※現在はレンタルチーム非公開
概要
Victory Road(@VGCVictoryRoad)主催の企画であるWorld Champion Invitationalで使用したパーティです。大会の結果や対戦動画、感想は記事の最後にまとめています。
シーズン1のランクマッチでもこのパーティをメインに使っており、最高順位は7位、最終順位は17位です。
内容は重力シンボラー入りのバンドリ砂パ。
バンドリの苦手とするアーマーガアや水ロトムをシンボラーの重力で地面に落としてダイアースで撃墜しようという作戦です。さらにシンボラーが重力+催眠術のコンボを使えるので、ダイマックスポケモンを眠らせてターンを稼いだり、後続のバンギラスが竜の舞を積む起点を作ることができます。重力ダイアースも重力催眠も一貫しやすく交代で受けられにくいのでサイクルを回す系の構築にはかなり強め。
地面タイプのドサイドンやバンバドロの対策はミロカロスとダダリンが担当。ミロカロスは勝ち気によって威嚇をけん制できるのはもちろん、ワイドブレイカーで相手物理アタッカーを弱体化させます。自己再生で詰ませる動きも強く、バンドリが刺さりにくい相手にはミロカロス要塞化戦術が刺さりやすいです。ダダリンは黒い鉄球を持たせてコータスやドサイドンの下を取ることができ、各種ダイマックス技でトリルターンに逆に攻勢を仕掛けられます。
構築経緯
第八世代が始まってからまずはダイマックスを活かしやすいポケモンを使おうと決めていました。最初に目をつけたのがドリュウズです。
砂かきによる高い素早さで相手の上を取り、ダイスチル・ダイアースという能力アップ効果付きダイマックス技で殴りながら盤面を固められるドリュウズには非常に高いパワーを感じました。砂ドリュウズと相性が良いポケモンとして負けん気ウォーグルが選択されることが多いですが、あちらもダイマックスで真価を発揮するためドリュウズとダイマックス権を争ってしまい、また物理アタッカーという役割も被るため好みではありませんでした。
そこで、ウォーグルと同じように威嚇をけん制できる特性を持ち、味方のダイマックス技による耐久補強の恩恵を受けやすいミロカロスと組ませることにしました。
ダイスチル・ダイアースで守りを固めたミロカロスは中々厄介で、終盤の詰め筋にもなりやすいです。このルールでは弱点となる電気タイプの強力なアタッカーが少ないこと、草タイプはドリュウズのダイワームで倒せること、どくどくの技マシンが消えていることもあって、型にはまると突破手段は限定されます。防御面を下げるダイホロウやダイアークなどの能力ダウン系ダイマックス技は勝ち気のエサにできるため撃つのを躊躇させやすいところも噛み合っています。さらに、砂ドリュウズの対策として使われやすいドサイドンやバンバドロに対してもミロカロスは相性が良く、ダイマックスターンをワイドブレイカーと自己再生でしのいで、ダイマックスが終わってから攻めかかるような立ち回りで対処できます。
砂パ+ミロカロスの形は6世代から存在する昔ながらの組み合わせですが、弱点として水タイプが挙げられます。とりわけこのルールの水タイプ筆頭である水ロトムは地面技すら効かず、鬼火を撒いてくるために厄介。型破りドリュウズなら難なく対処できるところですが、砂かきも非常に強力な特性であるため捨てがたいです。
・・というわけで撃ち落とすや重力で相手を地に落とすことを考えます。浮いてない水ロトムならドリュウズで弱点を突いて突破することも可能です。が、なんと、撃ち落とすも重力も技マシン・レコード化していません。ゲームバランスが見直されて地面に落とす系は風当たりが強くなった印象。足の速い撃ち落とす使いはガラルに存在しないので、重力使いを探していくことになります。このルールで重力を使えるポケモンは以下の通り。
ピクシー、サマヨール、ヨノワール、ギガイアス、ナットレイ、シンボラー、イシヘンジン |
・・・他のポケモンが遅すぎてシンボラー一択でした。
消去法で選ばれたシンボラーですが、技や特性を調べていくと強い動きができることが分かりました。重力との組み合わせが凶悪な催眠術を覚え、自身でコンボを完結させています。カプ不在でフィールド変化の少ないガラルダブル環境では眠り状態が強力で、特にダイマックスポケモンを眠らせらてターンを稼げるとかなりのアドバンテージ。ミラクルスキンにより、不安定ながらもコンボ妨害に耐性を持っていることも優秀です。
さらに、強力なS操作の追い風を習得できます。アーマーガアやウォーグルと比べて素早さが97族と速いため、相手のドリュウズやウインディより先に動いて追い風⇒加速した味方の攻撃でそれらを仕留める、という動きができるのも長所です。
シンボラーorミロカロス+ドリュウズを基本の先発として決定し、残るは後発のポケモン決め。ドリュウズのダイアース・ダイスチルによる耐久補強、シンボラーの追い風・催眠術による起点作りを活かすべく、後発に出すポケモンのうち1体は積み技持ちが望ましいと考えました。
バンギラスはその積み技アタッカー役と砂おこし役を兼務できる便利なポケモンです。
一時期は砂ミラーに強くトリルにも対処のしやすいカバルドンを使っていましたが、シンボラーやミロカロスのおかげでそれらにさほど苦戦しないことが分かり、竜の舞を持ち催眠術で作った起点をより活用できるバンギラスの方がマッチすると考えました。
後発のもう片方は拘りメガネドラパルトを選択。
格闘や水に耐性を持つのでバンドリとシナジーがあり、素早さを活かして最後に相手を蹴散らす役です。このパーティには電気・炎タイプがいないのでこのポケモンにそれらのタイプの技を持たせてギャラドスやアイアントの4倍弱点を突いてもらうことにしました。ドラゴンタイプには他にもジャラランガ、ジュラルドンといった候補もいましたが、ジャラランガは格闘が付いているのでギャラドスに弱く、ジュラルドンは鋼が付いているのでバンドリと弱点が被ります。さらに言えばかえんほうしゃと10万ボルトをそれぞれ片方しか覚えません。他方、ドラパルトについているゴーストタイプは足を引っ張ることがあまりないし、むしろ悪ゴーストを誘ってバンギラスで狩ったり、バンドリの弱点である格闘を透かしたりとシナジーがあります。欲しい特殊技もしっかりマスターできているのでこのポケモンを選ぶことになりました。他にはパッチラゴンという候補も。はりきりのデメリットを重力で補うのは面白そうなのですが、地面タイプがさらに厳しくなるのと、重力への依存が強すぎることから断念しました。
最後にトリパ対策のできるポケモンを探すことになり、相手のトリルにタダ乗りして活躍できる遅いポケモンを採用することにします。ナットレイやカビゴンやコータスはバンドリと弱点が一部被るため、今回はダダリンを選ぶことにしました。
バンドリの共通弱点3タイプ、みず・じめん・かくとうにダダリンは耐性があり、なおかつサイドチェンジでそれらを引き受けられることから相性が良いです。実は前世代でバンドリダダリンを少し考えたことがあり、シナジーがあることは分かっていました。そして今作ではアクアブレイクを習得し、ダイマックスすることによってトリルコータスに対応できます。
個別解説
能力値
HP-こうげき-ぼうぎょ-とくこう-とくぼう-すばやさの順
努力値
H→HP / A→こうげき / B→ぼうぎょ / C→とくこう / D→とくぼう / S→すばやさ
シンボラー
【サイコキネシス、じゅうりょく、さいみんじゅつ、おいかぜ@きあいのタスキ/ミラクルスキン】
147-×-100-155-101-163 (C252,D4,S252 おくびょう)
重力起動役。重力の技が技マシン・レコード化されず、他のポケモンが覚えられなかったことで、唯一のドリュウズより速い重力使いとなり出番が巡ってきました。二年後にはグラードンとコンビ組んでそうです。
「じゅうりょく」は”地面技の一貫を作る”、”命中率を補う”という2点の恩恵を受けられるサポート技。前者によってドリュウズのダイアースを水ロトム、アーマーガア、ドータクンらに通せるようになるほか、地面技が無効にされないことでダイアースの追加効果を確実に発動させられます。
命中率アップはシンボラー自身の「さいみんじゅつ」が恩恵を受けられ、相手を眠らせてバンギラスで積む動きが強力です。単純にダイマックスターンを眠らせて過ごすだけでも十分なアドバンテージと言えるでしょう。重力する暇がない時は素催眠、許してください。
岩雪崩や10万馬力など味方が使う技の命中不安を取り除けるのもありがたいところですが、相手が使う技の命中も上がってしまうので張り切り特性のパッチラゴンなどには注意です。
相手側の先発に飛行タイプや浮遊ポケモンがいなくても、余裕があれば重力の起動から始めます。ドリュウズのダイアースが飛行タイプで受からなくなるうえ、以後催眠術が必中化し相手がシンボラーを放置できなくなるためです。
「おいかぜ」はS操作として大変便利な技で、相手の追い風に対抗する意味合いでも使えます。追い風+砂かきの揃ったドリュウズは誰も抜けません。シンボラーは素早さ97族で、かつ今作の追い風は即適用なので、ウインディやヒヒダルマ相手にシンボラーが追い風を撃ち、直後にドリュウズを動かしてそれらを縛るという動きもできます。また、ドリュウズミラーS合戦でも味方のドリュウズを勝たせることができます。
攻撃技は最も威力の出そうな「サイコキネシス」にしました。物理耐久厚めにしがちな環境なのでサイコショックよりはサイコキネシスを優先。このパーティに飛行技とフェアリー技がないので格闘への打点としても大事です。ローブシンやジャラランガのような格闘タイプはダイマックスをあまりしてこないので、サイコキネシスとダイスチルで集中を仕掛けたらだいたい倒れてくれます。ただ、シンボラーは先発で出すことが多いのに対し、格闘は後発から出されることが多く、あらかじめシンボラーが倒されてバンドリだけ残ると格闘に詰まされてしまいます。そのため、格闘タイプ入りの相手にはシンボラーを温存する立ち回りを選ぶこともあります。
弱点が多く、耐久が心もとないため「きあいのタスキ」はほぼ必須の持ちもの。努力値も耐久にはほぼ振らずCS振りです。
特性は、「ミラクルスキン」にしました。50%なので運次第とはいえ、挑発や電磁波がどこから飛んでくるか分かりにくい環境初期にあって最低限の保険があるのはありがたく、強気に重力コンボを選べます。重力+ダイアースのコンボにとって挑発がきついのはもちろんですが、電磁波や怖い顔を受けてシンボドリュの行動順を変えられた場合でも破綻するのでそれらは極力受けたくないところ。重力で相手の命中率が上がるのとは噛み合ってないですが、そもそも重力の起動を阻止する挑発や電磁波を防ぎたいので問題ないはずです。
堅実に砂ダメを防ぎそれによって襷も守れるマジックガードも魅力的ではありました。実際、砂ダメがトドメになってしまう場面はかなり多いです。とはいえ、サポート要員は早めに退場した方が展開的には有利になることもあります。基本的にシンボラーは先発で、バンギラスは後発なので、うまく出すタイミングを調整していけばあまり困ることはありません。
ドリュウズ
【10まんばりき、アイアンヘッド、シザークロス、まもる@いのちのたま/すなかき】
185-187-80-×-86-154 (A252,D4,S252 ようき)
この構築のエース。ランクマッチで最もよく見かけるポケモンの一つで環境の中心と言っても過言ではないと思います。最速ドリュウズミラーも頻繁に起こり、シンボラーの追い風や砂かき(相手ドリュが砂かきでない場合)を使ってS勝負に勝たせたいところ。
砂かきも型破りも強い特性ですが、重力を絡めることによって"両方の特性を持ってます"という感じにしました(ヨクバリス)。ほぼダイマックスでの運用を前提にしており、トリパやリザードンを相手にした時以外は原則このポケモンをダイマックスさせると考えてよいです。
技は主力となるダイアース・ダイスチルのベースとして「10まんばりき」と「アイアンヘッド」をチョイス。地震は重力後のシンボラーを巻き込むため、やはり地面技は10まんばりきです。また相手エルフーンvs味方シンボラーの対峙で追い風の吹かせ合いを待って動いた方が良いこともあって、「まもる」も持たせています。
最後の技は定番の岩雪崩ではなく「シザークロス」を採用しています。この技は、重力ダイアースによる処理ができない草ロトム、ルンパッパ、その他草タイプを倒すためのものです。草タイプを処理することで、ミロカロスで詰ませる立ち回りがやりやすくなります。ダイワームの追加効果も魅力的。
岩技を持たせていないのは、このパーティなら飛行タイプには重力による対処ができることや、岩技の攻撃範囲はバンギラスに任せられると考えたためです。ただ、岩技を切った弊害もいくつかあり、特にギャラドスに苦戦しやすいのが課題でした。後述する通り、World Champion InvitationalではギャラドスやB最硬リリバキッスに苦しんでいます。これら飛行タイプは最近の環境で増えていて、反対に草タイプは減っているので、シザークロスより岩雪崩を優先すべきだったのではという後悔はあります。
チョッキや襷ではなく攻撃的なアイテムの「いのちのたま」を持たせています。命の珠+ダイマックス技は前作のZ技に匹敵する火力があり、相手を倒しながら能力アップできるとかなりのアドバンテージを得られます。ミロカロスの手助けまで絡むと並の耐久のポケモンでは耐えられません。命の球の反動はダイマックス時は1/20なので大して気になりません。
アタッカーの本分を果たすべく攻撃に全振り。素早さはミラーが頻発することや戦術上最速FCロトムを抜くことが絶対に必要なため最速。
バンギラス
【いわなだれ、かみくだく、りゅうのまい、まもる@ラムのみ/すなおこし】
183-195-131-×-121-113 (H60,A188,B4,D4,S252 いじっぱり)
A:りゅうのまい一積みのいわなだれダブルダメージでトゲキッス(H161-B115)を確定一発。
HB:ドリュウズ(A187)の10まんばりきを確定耐え
ドリュウズを加速させる砂おこし役。シンボラーの催眠術と相性の良い「りゅうのまい」型で、積みアタッカーでもあります。タイプ相性面ではドラパルトやリザードンに強いことが重要です。
攻撃技はタイプ一致の「いわなだれ」・「かみくだく」を持たせました。試合の後半なら相手のダイマックスも終わっていることが多く、岩雪崩もより脅威となります。催眠術による眠りから起きたところに雪崩怯みが入ったら相手は降参ボタンを押したくなるでしょう。ストーンエッジも重力で命中不安を補えて一見相性が良いのですが、竜の舞と怯みの相性の良さや全体技のダメージ効率の良さを考えると岩技は岩雪崩を選ぶことになりました。
馬鹿力や炎のパンチのような役割破壊技は特になしです。この点はドラパルトとドリュウズの攻撃範囲を広げていることで補いたい考え。バンギラスは弱点が多く、倒されるのがあまりに早いと味方の負担が大きくなってしまうことから「まもる」も持たせています。
ダイマックスするのはリザードンを相手にした時ぐらいなので、ダイマックス前提になりやすい弱点保険は持たせませんでした。代わりの持ち物としては鬼火や電磁波が嫌なので「ラムのみ」を持たせています。弱点保険を警戒させてそれらの補助技を撃たせられたら儲けものです。ねむりごなにも強く、晴れパのラフレシアやトリパのバタフリーなども対策することができます。このパーティのシンボラーもそうですが、眠り技を使う補助型のポケモンは襷持ちが多いので、砂嵐でそれを割れるのもグッド。
素早さは竜の舞1回でリザードンやウインディを抜くことも視野に入れて準速まで振っています。余裕があれば2回積んでドラパルトを迎え撃っても良いでしょう。耐久はドリュウズの10まんばりき耐えがちょうど良いと判断しましたが、不足を感じがちなのでもう少し振って良かったかもしれないです。
ミロカロス
【だくりゅう、ワイドブレイカー、てだすけ、じこさいせい@たべのこし/かちき】
201-72-133-121-150-108 (H244,B172,C4,D36,S52 ずぶとい)
HD:ロトム(C172)のダイサンダー(威力130=カットロトムのリーフストームと同じ)を確定耐え
HB:A+1(ワイドブレイカー1回/弱点保険発動時)ドサイドン(A211)のダイアースorダイロック(威力130)を高乱数耐え(81.2%)
S:無振りFCロトム+2
バンドリの苦手な威嚇持ちや硬い地面に強く、かつ「じこさいせい」で粘ることによって詰め筋にもなれるポケモンです。能力ダウン対策特性はウォーグルの負けん気ばかり注目されますが、ミロカロスの勝ち気もかなり強く、こちらはダイスチルとダイアースで硬くなり、相手のダイアークやダイワームは勝ち気の餌にしてしまえるため、一方的に能力を上げられることが強み。昔ながらの運用として、選出しなくても相手に先発威嚇を投げさせにくくできるのでこちらの先発ドリュウズが円滑に動けるようになります。
じこさいせい以外は今作で新しく習得した技なので従来のミロカロスとは異なる動き方ができます。
「だくりゅう」はダメージ効率の良い全体技。全体技のメインウェポンを持つことにより、勝ち気による特攻アップができた場合に高い制圧力を発揮できるようになります。熱湯との選択は諸説ありますが、熱湯は命中安定の代わりにサイドチェンジに悩まされやすく、特に水技を当てたいドサイドンやコータスの隣にはサイチェン持ちのサマヨールやこの指持ちのイエッサン♀が立っていることが多いです。この点、熱湯より濁流の方が「当てたい相手に当てられる技」として信用できる状況も珍しくなかったりします。トリトドンの呼び水で完全には防がれないのもグッド。ちなみに濁流の命中不安はシンボラーの重力で補うこともできますが、シンボラーとの同時選出は少ないのであまりアテにしていません。濁流の命中ダウン追加効果と重力は相性が悪い面もあります。
「ワイドブレイカー」はドサイドンやバンバドロを弱体化させることができ、食べ残し自己再生と絡めてダイマックスターンの終わりまで粘ることができます。くすぐるという選択肢もあるのですが、これもまたサイチェンに悩まされやすく、特にドータドサイやサマヨドサイはダイストリームケアと称してサイチェンをしょっちゅうミロカロスに仕掛けてくるのでワイドブレイカーが無難。ナットレイら草物理の火力を抑えてドラパを出すまでの時間稼ぎをすることもできます(てつのトゲを触ってしまうのがやや痛い)。アーマーガアにはミラーアーマーで跳ね返されますが、それを利用して勝ち気で能力アップができます。味方ドリュウズのダイスチルで防御を高めておけばアーマーガアとのタイマンにだいたい勝てるのは覚えておきたいです。
「てだすけ」は主にドリュウズを強化するのに使い、ダイマックスやリリバで構えているブリムオンやトゲキッスの一撃突破を狙えます。汎用性も奇襲性も高く、ミロカロスを腐らせずに運用したい思惑とマッチする技。トリトドンの突破もこれのおかげで楽になっています。
場に居座りつづけることで相手の動きに制限をかけられるのが強いと考えているため配分は防御重視。特攻には4振りのみ。持ち物も場持ちを良くする「たべのこし」です。
ドラパルト
【りゅうせいぐん、シャドーボール、10まんボルト、かえんほうしゃ@こだわりメガネ/クリアボディ】
163-×-95-152-96-213 (C252,D4,S252 おくびょう)
バンドリとの相性補完がなかなかよく、高い素早さによって終盤に一掃を狙うスイーパー。前作まで定番だったバンドリマンダのマンダの部分に近いです。
タイプ一致技としては、普段は一貫性のある「シャドーボール」を用い、瞬間火力が欲しい場合ときは「りゅうせいぐん」を撃つという使い分けになります。また、サブ技に「10まんボルト」と「かえんほうしゃ」を持たせてパーティに足りない攻撃範囲を補っています。ギャラドスやアイアント、ナットレイ、シュバルゴを倒してもらいたいです。
格闘タイプや地面タイプを強引に落としたい、など火力の欲しい場面が多いため持ち物は「こだわりメガネ」を持たせました。ダイマックスしたギャラドスも10まんボルト一撃で落とせます。技の打ち分けをしたいときに眼鏡が足を引っ張ることもありますが、ダイマックス権が残っていればそれによって拘り解除をする拓もあります。
基本的にはダイマックスしませんが、例外もあります。インテレオン、カマスジョーなどの速い水タイプや、エルフーン+アイアントなどを相手した時であり、ダイマックスによって耐久力を付与して攻撃を耐えて反撃したい狙いです。
努力値・性格については当初は控えめでS調整したものを使っていましたが、ドラパルトミラーが想像以上に多かったのでおくびょう最速にして同速勝負もできるようにしました。最速でないギャラドスなら竜の舞/ダイジェット1回で追いつかれないのも良いです。
特性は「クリアボディ」。特殊型なので威嚇を防げる旨みはないものの、バークアウトや凍える風に悩まされないところを評価しています。
ダダリン
【パワーウィップ、ジャイロボール、アクアブレイク、サイドチェンジ@くろいてっきゅう/はがねつかい】
177-187-134-×-110-40 (H252,A148,B108 ゆうかん)
HAB:あくタイプのイカサマを最高乱数以外耐え
HB:ダイマックス時、A+2ドサイドン(A211)のダイバーン/ダイアイス(威力130)を高乱数耐え(81.2%)
S:最遅
バンドリ+追い風系構築では鬼門になるトリパの対策を担います。「くろいてっきゅう」を持たせた場合の素早さは20であり、最遅コータス(S22)の下も取ることが可能です。トリックルーム下で相手に応じて下記のダイマックス技を繰り出していきます。
「パワーウィップ→ダイソウゲン(威力140)」・・最高威力の技でメインウェポン。グラスフィールドで自分を強化できるので、二撃目が強くなります。グラスフィールド下のダイソウゲンになると、HPに振っていない(AD振りの)ダイマックスドサイドンをほぼ一撃で倒せるようになります。また、相手のイエッサンが展開したサイコフィールドをGFで上書きしてブリムオンのダイサイコを軽減する動きもできます。
「ジャイロボール→ダイスチル(威力130)」・・特性のはがねつかいでタイプ一致クラスの威力に強化されます。ブリムオンを一撃で倒したり、防御を固めておくことででトリルターン稼ぎするのに使えます。ベース技のジャイロボールは自身の6倍の素早さ(鉄球ダダリンから見た場合は実数値120以上)の相手に威力150を出せるので、非ダイマックス時にはパワーウィップよりも強いメインウェポンになりえます。
「アクアブレイク→ダイストリーム(威力130)」・・ほぼコータスピンポイント対策の技。雨を降らせて噴火の威力を大幅に落とします。ダイロックやダイアースなら晴れで軽減されずにコータスを攻撃できますが、コータス側もダイマックスしてそれらを耐えてくる可能性があるし、サイチェンやこの指で避けられて体力MAX噴火を撃たれダダリンが倒れるのは非常に厳しいです。雨を降らせるのが最も安全で裏目の無い立ち回りだと考えています。
タイプ一致となるダイホロウも欲しかったですが技スペースの都合で断念。ダイマックス権を他の味方に譲ることもありますが、その場合でも各攻撃技が高性能なので十分な性能を発揮してくれます。トリル対策以外の動きとしては優先度の高い「サイドチェンジ」で相手の攻撃をぶれさせる戦法があります。エラがみやでんげきくちばしをサイドチェンジで引き受けられると威力2倍の判定が発生しないので美味しいところ。耐性と弱点が両方多いダダリンにピッタリの技で、バンドリとの相性補完の良さも活かせます。
主な選出
基本選出
先発:ドリュウズ + シンボラー or ミロカロス
後発:バンギラス + ドラパルト
このパーティの基本選出。シンボラーかミロカロスの補助のもとダイマックスドリュウズを動かしてアドバンテージを取り、終盤は非ダイマックス相手に強いバンギラスとドラパルトで戦う形です。先発は重力や追い風の刺さりそうな相手ならシンボラー、硬い水タイプや勝ち気の刺さりそうな相手ならミロカロスと決めています。
初手の選択肢の幅は広いです。
- ロトム等、浮いているポケモンを倒したいなら「じゅうりょく+ダイアース」
- ウインディ等、速いポケモンを倒したいなら「おいかぜ+ダイマックス技」
- スカーフヒヒダルマ等、さらに速いポケモンを倒したいなら「バンギラスに交代して砂かき起動しながらダイマックス技」
- ダイマックストゲキッス等、硬いポケモンを倒したいなら「手助け+ダイマックス技」
- エルフーン等の追い風に対抗したいなら「おいかぜ+まもるorダイウォール」
ドリュウズ+この指リリバキッスの並びに対しては、追い風ダイスチルでキッスを削りながら防御アップで相手のダイアースを耐え、次のターンにサイキネでキッスを倒してダイアースを相手のドリュウズに撃つという順序で勝つようにしています。
バンドリ先発型
先発:ドリュウズ + バンギラス
後発:ミロカロス + ドラパルト
初手バンドリは対策されやすいのであまりやらないですが、砂対策が薄そうに見える相手には狙ってもいいです。また、初手でダイスチル・ダイアースを選びながら、バンギラスをミロカロスに交代する動きにより、砂かき速度のダイマックス技で確実にミロカロスを強化できるため、ミロカロス育成作戦も進めやすいです。
対トリル型
先発:ミロカロス + バンギラス or ドリュウズ orドラパルト
後発:ダダリン + バンギラス or ドリュウズ orドラパルト
ダダリンはトリパへのカウンターとして強いですが、先発に置くと相手はトリルを押してくれないので、初手では出さずに交代で投げると良い感じ。相手の先発陣を濁流等で削りながら相手のトリルを待ち、トリルターン中にダダリンで大暴れして最後にこちらのアタッカーで〆という流れが理想的。対戦動画で言うとビエラさん戦の二本目のような初手の立ち回り方になります。トリルしてこないドサイドンはミロカロスでワイドブレイカーをかけて弱体化させてやることでダダリンの負担がだいぶ減らせます。
ダダリン先発型
先発:ドリュウズ + ダダリン
後発:バンギラス + ドラパルト
ルチャブルやインテレオン、カマスジョーなど、苦手な高速ポケモンに対して勝ち筋を作り出す戦法です。初手からサイドチェンジを仕掛けて相手の攻撃をぶれさせつつ、ドリュウズのダイマックス技で相手の高速ダイマックスポケモンを削ります。そして次のターンでダダリンを交代、バンギラスを繰り出しドリュウズの砂かきを起動させて先手を取り、相手にトドメを刺すというやり方。リスキーですがうまく決まれば相手の高速ダイマックスアタッカーをノーダメージで処理できます。
また、雨パや晴れパと天候合戦をする場合にもこの出し方をすることがあります。素早さの遅いダダリンを交代すれば交代順序がほぼ間違いなく最後になり、バンギラスを繰り出すことで確実に天候を取れるためです。
World Champion Invitationalの対戦動画と反省点など
vs Wolfe Glick選手
相手にミロカロスを突破できるポケモンがいなさそうだったので、こちらは全試合ミロカロスを育てにいきました。一本目でドラパルトが物理型なのが判明するとその確信はさらに強くなります。
結局一本目はつのドリルを当てられてミロカロスが突破されているのですが、その後のプレミは反省点です。バンギラスでドラパドリュ相手に岩雪崩選んだ場面、ドラパが砂ダメ+珠ダメで倒れるのを失念して全体技の岩雪崩を選んでしまいましたが、かみ砕くできっちりドリュウズを倒せていれば最後にギャラドスとのタイマンで勝てていたはず。一撃技が命中したりして動揺するとミスしやすいので冷静にならないといけないですね。
三本目のラストは飛び跳ねる避けで辛くも勝利。命中率が一段階ダウンしていたので、元々命中率85の飛び跳ねるが当たる確率は56%ぐらいでした。
ワタシラガは初めて相手にしましたが、特性のわたげを勝ち気のトリガーとして利用させてもらう形になりました。おそらく普段はクリアボディのドラパルトと組んで相手の素早さだけ下げる運用をするのかなと思います。
vs Arash Ommati選手
初めて見るキョダイピカチュウにびびるも、キョダイバンライで全体が麻痺しても追い風で±0にすれば良いんじゃないかと考えていました。あとこのポケモンの特性は静電気オンリーなことに途中で気づきました。ギャラキッス+ひらいしんの構成を警戒していましたがその線は無かったんですね。
ピカチュウはともかく、ギャラドスとローブシンが両方入っているのはバンドリにとってきつい。ギャラドスがかみ砕くを持っていてドラパルトの10万を通せそうにないのも厳しく、さらにダイマックストゲキッスが絡んでくるのが苦しい。ダイジェットと龍の舞で素早さを上げられまくったギャラドスには追い風でも対抗できません。一本目はうまく噛み合って勝てたものの、二本目、三本目で取り返されて逆転負けしてしまいました。
Wolfe戦に引き続きギャラドスに苦しめられており、ドリュウズのダイロックが欲しくなっています。
vs Shoma Honami選手(ビエラさん)
キッスドラパ+雨+ドサイトリパという強そうな並び×3の豪快なパーティ。こちらとしては先発を決めるのが毎回拓になってしまいます。
初戦は手助けダイスチルをリリバキッスに耐えられたのが痛かったですね。ダイロックがあれば、とここでも思いました。
二本目でトリル下のサイドチェンジ読みをした場面は、縛られてるドサイドンが普通に動いてくるとは考えにくいし、「サイチェンしながらドサイドン動かし」か「ダイウォールしながらトリックルーム(自分でトリル解除)」かなと思っていました。ダイソウゲンと噛み砕くをドータクン方向に重ねればそのどちらでも対処できると考えました。欲を言うならダイスチルで防御を上げたかったのですがダメージが足りるのか自信がありませんでした。
三本目の終盤は催眠術のおかげで巻き返しかけますが、雨濁流でバンギラスを倒されたのが決定打になり負け。濁流の存在を完全に忘れていて、バンギ→ドラパ交代を読まれて冷凍ビームマジシャを撃たれるか、熱湯をドリュ方向に撃たれるかのどっちかかなと思っていました。濁流が頭になかったのは、剣盾でルンパッパに濁流を撃たれたことがなかったからで、完全に経験不足です。今まで当たったルンパッパはダイマックスしてダイストリームを撃ってくるか、ダイマックスせずにこちらのダイワームorシザークロスで一撃処理されるかだったため・・でしょうね。一本目で濁流を撃たれていないのも響きました。
最後に
力を入れて練った自信はあるパーティでしたが、World Champion Invitationalでは1勝2敗(シングル戦単位では4勝5敗)と負け越す結果になりました。
三戦ともドリュウズに岩技を持たせていないことが悔やまれます。個別解説にも書いた通り、シザークロスを採用した理由も岩技を切った理由もあって、少し前の環境ではこの技構成で問題ありませんでした。ただ最近はギャラドスやB厚めのリリバキッスがランクマッチ上位にも増えてはいたし、その環境変化に素早く対応して構築を組み替えられなかったのは反省点と言えそうです。というわけで岩雪崩を持たせたレンタルチームも下の方に用意しています。
さすが世界チャンピオン最強決定戦とあって、どの相手もかなりレベルが高かったです。私が戦わなかったAグループのプレイヤーも見慣れないパーティを使っていて簡単には勝たせてくれなさそうでした。レジェンドプレイヤー達と戦うのは燃えたし、自分も多くの方に応援してもらってワクワクする企画でした。大規模な企画で運営スタッフの方はかなり骨を折られたと思いますが、こういう場を作ってくださったことに感謝したいです。
ソード・シールド発売から今までほぼずっと砂パ漬けだったので、次は新しいパーティを考えようと思います。