概要・構築経緯
3月から4月にかけて練ったキョダイストリンダー軸の構築です。主な実績としてニコ生テレワーク杯で3位(9-1)、INC Aprilで最終レート1790(34-11)でした。
ストリンダーについて
3月からランク戦でもキョダイマックスできるようになったストリンダーを軸に考えました。ストリンダーの魅力はカッコイイこと以外に2つあります。
ひとつは電気タイプが攻撃タイプとして優秀であること。現環境は飛行・水タイプの活躍が目立つため電気技が刺さりやすく、弱点を突きやすいです。非ダイマックス時は使い勝手の良い優秀な相手全体攻撃技であるオーバードライブを、ダイマックス時は雷をベースに威力140のキョダイカンデンが撃てます。「いのちのたま」+「てだすけ」を絡めた140キョダイカンデンでダイマックス率の高いポケモンを下記の確率で倒せます。
HP全振りダイマックスラプラス:乱数1発(62.50%)
HP全振りダイマックストゲキッス:乱数1発(87.50%)
HP全振りダイマックスアシレーヌ:確定1発
HP全振りダイマックスミロカロス:乱数1発(18.75%)
仮に耐えられたとしても、ダイマックスポケモンのHPを9割削れれば仕事としては十分で、追加効果の毒で倒れるか、まひして置物になるかのどちらかにはなるので不利にはなりません。
もう1つの長所は相手全体に麻痺か毒を与えるキョダイカンデンの優秀な追加効果です。追加効果の恩恵が無しに等しいロトムのダイサンダーと比べ、キョダイカンデンは相手に交代や守るを使われても状態異常でアドバンテージを取ることができ、先発ダイマックスしても裏目が少ないです。
⚡まひ状態はドラパルトのような足の速いポケモンに対して引けると効果的、味方のシャンデラでそのまま縛れるようになります。25%の痺れにも期待でき、相手より先に動いてキョダイカンデンで麻痺させた場合、そのまま即痺れさせるという「ストリンダー式ねこだまし」を決めてしまうこともしばしば。ダイマックスポケモンを痺れさせた場合のアドバンテージは特に大きく、ダイマックスの3ターン中少なくとも一回は痺れを引いてくれる期待値は高いです。
☠️どく状態はハズレ扱いされやすいですが、まひと違って確率に関係なく確実にアドバンテージが取れます。1/8のスリップダメージはキョダイゴクエンほどではないにせよ中々痛いもので、非ダイマックスポケモンであればキョダイカンデンのダメージとあわせてだいたい1-3ターンで倒せます。このパーティには守る持ちが多いので時間を稼いで毒を回します。
さらに相手に状態異常をかけやすいことを利用し、祟り目シャンデラとコンボを狙うことにしました。
条件を満たした祟り目は威力130となるので、シャドーボールベースのダイホロウと同じ打点を出すことができます。これまで祟り目は鬼火や催眠術と組み合わせて使うのが常で、どうしても補助技の命中不安やテンポの遅さに悩まされがちでしたが、キョダイカンデンなら攻撃しながら状態異常をばら撒けるため、途切れなく高威力の攻撃を連打できます。
基本的に「相手のダイマックスポケモンには麻痺、非ダイマックスポケモンには毒」の追加効果を引けると当たりと言えるでしょう。最悪なのは、キョダイカンデンで電気タイプに麻痺状態、あるいは毒or鋼タイプに毒状態が選ばれた場合で、それぞれ追加効果は不発に終わります。祟り目とのコンボに繋がりません。こればかりはストリンダーの機嫌次第になります。
カバドリについて
電気タイプかつ4倍弱点持ちのストリンダーには地面タイプ・避雷針という天敵が存在します。当初はストリンダーに風船を持たせたり、避雷針ライチュウへの交代読みダイアシッドを決めたりといった対策を試みたこともありましたが、どれもピーキーな立ち回りを強いられました。そのため裏選出を用意して対応する方針にします。このルールの地面タイプはほぼドリュウズ、ドサイドン、トリトドンの三匹、避雷針持ちはライチュウ、トゲデマルの二匹が大半とみて良いでしょう。
これらと戦えて、なおかつパワーが高いポケモンとして、HB特化の弱点保険ドリュウズ+カバルドンの組み合わせを考えました。
ドリュウズは相手の地面タイプから弱点を突かれますが、それを逆手にとって弱点保険の起動ができます。ダイスチル、ダイアースを先手で撃てば効果抜群の攻撃でもダメージを軽減しやすく、すなかきも相まって非常に高いパワーで制圧していけます。
そして砂起こし要員としてバンギラスではなくカバルドンを採用。カバルドンならドリュウズやドサイドンに対しても強く、高い防御力とあくびによってダイマックスの対処も得意です。
避雷針持ちのライチュウやトゲデマルはカバドリにとってみれば置物も同然で、放置しながら2対1で攻めることもできます。もちろん避雷針持ち電気とミロカロスやラプラスが組んでいることは多いですが、ダイアースで特防を上げながらあくびを撃っていけば互角に殴りあえます。
相手に地面タイプ、あるいは避雷針持ちが一匹でも入っていればカバドリ側で戦うぐらいの感覚で良いです。キョダイカンデンが100%通る相手に対してのみ、ストリンダーのキョダイマックスを狙うのがベストと考えます。あくびの効かないスイートベールマホイップ+ラプラス、雨パ、エルフーンのような相手はカバドリの天敵ですが、そちらに対してはストリンダーシャンデラ側で有利に戦うことができ、二つのギミックで相互に補完し合います。
ギャラドスとイエッサンについて
ストリンダー、カバドリの両方にとって相性が良いポケモンとしてギャラドスを採用。それぞれの苦手とする地面・水技に対して交代で受けることができ、たきのぼりとパワーウィップの攻撃範囲でそれらに反撃が可能、さらに威嚇による補助もできるということで非常に相性が良いポケモンだと思いました。
最後の一匹に採用したのはイエッサン♀。上からガンガン殴ってくるタイプの相手に対し、ストリンダーが行動する機会を作ってあげるためです。当初はエルフーンの追い風でチャンスを作るつもりでした。追い風とうそなきが使えるのでストリンダーの補助に適し、草+フェアリーの攻撃範囲もストリンダーと噛み合うのではないかと・・。しかし、エルフーンもストリンダーも脆いので1-2発で倒されやすく、先発が早期に崩壊して後発の負担が重くなりがちでした。そもそもカンデンの麻痺とエルフーンの追い風でS操作が過剰なのであまり強い動きにはなりません。
そこでこの指とまれを使ってキョダイカンデンを通していく方向に切り替えます。この指要員ならトゲキッス、ピッピといった優秀なポケモンもいますが、今回はイエッサン♀を選びました。理由としては弱点が少ないこと、そこそこ火力があることに加え、3月から環境に急増したドラパルトやミミッキュに対するメタとして有効なことが挙げられます。対ドラパルトではダイホロウを無効化、ダイドラグーンは撃たれますが追加効果が攻撃を下げるだけなのでストリンダーイエッサンの並びなら痛手になりません。対ミミッキュではゴーストダイブを無効にできるほか、サイコフィールドを張るおかげでイエッサン退場後もかげうちから味方を守れるのが重要です。
個別解説
能力値
HP-こうげき-ぼうぎょ-とくこう-とくぼう-すばやさの順
努力値
H→HP / A→こうげき / B→ぼうぎょ / C→とくこう / D→とくぼう / S→すばやさ
ストリンダー
【かみなり、オーバードライブ、ヘドロばくだん、まもる@いのちのたま/パンクロック】
151-×-90-166-90-139 (H4,C252,S252 おくびょう) ※キョダイマックス個体
3月に解禁されたキョダイマックスポケモン。合計種族値502で、同じようなキョダイマックス技の使えるピカチュウ(合計種族値320)やバタフリー(合計種族値395)と比べステータスが高く、その代わり追加効果の強さが調整されているという感じになります。非ダイマックス時でも十分強いので、カバドリを軸とした選出をして後発から出ていく戦い方も有効です。耐久こそ低いものの、電気・草・飛行・虫・鋼・格闘・毒・フェアリーと8タイプに耐性があり、パンクロックによる音技半減も相まって有利に戦える相手は結構多いです。
電気技を2種類持たせており、キョダイカンデンのベースとして使うのは「かみなり」。冒頭に書いた通り、威力140のカンデンを使うことで、命の珠、手助けとあわせて一撃で倒せるポケモンの幅が広がります。ミリ耐えされても毒ダメージで押し込めます。
非ダイマックス時の主力技は「オーバードライブ」、パンクロック込みで威力100の全体攻撃技となります。水タイプや飛行タイプが多く使われる環境において電気タイプの全体攻撃技は強力です。音技なので身代わりも貫通。
タイプ一致の毒技として「ヘドロばくだん」を持たせていて、電気技の通りにくいエルフーンやカットロトムなど草タイプが攻撃範囲になります。追加効果の発動率も高いので祟り目とのコンボに繋がることもあります。ダイマックス技のダイアシッドは威力90なのでベースの技と威力が変わりませんが、味方も含めてパワーアップできる優秀な技です。
最後の技は「まもる」です。汎用性が高く、毒ダメージも稼げます。バークアウトやほのおのパンチを持たせて攻撃範囲を広げることも考えてはいましたが、守るがやはり必要と判断しました。
持ち物について、当初は風船を持たせていましたが、「いのちのたま」に変更。風船なしのため地面攻撃には無防備になりますが、地面タイプはカバドリ側の選出に任せるか、イエッサンのこの指で吸ってもらうことにし、ストリンダーは持ち味の火力を高める方針に転換しました。ただ突然のダイアースには注意が必要・・リーフィア、ミロカロス、フシギバナ辺りは特にダイアース率が高いのでこの指とまれで保険をかけつつ運用したいです。
特性は「パンクロック」。音技であるオーバードライブを1.25倍に強化できます。ただしキョダイカンデンには残念ながら補正が乗りません。相手の音技を半減する効果もあるので、アシレーヌやニンフィアに対しては高い耐久力を発揮してくれます。
追加効果との相性を考えると相手や味方より先にキョダイカンデンを撃ちたいことから、性格は「おくびょう」で最速。準速ジュラルドン+2となります。アタッカーとしての役割に準じ、特攻に振り切っています。
シャンデラ
【ねっぷう、たたりめ、トリックルーム、まもる@きあいのタスキ/もらいび】
135-×-110-216-111-132 (C252,D4,S252 ひかえめ)
主な役割は、ナットレイやアーマーガアへの対処、トリックルーム返しも用いたトリパ対策、試合後半のスイーパーとなります。サイコフィールドや麻痺撒きで補助してもらったシャンデラは非常に高い制圧力を発揮します。
シャドーボールではなく「たたりめ」を主力のゴースト技としており、キョダイカンデンか電磁波、あくびで状態異常になっている相手にはシャドーボールベースダイホロウと同じ威力130を叩き込めます(火炎玉ローブシンにも強い…!)。毒で弱っている相手なら尚更倒しやすく、トドメの一撃として有効です。状況によってはダイマックスしてダイホロウを撃つことがあり、その場合の威力は120と低いですが手助けを絡めればサマヨール一撃処理を狙えます。
炎技は「ねっぷう」。多少命中不安があるとはいえ、サイドチェンジやこのゆびとまれに悩まされない全体技は今の環境で価値があります。216という特攻の高さのおかげでチョッキナットレイもダブルダメージ熱風で落としやすいです。
「トリックルーム」を持たせたことで相手の追い風やトリルに対する切り返しができます。気合のタスキがあるため集中攻撃を受けない限り行動機会を確保でき、特にイエッサンと並べてこの指トリルするのが安全です。
ラストの枠は無難に「まもる」を持たせることにしました。毒ダメージの時間稼ぎやトリル読み集中攻撃を防いでアドバンテージを取ることを狙います。封印を持たせてコンボすれば一層厚いトリル対策ができるのですが、読まれやすいことやシャンデラの耐久でやるのは危なっかしいことから持たせませんでした。
メジャーな弱点を5つ抱えていて耐久力が心もとないため、防御面は持ち物「きあいのタスキ」に頼ります。サイコフィールドがあれば影うちや不意打ち、アクアジェットを無効化できるのでHP1でもしぶとく居座って戦えるようになります。ただしカバルドンの砂起こしとは相性が悪いので、同時選出を控えたり、砂がおさまったところで繰り出すなどします。
特性「もらいび」はリザードンの攻撃を凌ぐのに有効です。イエストやイエドリの並びを作ると相手のリザードンは高確率で熱風を撃ってくるのでそれを読んで交代し、貰い火できると強烈なカウンターができます。
性格を「ひかえめ」にしており味方のストリンダーより遅く動けるため、「カンデン→たたりめ」「ダイアシッド→シャンデラの攻撃」とスムーズに連携できます。
ドリュウズ
【10まんばりき、アイアンヘッド、いわなだれ、つるぎのまい@じゃくてんほけん/すなかき】
213-170-112-×-85-113 (H220,B252,S36 いじっぱり)
HB:ドリュウズ(A187)の10まんばりきを確定耐え、ダイマックス時にドサイドン(A211)の命の珠+ダイアースを確定耐え
HD:ダイマックス時にラプラス(C150)の命の珠+ダイストリーム(威力140)を最高乱数以外耐え
S:準速60族抜き
今回は「すなかき」型のドリュウズ。自分のカバルドンで砂を起こすのはもちろん、相手のバンギラスの砂起こしを利用できることもあります。
ASに振り切るタスキ型のドリュウズと違い、HBをかなり高めた「じゃくてんほけん」型のドリュウズにしてみました。素早さは砂かきに頼れるし、耐久を高めて地面タイプとの打ち合いに強くしてみようという考えです。タイプ一致のダイアースとダイスチルで耐久アップができるのも弱点保険とかみ合っています。
地震で味方を巻き込みたくないので地面技は「10まんばりき」、鋼技は「アイアンヘッド」。それぞれ威力130のダイアース、ダイスチルのベースとなり、相手に応じて防御か特防を高めて攻撃を耐え、より小さい被害での弱点保険発動を目指します。
「いわなだれ」はダイロック(威力130)のベースとなり、ギャラドスやリザードンを倒したり、手動で砂を起こすのに必要な技です。
最後の技は「つるぎのまい」を選択。威嚇を何度も撒いてドリュウズに対処しようとする相手に刺さりやすく、サイクルを破壊します。守るも欲しいことが多かったのですが、剣の舞をベースにダイウォールも使えるので無くても何とかなります。
基本は初手でイエッサンと並べ、この指とまれで守られながら剣の舞を使う形となります。その後、イエッサンをカバルドンに引いて、すなかきを起動しながらダイマックス技で攻めるのが強い動きです。よくあるバンドリキッスと同じ感じ。この指とまれをしても濁流や地震や熱風は通るのですが、弱点保険のトリガーにできます。相手がそれらの全体技を撃ってきそうなら舞わずにダイマックスして弱保で強化する路線にしましょう。
耐久調整は非ダイマックス時にドリュウズの10まんばりき耐えです。この調整はダイマックス権が回らなかったときのドリュウズミラーで役立ち、ダイマックス時にも剣舞10まんばりきや手助けダイアースを耐えられるので様々なドリュウズとの撃ち合いで活躍する配分です。S実数値110付近は激戦区なので残りは素早さに振っています。
剣の舞と弱点保険で攻撃を、ダイマックスとダイマックス技で耐久を、砂かきで素早さを、それぞれ強化できることから非常にパワーが高いポケモンです。
カバルドン
【10まんばりき、がんせきふうじ、あくび、なまける@イトケのみ/すなおこし】
215-135-139-×-133-68 (H252,A20,B4,D228,S4 しんちょう)
HD:ラプラス(C150)のキョダイセンリツ(威力140)を確定耐え
「すなおこし」で味方ドリュウズのすなかきを起動させたり、相手の天候を妨害する役。他のすなかき要員と比べて相手の地面タイプに強いのが長所。
- 地面技はドリュウズと同じく味方を巻き込まない「10まんばりき」を選択。
- サブ技に「がんせきふうじ」を持たせ、中速の味方ポケモンを援護することにしました。
- 「あくび」はダイマックスを流すために便利な技。カバドリと並べておけばダイサンダーを相手は使えずねむけ状態から脱出できないのが地味に強いポイント。
- 「なまける」はカバルドンの耐久を駆使して終盤に粘ることができ、味方ドリュウズのダイスチル・ダイアースによって能力アップをさせてもらえれば、詰めを狙えます。
パーティが水技に弱めなので「イトケのみ」を持たせて保険をかけています。これによってあくびをダイマックスミロカロスやラプラスに当てていく余裕があります。半減木の実の割に発動率が高く、このポケモンを選出した試合のほとんどで発動しています。それぐらい水技を撃たれやすい環境ということですね。
ラプラスからはキョダイセンリツも撃たれやすいので特殊耐久厚めな配分にしてさらに保険をかけています。このポケモンは物理技より特殊技で攻められることが多いので特防重視の配分の方が役に立つのは間違いないです。
ギャラドス
【たきのぼり、パワーウイップ、でんじは、まもる@ラムのみ/いかく】
171-177-99-×-120-146 (H4,A252,S252 ようき)
攻撃面・耐性面の両方で地面や水タイプに強く、ストリンダー・カバドリとの相性補完に優れたポケモンです。特性は自信過剰ではなく「いかく」にしていて、地面タイプやミミッキュへの交代出しがしやすいです。ストリンダーかドリュウズにダイマックス権を回すのが基本なのでダイマックス率は低めですが、ドサイドントリパに対してはこのポケモンのダイマックスを狙うことが多いです。
メイン技は命中安定重視で「たきのぼり」。追加効果の怯みは後に紹介するでんじはやキョダイカンデンのまひとも相性が良いです。ダイマックスすると威力130のダイストリームになり、雨を降らせることで二撃目を強化できるのが優秀です。
「パワーウィップ」も持たせ、トリトドンも含めストリンダーの苦手な地面タイプすべてに対抗できるようにしています。ミロカロスや水ロトムを倒す打点としても大事です。トリトドン、アシレーヌ以外は一撃で倒しきれないのであらかじめダメージを蓄積させておきたいところ。
「でんじは」は、シャンデラの祟り目と相性がよく、ドラパルトあたりに撒いておけるとかなり強いです。パーティに中速のポケモンが多いのでS操作は有効に働きやすいもの。痺れを狙うために使っても良いでしょう。ただしラムのみで妨害されたり、外したりするリスクはあります。
ラスト1枠の技は「まもる」。時間を稼いでトリックルームや追い風、ダイマックスのターンを凌いだり、毒ダメージの蓄積を増やします。
持ち物は「ラムのみ」。あくびやねむりごな、おにびで機能停止する事態を避けるために必要です。パーティに一匹はラム持ちがほしいと感じていました。
配分は陽気ASにし、最速80族のフシギバナやトゲキッス、ウォーグルを確実に抜けるようにしました。これらに上から電磁波を当てて素早さを落とすことで、味方がそれらより速く動いて攻撃できるようになります。
イエッサン♀
【サイコキネシス、てだすけ、このゆびとまれ、まもる@オボンのみ/サイコメイカー】
175-×-128-115-128-105 (H236,B252,D20 ずぶとい)
H:16n-1
HB:ドラパルト(A189)の命の珠+ダイドラグーン(威力130)を確定耐え
「このゆびとまれ」で攻撃を引き受けるサポーター。他のこの指要員と比べて、環境に増えてきたゴーストタイプの攻撃を無効にできるのが優秀です。ダイホロウを撃たせないため味方の防御が下がらず、ドラパルト+物理軍団のような並びに対してはかなり時間を稼いでくれます。ナイトヘッドも効かないのでサマヨールを腐らせることも可能。弱点もあくタイプのみという少なさ。
さらにイエッサンのメリットといえるのが「サイコメイカー」の特性です。このパーティは先制攻撃に弱く、麻痺させても上を取られるし、ドリュウズはマッパ・アクジェ・しんくうは、シャンデラはふいうち・かげうち・アクジェと弱点も突かれやすいです。サイコフィールドでそれら先制技を封殺すれば純粋な素早さ勝負で戦うことができます。
攻撃技はサイコフィールドで1.3倍の強化になる「サイコキネシス」にしました。ストリンダーのダイアシッドで火力アップしたり、カンデンの麻痺で相手の上を取れる見込みもあり、時々アタッカーに転職します。フシギバナやローブシンの弱点を突いたり、非ダイマックスのドラパルトや水ロトムにダメージを与えておくのが大事。
「てだすけ」は定番のサポート技で、特にストリンダーのキョダイカンデンを補強して相手のダイマックストゲキッスやラプラスの一撃突破を狙えるのが強みとなります。
悪タイプの攻撃が味方に一貫するためバンギラスやオーロンゲの前では「まもる」を使いワンパンされることを防ぎます。
ドラパルトはじめ物理軍団の相手をしてもらうのが最も重要な役目なので性格「ずぶとい」のHB特化。さらにサイコシードではなく「オボンのみ」を持たせており、物理攻撃×2はだいたい耐えてくれます。
主な選出
概要に書いたとおり、ストリンダーを先発ダイマックスさせるのは相手のパーティに地面タイプおよび避雷針持ちのポケモンが入っていないときになります。それらが入っている相手、もしくは砂ドリュウズが刺さる相手であればカバドリを軸に戦います。
ストリンダー軸の選出
先発:ストリンダー+イエッサン♀orシャンデラ
後発:ギャラドス+イエッサン♀orシャンデラ(カバルドン、ドリュウズを混ぜる場合あり)
相手のパーティの素早さが速めならイエッサン♀のこの指とまれで防御しながらキョダイカンデンを通しに行き、遅めならシャンデラを初手から出してキョダイカンデン+祟り目で相手を倒しにいくとよいと思います。
初手ラプラスやアシレーヌに対して手助けキョダイカンデンを狙いにいく価値は十分にあり、交代や守るで防がれたとしても追加効果でアドバンテージを取っていくことができます。
カバドリを後発に混ぜることは少ないですが、相手がバンギラスやギガイアス、ジュラルドン入りなら後発ギャラシャンで不利になりがちなためドリュウズを選出するようにします。また、雨パーティや霰パーティが相手ならカバルドンを出して天候を妨害するのも有りです。
カバドリ軸の選出
先発:ドリュウズ+イエッサン♀orカバルドン
後発:ギャラドス+イエッサン♀orカバルドン(ストリンダー、シャンデラを混ぜる場合あり)
特に強い組み合わせはイエッサン+ドリュウズで、この指とまれで護衛しながらドリュウズで剣の舞を舞えます。相手から地震や濁流といったこの指とまれを無視する全体攻撃技が使われそうならダイマックスしておき、それら全体攻撃をトリガーに弱点保険起動を狙います。いずれかの手段で攻撃を上げ、自身のダイロックやカバルドンのすなかきで砂を吹かせて上から制圧するのが強い勝ち筋となっています。
初手からカバドリと出す場合は、あくびによって相手のダイマックスポケモンの出鼻をくじけます。カバドリは両方地面タイプなので相手から電気技を撃たれず、ダイサンダーによるエレキフィールド展開でねむけから脱出されません。
後発ダイマックス型の相手にはドリュウズの積み技が、先発ダイマックス型の相手にはカバルドンのあくびが刺さるというイメージです。
後発は基本的にギャラカバかギャライエッサンですが、相手のナットレイやアーマーガアで詰まされそうな時はシャンデラかストリンダーを混ぜます。
対ガチトリパ、晴れトリパへの選出
先発:シャンデラ+イエッサン♀
後発:ギャラドス、ストリンダー、カバルドン、ドリュウズの中から二匹
イエブリのようなトリル+サポーターの布陣に対して手助け熱風を打ち込み、相手がトリルしてきたら次のターンこの指とまれ+トリックルームでトリル返しを狙います。シャンデラの封印やトリル読みトリル返しは警戒されやすく、相手は1ターン目にトリルを選んでこないこともしばしば。その場合は次の熱風で相手のトリル要員を倒し、優勢で試合を進められるはず。
サマヨールと対面した場合は初手から手助けダイホロウを選んで落としにいっても良いです。慎重HDサマヨールすら6割ぐらいの確率で一発なので、一般的な配分のサマヨールならまず倒せると考えて良いと思います。
パーティの弱点・課題
このパーティは最近流行しているセキタンザンやナットレイ、サマヨール、ラプラス、アシレーヌは得意にしているのですが、苦手な相手もいくつか存在します。
メジャーなもので苦手気味なのは水ロトムとドサイドン。
どちらもダイマックスすることが多いので、ギャラドス+ドリュウズ、もしくはギャラドス+カバルドンの交代サイクルでダイマックスターンを稼ぎながら立ち回ると良い感じ。また、イエッサンのサイコキネシスでそこそこダメージを与えることができ、味方ギャラドスやドリュウズの攻撃の圏内に入れておくのも重要です。
マイナーながらサザンドラはこの構築の最大の天敵になります。
パーティに弱点を突ける技がなく、逆にほとんどの攻撃が半減か無効にされ、さらにはイエッサンを一撃で倒されてしまいます。こればかりは当たらないことを祈りたい相手です。