモロバレルをぐるぐる受け回して威嚇・猫だまし・再生力を活用し、サーナイトを護衛してハイパーボイスを通すのが勝ち筋。
【雨サナスイッチ】
ボーマンダ、リザードン、サーナイトなどをメガシンカ枠とするパーティに対して有効な選出。
理想的な形は、先発ルンパサナで猫トリルを決め、トリル下のサナバレルルンパ(ズキンロトム)で相手を削り、トリルが切れる頃合いを見てニョロルンパを並べ、雨で制圧することです。
初手でサーナイトをニョロトノに入れ替え、ニョロルンパの布陣を作る流れも強力。
【雨サナバレル】
従来の雨サナバレルと同じく、先発サナバレルで相手を削り、後発ニョロルンパでトドメを刺しに行く選出。
雨が刺さる相手や、ズルズキンを先発で出しにくいミロカロス入りのガルーラスタンに対して出すことが多め。
因みに、ミロカロス入り構築のガルーラはグロパン守る型が多く、大半は猫だましを持っていないため、初手で両守るせず粉ボイスから入っても問題ないと考えます。
個別解説
メガサーナイト
【ハイパーボイス、ふういん、トリックルーム、まもる@サーナイトナイト/トレース→フェアリースキン】
171-×-90-231-156-127 (H220,B36,C196,D4,S52) ひかえめ
※メガシンカ前 171-×-90-187-136-107
HB:A146ファイアローの命の珠+ブレイブバードを確定耐え、A133ファイアローの拘り鉢巻+ブレイブバードを高乱数耐え(75%)
C:11n
S:エレキネット込みで最速メガボーマンダ抜き
メガシンカ枠。モロバレルと二匹の猫だましによるサポートで行動機会を確保します。
素早さに振る努力値の量を抑えているため、耐久にも信頼が置けます。
サーナイトミラーにおいて、準速・最速のサーナイトには先手を取られて封印をされてしまう心配があります。
一年前に雨サナバレルを組んだ時と比べ、準速・最速の封印サーナイトは環境に増えました。
もっとも、こちらが準速・最速まで上げたところで同速勝負。そうした不毛な封印合戦をするよりは、中速にしてSの優劣をはっきりさせる方が私は好みです。
トレースの順番を見て、こちらが早いなら先に封印を仕掛ける、相手が早いなら猫だまし+トリルから封印を仕掛ける、あるいは相手が封印を使っている隙にサーナイトを引っ込めて雨やモロバレル、ヒートロトムで戦う線に切り替えるといった風にミラーでは立ち回ります。
モロバレル
【ヘドロばくだん、キノコのほうし、いかりのこな、まもる@ゴツゴツメット/さいせいりょく】
221-×-112-105-122-39 (H252,B172,D84) おだやか ※S個体値9
HD:C220メガサーナイトのサイコキネシスを確定耐え、C155ウルガモスのオーバーヒートを高乱数耐え(93.7%)
S:最遅ドサイドン-1
キノコの胞子と怒りの粉によって味方を守るサポーター。
トリル下では上からキノコの胞子をばら撒いてもらいます。
フェアリータイプやルンパッパ、キノガッサを意識して攻撃技はヘドロ爆弾を採用。
配分は特殊耐久を厚めにしました。
サイコキネシスを耐えられるため、相手のサーナイトの前でも強気に動けるようになります。
また、ガルウルガとサナバレルで対面した際、ウルガモスのオーバーヒートでモロバレルが落ちる→ガルーラの攻撃がそのままサーナイトに通って壊滅、という事態が考えられましたが、オバヒ耐えを施したことによりそれを避けられます。
物理耐久を減らした分はズルズキンの威嚇を回してカバーしたいところ。
ズルズキン
【はたきおとす、ドレインパンチ、ねこだまし、ちょうはつ@ラムのみ/いかく】
171-156-137-×-135-56 (H244,A252,B12) ゆうかん ※最遅
HB:A146ファイアローのブレイブバードを高乱数耐え(93.7%)
サーナイトのパートナー。
威嚇と猫だましによる味方の護衛、ハイボの通りにくいギルガルド、ナットレイ、ハピナスらへの打点を担います。
トリル下ではズルズキン→サーナイトの順で動くため、はたき落とすで相手のオボンやチョッキを落としてからハイパーボイスを通して大ダメージを与える流れが強力です。
当初はファストガードを持たせ、ファイアローのブレイブバードやボルトロスの電磁波威張るを防いでもらおうと思っていましたが、挑発が必要になっため見送りました。
ただ、ズルズキンのファストガードは有名であるため、相手は警戒して先制技の使用を躊躇してくれることもしばしば。
挑発は汎用性が高く、上記のモロバレル対策以外の用途も多々あります。
ギルガルドに対してはトリル下で挑発→叩き落とすと動けば難なく仕留めることができます。
攻撃技がハイパーボイスオンリーなためワイドガードに完封されるというサーナイトの欠点も、1ターン待てば挑発によって対処が可能。
これも1ターン待つ必要はありますが、トリル下で威張るを乱打する下品なボルトロスも大人しくさせることができます。
相手の守るを封じられるため、トリルターン稼ぎも許しません。
ラムのみはモロバレルのキノコの胞子対策を主として、熱風・熱湯・炎の体による火傷事故の保険にもなります。
当然、ドーブルのダークホール対策としても優秀。
ロトム炎
【10まんボルト、オーバーヒート、エレキネット、まもる@オボンのみ/ふゆう】
140-×-127-172-127-124 (H116,C252,S140) ひかえめ
S:最速ユキノオー抜き
電気・炎枠としてファイアロー、ギルガルド、ハッサム、ナットレイ、シュバルゴなど苦手分野の対策を担当。
オーバーヒートによりモロバレル・ギルガルドに大打点を与えられることが強みで、特攻が2段階下がる反動も受け回しがしやすいこの構築なら容易にリカバーできます。
また、サンダーにはない電気・炎・フェアリー・氷耐性を持っているため、メガリザードンやメガサーナイト、ユキノオー、化身ボルトロスを相手に優位に戦えます。
S操作技はエレキネットですが、電磁波と比べての利点は主に下記の5点です。
1,攻撃技である
襷を割るのはもちろんですが、ダブルダメージでも10万ボルトの半分近くの威力はあり(威力41)、決して軽いダメージではありません。
ブレバの反動が蓄積したファイアロー程度であれば落としてしまうこともあり得ます。目安として耐久無振りのファイアローなら6割以上、HP全振りのものでも半分以上削れます。
2,全体技である
2体のSを同時に落とせるほか、怒りの粉・この指とまれ・避雷針に吸われません。
3,状態異常として重複しない
麻痺と違い、モロバレルのキノコの胞子による眠りと重複しないため、眠らせている間にSを落とすこともできます。
4,電気タイプにも有効
サンダーなど麻痺しない電気タイプにも効果があります。
5,ラムのみや神秘の守りに防がれない
テラキオンなどのラムに引っかかりません。
電磁波が弱体化する第七世代では是非エレキネット民になりましょう。
一方デメリットとしては、命中率が95%であるため不安定なこと、Sの下げ幅が足りない場合があることが挙げられます。ミロカロス・キリキザンの特性を発動させることにも注意が必要です。
努力値は特攻に全振り。
メガサーナイトのダブルダメージハイパーボイスとあわせてミロカロスや硬めのモロバレル、ギルガルドを突破できるようにするためであり、集中攻撃で202-145ミロカロスを落とすためには特攻を削れません。
耐久に振ったメガリザードンYもエレキネット→10万ボルトで処理できます。
ミロカロスとキリキザン、ユキノオーに先手を取りたいことから、素早さも伸ばしています。
ニョロトノ
【ねっとう、なみのり、れいとうビーム、あまごい@こだわりスカーフ/あめふらし】
166-×-95-142-120-134 (H4,C252,S252) おくびょう
雨を降らせることで相手の炎タイプを腐らせるのが役目。
ヒードランに身代わりを貼られても雨でケアでき、そのおかげで安心してサナバレルを並べられるのが「雨サナバレル構築」の最大のメリットと言えます。
リザードンに対しては二匹の猫だましやヒートロトムで時間を稼ぎ、相手がメガシンカするのを待ってニョロトノを投げ、雨を降らせたいところ。
トリルを使う構築であるため、最遅にする手もありました。
しかし、トリル下の5ターンで戦うのはズルズキン、モロバレル、サーナイトの三者だけで事足り、トリルが切れた後のトドメ役として活用したかったことから、スカーフ型を選びました。
ルンパッパ
【ねっとう、ギガドレイン、れいとうビーム、ねこだまし@とつげきチョッキ/すいすい】
155-81-91-156-120-122 (B4,C252,S252) ひかえめ
定番の雨すいすいアタッカー。
雨天下で暴れるだけでなく、サーナイトのトリルを猫だましで補助した後、そのまま広範囲の弱点を突けるアタッカーとして動いてもらうことも多いです。
雨パーティ対策としても頼れる存在であり、このポケモンを見て相手はニョロトノの選出を切ることが多いため、こちらのヒートロトムが暴れやすくなります。
持ち物は単体性能を高めるためのチョッキ。
トリルを絡めた構築とあって素早さをどこまで振るかは難しいところでしたが、Sを落とすとスカーフ霊獣ランドロスを抜けなくなることや、ルンパッパミラー、対ミロカロス・水ロトムを考慮して準速にしました。