【ダブル】脱出エルフラプラス

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シリーズ4からシリーズ5(鎧の孤島環境)にかけて使ってきたパーティです。シリーズ4ルールのINC Mayで6位、シリーズ5ルールのシーズン8ランク戦で最終レート2005(37位)などの結果を出してくれました。8/1に行われた日本一決定戦でも使用しましたが、この大会では8勝10敗の87位で振るわずでした。

概要

脱出ボタンエルフーン+ラプラスについてf:id:barudoru:20200112003313p:plainf:id:barudoru:20200806213635p:plain

今回の構築はキョダイセンリツラプラス+追い風エルフーンを軸としています。エルフーンいたずらごころ追い風によってラプラスを相手より先に動かしてキョダイセンリツを撃ち、オーロラベールを展開してそのターンの攻撃を軽減するとともに、味方全体に耐久と素早さのサポートを与えてその後の試合を有利に進められます。

この戦術を使う上でエルフーン「だっしゅつボタン」をもたせるのが最適と考えました。脱出ボタンエルフーンには3つのメリットがあります。


1,速やかにアタッカーを展開できるf:id:barudoru:20200806213804p:plain
追い風もオーロラベールもターンが限られているため、これらが有効なターン内でアドバンテージを取ることが必要です。パワーのないサポーターエルフーンが場に残った状態では相手にターンを稼がれてしまいがちですが、脱出ボタンで素早く裏のアタッカーと交代しておくことで早ければ2ターン目から猛攻を仕掛けることができます。アタッカーの攻撃で数の差をつけて相手の後発ダイマックスを迎え撃つという逃げ切りの形を目指します。


2,エルフーンを裏に温存できるf:id:barudoru:20200112003313p:plain
エルフーンは耐久振りにしており、オーロラベール展開時ならリベロエースバーンの命の珠+ダイスチル/ダイジェットを耐えるほどです。攻撃を耐えて脱出ボタンで後ろに引っ込むことで、再度エルフーンの追い風を使うチャンスが生まれます。第8世代の素早さ操作即時適用の仕様からしても二度目の追い風展開は非常に強力で、こちらのアタッカーが常に上を取り続ける形になります。

エルフーンが倒されず生き残ることによって数の差をつけられにくなり、先行ダイマックス型の目指す勝ち方である「数的有利をもって相手の後発ダイマックスを迎え撃つ」形と噛み合います。温存したエルフーンは嘘泣きも使えるので、試合終盤に相手の後発ダイマックスや詰め型ポケモンの耐久をスカスカにして突破口を開いてくれます。


3,猫騙し持ちに対してプレイングが安定するf:id:barudoru:20200302135509p:plainf:id:barudoru:20200308172431p:plain
エルフーンの処理方法として最も多く狙われるのが猫騙し+ダイジェットなど、猫騙しを使ってエルフーンに行動の機会を与えず倒すことです。それを警戒してエルフーン側を守らせたり、交代したりするプレイングをすると今度はエルフーンを無視してラプラスを殴られる可能性があります。エルフーンを動かさず追い風を使っていない状態だとオーロラベールを先手で出すのも難しく、ラプラスに大ダメージが入ったり、最悪キョダイセンリツを撃てずに倒されることもありえます。このように初手猫騙し持ちと対峙したときエルフーン側が使う手は択になりやすく、特にガオガエンとゴリランダーが増えた鎧の孤島環境ではそれが頻繁に起こります。

ここでエルフーンに脱出ボタンをもたせておくと、エルフーンに集中攻撃された場合」、「ラプラスに集中攻撃された場合」のどちらにも対応できます

このようにいずれのパターンでも初手キョダイセンリツスタートできるので初動を潰されることがなく、裏目が少ないです。

その他、ガエンゴリランダーやガエンバンギのような並びからは「猫騙しでエルフーンの追い風を止められながら先手のダイマックス技でラプラスをワンパンされる」危険がありましたが、猫騙しをエルフーンに撃たれたら脱出ボタンでガオガエンに交代して威嚇できるためそれも阻止できます。

地震ドリュウズ+弱点保険バンギラスや波乗りドラパルト+弱点保険テラキオンのような巻き込み弱点保険系も、全体技を受けた際に脱出ボタンが発動するので追い風キョダイセンリツと威嚇撒きで相手の攻撃を軽減する形となります。

全体攻撃エースについてf:id:barudoru:20200806213804p:plain

追い風とオーロラベールの恩恵を受け、限られたターンで決着をつけられるアタッカーとしてニンフィアを選びました。

ニンフィアの最大のメリットはやはりフェアリースキンハイパーボイスであり、相手二匹対象の全体技であるために守るやサイドチェンジの択に悩まされることがなく、雑に撃つだけでも確実にアドバンテージを稼いでくれます。耐久力の高さと弱点の少なさも評価でき、特殊耐久は壁込みでアシレーヌの雨珠ダイストリームを耐えるほどの硬さです。

火力強化アイテムとしてのどスプレーをもたせています。この持ち物は精霊プレートやこだわりメガネと比べると初動が弱いですが、オーロラベールのおかげで相手の攻撃を耐えてスプレーするスキを作れます。スプレーで攻撃を、壁で防御を、追い風で素早さを上げられるニンフィアはさながらGSルールのジオコントロールゼルネアスです。フェアリー技の攻撃範囲の死角になる炎・毒タイプが多く入った晴れパなどに対しては、ワイドフォース持ちのイエッサン♀が代わりのアタッカーとなります。


晴れパ対策についてf:id:barudoru:20200307115101p:plain

エルフラプラス戦術の天敵となる相手が晴れパです。追い風を使っても葉緑素フシギバナに素早さで勝てないのでねむりごなをラプラスに撃たれる危険があり、そうでなくてもエルフーンラプラスの弱点を突かれて不利な展開になりやすいです。リザードンもパーティ全体的に重く、晴れパに対してはラプラス以外で対応する方針にしました。

鎧の孤島環境以前では雨乞いライボルトとラムサザンドラを使って対抗を試みていましたが、鎧の孤島でキョダイフシギバナが出てからはそれらで対抗することに限界を感じ、より晴れパへの対応能力が高いヌメルゴンに落ち着きました。特殊耐久が高く力押しされにくいこと、特性そうしょくでねむりごなやキョダイベンタツを無効化できること、弱点が少ないことから、フシギバナリザードンの処理を安心して任せられます。

味方ニンフィアの電光石火で弱点保険を起動してあげることで、パワーの低さも補ってやれます。ダイマックスフシギバナとつげきチョッキコータスも威力2倍のダイマックス技で倒すことが可能なはず。また、ダイアシッドで味方の全体攻撃技アタッカーともどもパワーアップできるのも強力です。

個別解説

能力値
HP-こうげき-ぼうぎょ-とくこう-とくぼう-すばやさの順

努力値
H→HP / A→こうげき / B→ぼうぎょ / C→とくこう / D→とくぼう / S→すばやさ

ラプラスf:id:barudoru:20200806213635p:plain

【ふぶき、ハイドロポンプ、かみなり、まもる@ひかりのねんど/シェルアーマー】
205-×-104-150-115-109 (B28,C252,S228 ひかえめ)

HB:ダイマックス時、ゴリランダー(A194)の手助け+きせきのタネ+グラスフィールド込みのグラススライダーを確定耐え
S:ダイジェットを1回積んだ最速トゲキッスorウォーグルを追い風込みで抜き

1ターン目にダイマックスを切ってキョダイセンリツでオーロラベールを展開。自身も含め味方全体の耐久を固めます。キョダイセンリツのベースとする技は「ふぶき」で他の氷技よりダイマックス時の威力が高いです。140の威力があればHP振りのトゲキッスを一撃で倒せる可能性があります。

だくりゅうやねっとうをこのポケモンは覚えないので水技はハイドロポンプほぼ一択、140という高い威力のダイストリームに変換できるので大半のガオガエンを一撃で倒せます。

ダイストリーム追加効果で降らせた雨を利用すべく電気技は「かみなり」ギャラドスミロカロスらに対する貴重な打点となります。また、ダイサンダーでエレキフィールドを展開できるおかげであくびに悩まされません。アイアンローラーやとんぼがえり+グラスメイカーでフィールド貼り妨害をされそうなら1ターン目にエルフーンを脱出してガオガエンを出し、猫騙しでそれらを止めるというやり方があります。

ダイマックスを前提としておりハイドロ吹雪かみなりという命中率に不安を抱える技構成ですが、オーロラベールを含めて自身が硬いこともあり数回の外しは許容できます。ただ、外しの回数が多すぎるとダメージが足りなくなったりオーロラベールのターンを消費しがちで、日本一決定戦では案の定外しすぎたので冷凍ビームや10万ボルトも検討すべきだったと後悔するところでもありました。

「まもる」及びダイウォールは味方と息を合わせて動くために必要な技。このポケモンは先発でダイマックスを切る以上、試合の中盤以降に非ダイマックス状態で相手のダイマックスポケモンと対峙することも多く、そのダイマックスターンを凌ぐためにも必要になりやすいです。

持ち物は弱点保険や命の珠という攻撃的な選択肢もありますが、壁ターンを大事にしたいコンセプト上「ひかりのねんど」を選びました。攻撃アイテムがなくて火力が足りない分は味方の非ダイマックスアタッカーにダメージを稼いでもらう方針です。

オーロラベールは急所に貫通されてしまうのが欠点なので特性は「シェルアーマー」にして不運な事態が起こらないようにします。強運+ピントキッスが増えた環境で頼りになる特性です。

ダイマックス中により多くのダメージを稼ぐため性格は「ひかえめ」努力値はCS重視。ただし味方ニンフィアとの同速を避ける意味も込めて準速を避けています。最低限を防御に振っているおかげでゴリランダーを初手に出されても怯まず動けます。

エルフーンf:id:barudoru:20200112003313p:plain

ムーンフォース、おいかぜ、うそなき、ちょうはつ@だっしゅつボタン/いたずらごころ
167-×-146-97-100-136 (H252,B220,D36 ずぶとい)

HB:オーロラベール込みでエースバーン(A168)のリベロ+命の珠+ダイジェット/ダイスチル(130)を高確率耐え(81.3%)

いたずらごころで誰よりも早く「おいかぜ」を展開し、「だっしゅつボタン」で控えに戻る動きをします。脱出ボタンの採用理由は概要欄に書いた通りです。脱出ボタンエルフーンと言えばすりかえとのコンボが有名ですが、狙って使うのがかなり難しいですし、日本一決定戦に参加するプレイヤーは先発ダイマックスをあまりしてこないと思っていたので持たせていません。

トリックルーム要員やクレッフィモロバレル、ラッキーを封じるために「ちょうはつ」持ち。これら耐久ポケモンを封殺することで、序盤にラプラスがもたつく展開を避けやすいです。

ラプラスニンフィアヌメルゴンと味方が特殊に偏っているので「うそなき」は強力な火力サポート技として働きます。回復で粘ってくる耐久ポケモンの突破にも有効で、オーロラベール中に決着を着けたいパーティコンセプトと噛み合います。

攻撃技は悪戯心絡みの補助技が効かないあくタイプにダメージの大きいムーンフォースをもたせました。一応味方ヌメルゴンの弱点保険起動に使うこともできるのですが、追加効果が発動すると悲惨なのであまりやることはないです。

よくある特攻素早さ全振りの配分ではなく性格「ずぶとい」で耐久を上げてさらにオーロラベールで一撃耐えてもらえるようにしています。これだけの耐久があるとサイクル戦における交代先としても安定し、特に守るが使えず耐久にも振っていないガオガエンが水・格闘・地面技を被弾するのをエルフーンへの交代で防ぐ場面は多々あります。一方でエルフーンの弱点のほとんどはガオガエンがカバーできるため二匹は相性補完が良いです。

素早さを無振りにしている弊害として、エルフーンミラーでは相手に上から挑発を撃たれて何もできなくなるのでエルフーン入りの相手にはこのポケモンを先発から出さないようにします。

ニンフィアf:id:barudoru:20200806213804p:plain

ハイパーボイス、マジカルフレイム、でんこうせっか、みきり@のどスプレー/フェアリースキン
171-76-87-176-151-112 (H4,B12,C236,D4,S252 ひかえめ)

HB:ドラパルト(A189)の命の珠+ゴーストダイブを最高乱数以外耐え(93.7%)

全体攻撃のフェアリースキン+ハイパーボイスによって、パーティで最大の打点を出すメインアタッカーです。また、弱点が少なく耐久もそこそこあるためにオーロラベールの恩恵を受けやすく、欠点の素早さも追い風によって補えます。

もうひとつフェアリースキンの影響を受ける技にでんこうせっかがあり、きあいのタスキやミリ耐えされた分を削ったり、味方ヌメルゴンの弱点保険を押したりと器用な動きをします。

「みきり」も不可欠です。相手はダイマックス中のラプラスヌメルゴンを放置して隣のニンフィアを狙うことが多いため、集中攻撃を守るなどしてアドバンテージを稼ぎます。また、このポケモンは役割上オーロラベールを盾に相手の特殊型ダイマックスポケモンと殴り合うことが多いため、守ってダイマックス技を軽減したりダイマックスターンを稼ぐプレイは必ず必要になります。このことは拘りメガネを持たせなかった最大の理由でもあります。

最後の技には「マジカルフレイム」を持たせて、フシギバナナットレイアイアントドリュウズ、ダイスチル使用後のエースバーンへの打点とします。

あくびも有力な候補の技でしたが、味方ラプラスのダイサンダーとの相性の悪さやラムなど状態異常対策をされて裏目になることを懸念して持たせませんでした。

持ち物は「のどスプレー」。居座ってハイパーボイスを撃ち続けたい、守るも使いたいというこのポケモンの運用の仕方に最もマッチしており、こだわりメガネやせいれいプレートよりこちらを優先することにしました。

耐久はオーロラベールで十分硬くなるため、準速でCS多めの配分に設定。追い風の恩恵を受けていじっぱりスカーフウーラオスを抜けるのが偉いと感じています。

ガオガエンf:id:barudoru:20200308172431p:plain

フレアドライブDDラリアットインファイトねこだまし@オボンのみ/いかく】
188-183-110-×-110-95 (H140,A252,B,S116 いじっぱり)

H:オボンのみと相性の良い4の倍数調整
S:追い風込みで最速エースバーン抜き

ラプラスをキョダイコランダやダイロックから守るための「いかく」要員であり、エルフーンの脱出先の一つです。味方のニンフィアラプラスと攻撃範囲のシナジーがあり、ゴリランダーやサマヨールバンギラスを倒すために欠かせない働きをします。ウインディと違いエスパー技が無効なため、エルフーンの苦手とするイエッサンに強いのが偉いところです。

追い風・オーロラベールターン中に攻めきるコンセプトのため、性格「いじっぱり」で攻撃に特化しています。メインとなる炎技はフレアドライブで、ゴリランダーやナットレイも一撃で倒しきれます。雨状態では威力が下がるため、味方のラプラスにダイストリームを使わせるかどうかは慎重に判断しなければなりません。

イエッサンやサマヨールの弱点を突くための悪技はDDラリアットです。うっぷんばらしという新しい選択肢もありましたが、ラリアットの方が威力が10高く、その差でサマヨールを落としきれるかどうかが左右されがちと感じたのでラリアットを選ぶことにしました。この技はダイスチルによる防御アップを貫通できるのが便利ですし、小さくなるを無視してラッキーを殴るのにも使えます。

インファイトはパーティ全体的に重いバンギラスポリゴン2など特殊耐久が高いポケモンを迅速に倒す手段です。特にダイマックスバンギラスラプラスニンフィアの攻撃で弱点保険が発動してはまずいのでこの技による対処が主になります。セキタンザン、テラキオンにも有効。ガオガエンミラーでも必ず勝てるようになります。

ねこだましは様々な局面で便利な技で、相手が初手に出したエルフーンやオーロンゲの行動を止めるためによく使います。補助技がないので突撃チョッキも持ち物の選択肢になりますが、このパーティは特殊耐久が全体的に厚く、ガオガエンには対物理を主に担当してもらいたいので「オボンのみ」を用いることにしました。

素早さを95まで上げたのは追い風時にエースバーンを抜くためですが、最速モロバレルや最速ドサイドンも最近の環境に増えてきたので素でそれらを抜けるのも重要です。

イエッサン♀f:id:barudoru:20191203233602p:plain

【ワイドフォース、このゆびとまれ、みがわり、まもる@サイコシード/サイコメイカー】
175-×-89-160-125-104 (H236,B28,C244 ひかえめ)

HB:ウーラオス(A200)のすいりゅうれんだ急所×3を確定耐え
S:素早さ個体値を28にして無振りゴリランダー(S105)より遅く調整

「サイコメイカー」によるフィールド展開要員兼このゆびとまれ要員であり、ニンフィアとタイプが被らないのでこのパーティに入れやすいポケモンでした。セキタンザン系や叩きなどのコンボパーティの対策を担います。サイコフィールドはオーロンゲや相手エルフーンの悪戯心絡み補助技を封じるのにも役立ちますが、味方の先制技も封じてしまうので注意しながら選出する必要があります。

エスパー技の通りが良い晴れパーティに対して「ワイドフォース」でダメージを与えるのも大事な役割です。ただ、エスパー技は環境に多い悪タイプに無効化される欠点があるのでこのパーティのメインアタッカーはあくまでニンフィア

「みがわり」は珍しい技ですが、狙いはサマヨールの対策です。ナイトヘッドをノーマルタイプで無効にし、痛み分けは身代わりが無効にするのでサマヨールからは身代わり人形が壊されません。先発サマヨールでトリルしてドサイドンバンギラスといったトリルアタッカーにつなげてくる戦術に対して刺さり、身代わりを残した状態でこの指とまれを使えばダイマターンとトリルターンの両方を大きく削ることができます。ドサイドンバンギラスダイマックスしなかった場合はラプラスのダイストリームやヌメルゴンのダイドラグーンで大ダメージを狙えるので問題ありません。

味方のダイマックスヌメルゴンラプラスは放置されやすく、ダイマックスターンが終わるまではこのポケモンを標的にされやすいので「まもる」を持たせて集中攻撃を防げるようにしています。

基本選出には入らず晴れパやセキタンザンといった特殊アタッカーを主な仮想的とするため、「サイコシード」を使って特防を補強します。オーロラベールと合わせればポリゴンZのダイアタックやリザードンの晴れキョダイゴクエンを耐えられるぐらい硬くなれます。また身代わり人形も非常に硬く、半端な特殊攻撃なら人形が壊れないということも珍しくありません。

特殊耐久が高い反面、物理耐久はこの指とまれ要員の中で最も脆く、叩き系などに選出する場合は1ターンで倒されてしまうことを覚悟しなければなりません。これらの相手に対しては後発にエルフーンを置いておき、イエッサンが倒れた後に出して追い風を使い、ダイマックスエースと組んで巻き返すような形を採りたいところです。

素早さ個体値を28にしており、ゴリランダーと初手で対峙した際ほぼ確実にフィールドを取れるようにしました。特殊耐久は十分すぎるほど硬いので無振り、物理耐久は連撃ウーラオスの攻撃を耐える程度にして残りは特攻にがっつり振りました。ニンフィアの攻撃では通りが悪いフシギバナコータスを倒すための貴重なダメージ源となってくれます。

ヌメルゴンf:id:barudoru:20200307115101p:plain

りゅうのはどうかえんほうしゃヘドロばくだん10まんボルトじゃくてんほけん/そうしょく】
175-×-90-176-170-125 (H76,C236,S196 ひかえめ)

HD:ダイマックス時、キングドラ(C161)の命の珠+てだすけ+ダイドラグーンを確定耐え。
S:最速バンギラス抜き

概要欄に書いた通り晴れパ対策として採用。「そうしょく」で眠りごなを無効にできることから安定した晴れ対策要員です。晴れパ以外ではセキタンザン系の相手や一部の雨パーティに出していくほか、ダイアシッド+ニンフィアによる力押しが有効そうな相手にも出します。必ずしもダイマックスが前提になるわけではなく、アーマーガアやナットレイの処理要員として出したり、エルフラプラスの裏においてオーロラベール追い風の恩恵を受けながら戦うこともあります。

ダイマックスアタッカーとしては火力不足気味なのでじゃくてんほけん持ち。相手のトゲキッスらの攻撃で発動することもありますが、味方ニンフィアの電光石火で起動してもらうのが確実です。パワーアップさせて下の4つの攻撃技で攻めます。

  • りゅうのはどう・・主力となるタイプ一致技。ダイドラグーンの追加効果は晴れパが裏選出で出してくるバンギラスなどに有効。能力を上げて居座って戦う戦法がメインのため流星群ではなく波動を使うことにしました。
  • ヘドロばくだん・・ダイアシッドのベース。味方のニンフィア・イエッサン共々パワーアップしてゴリ押します。
  • 10まんボルト・・ダイサンダーのベース。コータスのあくびで眠ることを防いだり、リザードンを倒すために使います。特攻+1ダイサンダーでリザードンを倒すには若干ダメージが足りず、珠ダメやサンパワーダメージとセットで倒す形になっていたので雷を検討しても良いと思います。
  • かえんほうしゃ・・ダイバーンのベースでキョダイフシギバナを一刻も早く倒すために採用。相手が晴らしてくれていればその恩恵を受けられるのが大きいです。

晴れパに入っているバンギラスやドラパルトには強くないため裏選出をされると苦しくなりますが、そこは味方のイエッサンやエルフーンの補助で補ってあげる方針です。素早さを準速バンギラス抜きにしているので上からダイドラグーンを撃って攻撃ダウンを狙えます。



主な選出

基本選出f:id:barudoru:20200806213635p:plainf:id:barudoru:20200112003313p:plain

先発:ラプラス+エルフーン
後発:ガオガエン+ニンフィアorイエッサン♀

このパーティの基本選出。エースバーン系やドラパルト系、砂パ系などなど幅広く戦えます。

後発はだいたいニンフィアで、イエッサンはあくタイプに攻撃を無効化されるのであまり出しません。イエッサンを出すのは主に晴れパーティやセキタンザンを相手にした時。これらの炎・毒タイプに対してニンフィアのフェアリー技は半減されてしまいますが、イエッサンのエスパー技なら通りが良いためです。

基本的には追い風キョダイセンリツからスタートしますが、相手の初手にリザードンヌメルゴンラプラスなど明らかにダイマックスするポケモンがいる場合は追い風せずうそなきをそれらにかけておくのも手です。また、サマヨールクレッフィモロバレルに対しては挑発からスタートし、補助技でかき回されるのを防ぐこともあります。

オーロラベールを貼った後はダイストリームで攻めるのが基本ですが、相手にアシレーヌや水ロトムがいる場合はその水技の強化をしてしまう可能性があるので控えて別の技を使った方が良いです。味方ガオガエンの炎技を弱めてしまうことにも気をつけなければならず、特に相手にナットレイがいるなら後々炎技で倒すことを考えてダイストリームを使わないプレイングも必要。

ドラテラにはイエッサン先発だとジリ貧なのでこのエルフラプ選出をすることが多いです。テラキオンのチョッキはあまり見かけないし、チョッキ以外であれば珠ダイストリームを警戒して袋叩きしてこないと思っていて、偽装叩きの可能性も考えてテラキオン側にキョダイセンリツを撃つプレイングが良いかと思いました。万が一叩かれてラプラスをワンパンされたら、ニンフィアを死に出しして次のターン嘘泣きハイパーボイステラキオンを倒しにいくと良いでしょう。

ガオガエン先発型f:id:barudoru:20200308172431p:plain

先発:ラプラス+ガオガエン
後発:エルフーンorニンフィアorイエッサン♀から二匹

相手にエルフーンファイアローがいるときは、こちらがエルフーンを先発に出すと優先度+1の挑発やブレイブバードで行動を封じられてしまいがち。そのため先発にエルフーンを出さずガオガエンを出すと良いです。猫騙しで相手エルフーンの脱出ボタンすりかえや疾風の翼を対策できますし、ファイアローには威嚇もできます。こちらはオーロラベールで攻撃を耐えつつ後でエルフーンを出して追い風する形が理想的です。

ただ、ウォーグルミロカロスのようにいかくを利用してくる相手がいると当然先発には出しにくいのでその場合は諦めてエルフーンラプラスから出す場合もあります。

ニンフィア先発型f:id:barudoru:20200806213804p:plain

先発:ラプラス+ニンフィア
後発:エルフーンorガオガエンorイエッサン♀orヌメルゴンから二匹

主に雨パ(ニョログドラ)を倒すための選出。キングドラのすいすいダイジェットでエルフーンが倒されるのがもったいないのでニンフィアから出す形となります。同じくエルフーンをキョダイセンリツの的にされたくないことからキュワワーラプラスなどのラプラス系に対してもこの選出をすることが多く、ニンフィアの特殊耐久を活かしてダイマックスアタッカーの猛攻を切り抜けることができます。

ニョログドラと対面したらまずニンフィアで見切りしてラプラスオーロラベールを貼ってもらいます。手助けダイストリームも耐えるような耐久力を確保してからハイパーボイスを撃っていきたいです。後発にヌメルゴンを置いておくとナットレイやアーマーガアで詰むことが大幅に減ります。

イエッサン先発型f:id:barudoru:20191203233602p:plain

先発:ラプラス+イエッサン♀
後発:エルフーンorニンフィアorガオガエンから二匹

この指とまれで袋叩きコンボや怒りのツボコンボ、ほか大多数の味方弱点保険コンボを妨害できます。アクアジェット蒸気機関を起動する型のセキタンザンにも有効。コバルオンビリジオンには有効なもののテラキオンにはパワー負けする場合があり、特にふくろだたきコンボと見せかけてドラパルトダイマックスのパターンもあるため、ドラテラ入りに対してはエルフラプラスの基本選出で対応することを選びます。

イエッサンが1ターンで倒され次のターンに袋叩きコンボを通される可能性があるため、後発にはエルフーンを置いて追い風を使えるようにし、叩きコンボの妨害を徹底すべきです。

後発ダイマックス対策型f:id:barudoru:20200806223718p:plainf:id:barudoru:20200806223738p:plain

先発:ガオガエン+ニンフィア
後発:エルフーンorラプラスorイエッサン♀orヌメルゴンから二匹

先発で時間稼ぎして後発でダイマックスするパターンの相手を対策する選出。相手にオーロンゲかカビゴンがいたらこの出し方をしていきたいところ。特にオーロンゲに対してはガオガエン猫騙しで止めながらニンフィアのハイボで大ダメージを与え、大した仕事をさせずに倒したいです。

それらに十分なダメージを与えたところでこちらも後発からダイマックスエースを投げていきます。トゲキッスドリュウズをエースとする相手にはラプラスギャラドスフシギバナをエースとする相手にはヌメルゴンを出していきたいところです。

vs晴れパf:id:barudoru:20200112003454p:plain

先発:ヌメルゴン+ニンフィア
後発:エルフーンorガオガエンorイエッサン♀から二匹

晴れパ、特にコータスリザバナすべて入っている相手に対して出す選出。ダイアシッドと味方ニンフィアの電光石火+弱点保険でヌメルゴンを育てつつ、相手の晴れエースを倒していきます。弱点保険発動時の晴れダイバーンでフシギバナ、晴れダイサンダーでリザードンを一撃で倒すことが可能です。ガエンの威嚇とイエッサンのこの指とまれエルフーンの追い風でヌメルゴンをサポートしてあげながら戦います。

ただし晴れパを使う側の視点から見るとヌメルゴンがあまりに厄介なため、先発にコーバナが出されるとは限りません。リザードンが入っておらず、トゲキッスガオガエンウォーグル、エースバーンといったポケモンの多く入った「スタン系の晴れパ」に対しては先発ラプラスエルフーンからスタートして後発にヌメルゴンを置き、キョダイベンタツを交代で受けたり、オーロラベールの恩恵を受けながら戦うようにします。

vsコンボ系の晴れパf:id:barudoru:20200806225902p:plain

先発:ヌメルゴン+イエッサン♀
後発:エルフーンorガオガエンorニンフィアから二匹

晴れパ+ドラパルトテラキオン、晴れパ+セキタンザンといった「晴れ+コンボ系」に強い選出。この指とまれで相手のコンボを妨害しながらヌメルゴンを育てていきます。後発にエルフーンを置けばイエッサンが倒れた後追い風で加速できるし、ニンフィアがいれば電光石火でヌメルゴンの弱点保険を発動させてさらなる強化もできます。


日本一決定戦の反省

INC Mayで6位になることができ、その後鎧の孤島環境でも十分に高い勝率を維持できていたので自信を持って日本一決定戦に臨みましたが、8-10と負け越す結果になりました。

反省として、日本一決定戦という強者のみが参加する大会においてラプラス軸ビートダウンのコンセプトがあまり向いていなかったかなと思いました。ラプラスダイマックスのタイミングが分かりやすく、かつコーバナやドラテラのように相手の選出立ち回りに圧力をかけられるような要素がないため、実力者に対処されやすい部分は否めませんでした。ラプラスを使うにしても単純なビートダウンではなく、今大会で上位に入っているラプラスパーティのように小さくなるラッキーや鉄壁ナットレイのような詰め系ポケモンとセットで使うことも視野に入れてみるべきでしたね。次に全国大会に出る機会があれば「強者に勝つ構築」を煮詰めていきたいです。

技の命中率もかなり致命的になりました。「吹雪やハイドロポンプの命中率が低いとはいえラプラスの耐久は高いので技を撃つチャンスは多い。1試合に1-2回は技を外しても大丈夫」と高をくくっていましたが、1-2回どころではない相当な数を外してしまいダメージが足りない事態を引き起こしていました。8世代の環境になってから低命中率技の採用にあまり抵抗がなくなっていたのですが、こういう大事な大会では命中安定技で固めたいなと改めて考えさせられました。


・日本一決定戦(鎧の孤島環境)
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・INC May(鎧の孤島以前の環境)
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対戦動画

このパーティを使ってランク戦に潜る放送を8/8、8/9に行い、そのアーカイブを残しています。
こちらもぜひご覧ください!

  • 8/9放送分

youtu.be

  • 8/8放送分

youtu.be