QRレンタルチーム(PGL)
第31回がにゅーオフ(バトルロードグロリア九州予選)で使用した構築。スイスドロー予選を5-1で56人中2位抜け。その後、決勝トナメ1回戦で負けてベスト16。
概要
レヒレジーナガブについて
ダブルバトル入門にも書いた通り、ダブルバトルの「全体技」は立ち回りの負担を減らすため、また火力面で相手に差をつけるため積極的に活用したい要素です。このルールにおいても全体技を多用できる組み合わせを煮詰めていこうと考えました。
アローラダブルにおいて全体技を乱発できる組み合わせの一つがレヒレジーナ+スカガブです。この3匹だけでも濁流、マジカルシャイン、バークアウト、岩雪崩、地震という5種類の全体技を擁し、バルジーナの追い風でS操作をかけながらレヒレで相手を削り、最後にスカガブで一掃するという流れが理にかなっており強力。
すでに有名な組み合わせでメタも張られやすいため、そのメタをどう乗り越えていくかを念頭に置いて構築しました。
岩Zテッカグヤについて
レヒレジーナガブを基本選出とするなら、残り1体には下記の条件を満たすポケモンが望ましいと言えます。
・スカガブで暴れるうえで障害となる飛行、虫タイプを倒せるポケモン
・スカガブの地震に巻き込まれない、浮いているポケモン
・基本選出の3匹にZ技が無いため、Z技枠となるポケモン
・バルジーナ、ガブリアスの苦手なフェアリーへの打点と耐性を持つポケモン
これらを満たすのが岩Z持ちのテッカグヤでした。ストーンエッジをベースにすれば岩Zの威力は180。クワガノン、オニシズクモ、バルジーナ、ギャラドス、ペリッパーなどなど地面耐性を持つ虫・飛行タイプのポケモンに大ダメージを与えることができ、スカガブの地震が通りやすい盤面を作るのにとても有用でした。自身の苦手とする炎タイプのガラガラやコータス、ウインディに対してもダメージがあり、「ウインディに交代しそうなキュウコン」等に対してはヘビーボンバーではなく岩Zを撃つことで攻撃が一貫します。
「メインウェポンのZ技(ウインディの炎Zやガブリアスの地面Zなど)」はほぼ毎試合使うのに対して、テッカグヤの岩Zのような「サブウェポンのZ技」は、相手によっては使用せず試合が終わることもあります。Z技が腐ることがあるのは勿体ない気もしますが、読まれにくいため守るや交代で凌がれることが少ない点、普段倒せない相手を倒せるようになり構築の対応範囲が広がるという点では重宝します。
避雷針について
レヒレジーナカグヤの3匹は電気弱点が被っているため、単純な電気対策手段として避雷針に頼ってみることにしました。対カミツルギを意識してトゲデマルではなくガラガラを選択。
基本的には選出しない「見せポケ」となりますが、選出せずとも「拘り眼鏡+10万ボルト」、「電気Z技」に対する抑止力になります。相手目線ではこちらがレヒレジーナのどちらかを避雷針ガラガラに交代した場合、「拘り眼鏡+10万ボルト」なら無効にされた挙句次のターン交代せざるを得なくなり、「電気Z技」なら無効にされた上にZ技を以後使えなくなるため、どちらも避雷針で無効にされた場合のリスクが非常に大きいと言えます。このように避雷針ガラガラバックをちらつかせておくことで相手はハイリスクな電気技を撃ちにくくなり、間接的にレヒレジーナが動きやすくなります。
それでも初手に眼鏡10万ボルトやスパーキングギガボルトが飛んでくる場合があります。立ち回りの上手い相手は隣で岩雪崩を撃つなどしてガラガラ引きをケアしながら電気技を撃ってくるので、コケコガブなどの初手の並びに対してはレヒレをガブリアスに交代するのも手。こちらのパーティに避雷針持ちがいることを忘れてハイリスク電気技をぶっ放してくる相手は知りません・・大多数のカプ・コケコはガラガラバックを警戒してマジカルシャインや放電を使うので、初手からレヒレジーナで突っ張るのが正解だと思っています。
個別解説
カプ・レヒレ
【ムーンフォース、だくりゅう、マジカルシャイン、くろいきり@こだわりメガネ/ミストメイカー】
175-×-157-140-151-107 (H236,B60,C196,D4,S12) ずぶとい
HB:A233カミツルギのリーフブレードを高乱数耐え(87.5%)、A178ウインディのスパーキングギガボルト(ワイルドボルトベース)を最高乱数以外耐え
S:最速45族抜き、追い風下で素早さ1段階アップの準速ポリゴンZ抜き
ミストメイカーによって相手のコケコ、テテフの火力を落としつつ、眼鏡シャイン・濁流で雑に削ります。技は眼鏡レヒレの王道構成。黒い霧によってイーブイバトン系をカバーします。
性格を図太いにして物理耐久を一回り硬く調整し、かつ避雷針と絡めて電気技を撃たせにくくすることで一撃突破されることを避けられるようにしました。175-157-151の耐久があれば集中攻撃も耐えてくれることが多いです。全体技のダメージを一度でも蓄積させれば大抵の相手はスカガブの地震圏内に追い込めます。
バルジーナ
【イカサマ、バークアウト、おいかぜ、はねやすめ@ミストシード/ぼうじん】
207-×-125-75-144-127 (H172,D124,S212) おだやか
H:16n-1
S:追い風下でスカーフ最速ガブリアス抜き
基本的にはレヒレと共に初手に出しミストシードを発動。コケコの電気Zをも耐える強靭な耐久を盾に、追い風とバクアで味方をサポートします。プテラ、ウツロイド、フェローチェ入りの構築など、レヒレジーナ先発では高速の相手に上から制圧されてしまいそうな場合は、スカガブや猫だまし持ちのハリテヤマと共に先発し、それらに守られながら追い風を展開します。
浮いているため地震に巻き込まれず、バークアウトで相手フェアリーの火力を下げられる点で味方のガブリアスとの相性は抜群に良いです。
イカサマ、バークアウトの両立によって物理相手でも特殊相手でも腐りにくくなります。この構築には電気・草技が無く、水への打点が乏しいため、相手のレヒレを止めるためにバークアウトがほぼ必須。ポリゴン2や宿り木テッカグヤへの対抗手段として挑発が欲しくなることも多いので、羽休めを切っても良いかもしれません。
ガブリアス
【じしん、いわなだれ、どくづき、ほのおのキバ@こだわりスカーフ/さめはだ】
183-179-115-×-125-154 (A100,D156,S252) いじっぱり
HD:C182カプ・テテフのムンフォを最高乱数以外耐え
地面の通りが良いこのルールでは圧倒的な制圧力を誇るスカーフガブリアス。電気・毒・岩への耐性からレヒレジーナとの縦の相性にも優れ、受け出しもしやすいです。同じスカーフ持ち地面タイプとしてはワルビアルも候補に挙がりますが、バルジーナとのタイプ重複や威嚇とイカサマのアンチシナジー、耐久面などからガブリアスに軍配が上がります。他のポケモンによって地震圏内まで相手を追い込み、このポケモンで最後に一掃するのがこの構築のメインの勝ち筋です。
炎技はカミツルギ意識なら火炎放射が無難ですが、カミツルギ以上にテッカグヤへの打点が欲しかったため炎のキバを選びました。ドラゴン技はミストフィールドとの相性の悪さから採用せず。
テッカグヤ
【ヘビーボンバー、ストーンエッジ、やどりぎのタネ、まもる@イワZ/ビーストブースト】
199-146-124-114-135-93 (H212,A92,B4,D108,S92) いじっぱり
A:H175-B112オニシズクモをワールズエンドフォールで確定1発
HD:C147カプ・コケコのエレキフィールド+10まんボルトを確定耐え
S:追い風下で最速エンニュート抜き
スカーフガブリアスとの相性が良く、自身の苦手な電気・炎は地震で倒してもらうことができます。前述の通り、ワールズエンドフォールによって地面の通りが悪い飛行と虫タイプを倒しておくことで地震で一掃する最終盤面を築くことができます。
レヒレジーナガブの3匹は守るが使えないため、相手の毒やフェアリー技を受ける交代先としても有能。
Z技を使うため特性ビーストブーストの発動機会も多いです。このステータスでは攻撃が上がりますが、宿り木のタネで詰める上では特防が上がった方が良いため、攻撃<特防になるよう配分を考えても良かったかもしれません。
ガラガラ(アローラのすがた)
【フレアドライブ、シャドーボーン、ホネブーメラン、まもる@ふといホネ/ひらいしん】
141-145-130-×-100-92 (H44,A252,S212) いじっぱり
S:追い風下で準速カプ・コケコ抜き
避雷針により、相手に電気技使用を躊躇させることのできるポケモン。見せポケとなることが多いですが、コケコライチュウのエレキパや、コケコウインツルギカグヤが全て入ったスタンなどガン刺さりの相手には選出していきます。環境初期と比べて数が激減したためか対策が切られやすく、現環境では刺さる相手も多いです。
追い風の恩恵を受けるために配分はS寄り。選出数が少ない手前、配分はあまり練りませんでしたが、攻撃面の努力値を落として耐久に振っても良さそうです。
ハリテヤマ
【インファイト、どくづき、ねこだまし、みきり@ドクZ/あついしぼう】
219-189-80-×-81-102 (A252,D4,S252) いじっぱり
S:準速(追い風下で最速130族抜き)
上記の5匹で厳しい相手として、プテラやトリパが挙げられます。
ハリテヤマなら、その両方に回答できると考えました。
プテラに対しては初手ハリテジーナと並べて猫追い風から入ることで、襷を割りながら上を取ることが可能。準速まで素早さを引き上げているので追い風下では130族の上を取れます。
トリパのポリゴン2+ギガイアスに対しては攻撃面でも耐性面でも強く、猫だましと見切りで時間を稼いでトリルターン切れを狙うのも得意です。ここまでSが速いとトリル下では先手を取られるのが悩みですが、レヒレジーナの挑発や最遅ハリテヤマを警戒してトリルを使ってこないポリゴン2も多いため、この配分で特に問題ありませんでした。
持ち物は毒Z。追い風によってコケコ・レヒレの上を取り、アシッドポイズンデリートでそれらを倒すのが爽快です。どくづきベースで威力160。175-135レヒレを乱数1発 (81.3%)。テッカグヤの岩Zと同様、読まれにくいため決まりやすい役割破壊系のZ技です。