スカーレット・バイオレットシーズン1ランクダブル(準伝・パラドックス禁止)にて使用した構築。
最終日にがっつり潜り、最終順位は42位でした。
概要
戦術
タイカイデンで追い風を吹かせ、サーフゴー・ガブリアスの全体攻撃で上から相手を削り、最後にウェーニバルで相手を倒してアクアステップと自信過剰で能力アップし無双する、というのが理想の流れ。
サーフゴーとガブリアスの組み合わせはお互いの弱点と攻撃範囲の穴を補い合えるため相性が良く、二匹の種族値の高さも相まって堅実にダメージレースを制していくことができます。この二匹にのみ火力系アイテムとタイプ一致テラスタルを持たせており、全体攻撃の打点を押し上げます。
サーフガブ構築の追い風役としてはヤミカラスが使われることが多いですが、攻撃がイカサマ依存で追い風ターン中に腐りやすいのでもっと前のめりなポケモンを選びたいと考えました。今回採用したタイカイデンはふうりょくでんき+10まんボルト、きあいのタスキ+がむしゃらのコンボによって高い打点を繰り出せるのが魅力的です。電気タイプのアタッカーであるため、サーフゴー・ガブリアスでダメージを与えにくかったアーマーガアやギャラドスもマークできます。
フィニッシャーはウェーニバル。素早さを上げるアクアステップと攻撃を上げる自信過剰の特性を持っており、削れた相手を倒しながら能力アップしていけます。前作でいえばビーストブーストや黒のいななき、ダイジェットに相当する動き。
ウェーニバルは味方のサーフゴー・ガブリアスとも相性が非常に良いです。サーフゴーのゴールドラッシュを警戒して炎テラスタルを切った相手はウェーニバルのカモになります。また、ウェーニバルが飛行テラスタルを切ることで味方ガブリアスの地震を透かしながら攻撃でき、物理技☓2で強力な打点を押し付けていけます。
寿司対策について
シリーズ1の環境上位帯で最も見かける勢力はヘイラッシャ+シャリタツの合体寿司構築。黒い霧ヤミカラスを採用しない以上、別の手段での対策が必要になりますが、今回はものまねハーブ+スキルスワップ型のリキキリンを採用することで対処を試みました。へイラッシャの能力上昇をコピーし、天然を奪うことでこちらだけ能力アップした状態を作る戦法です。クリアスモッグや黒い霧と違ってヘイラッシャを倒した後の展開も有利になるため、狙う価値は大きいと考えています。
スキルスワップの使い手の中でもリキキリンは、テイルアーマーで先制技封じができ汎用性が高いポケモンです。追い風やアクアステップで素早さを上げる戦術は先制技が弱点になりやすく、それらを無効にできるのは重宝します。特に寿司構築はマスカーニャやカイリューといった先制攻撃持ちを多く採用する傾向があるので刺さりやすいです。もちろんスキスワすればテイルアーマーが相手に渡りますが、こちらは先制技を多用しない追い風構築なのでデメリットも最小限。
序盤は特性で味方を先制技から守りながら立ち回り、中盤以降に相手の寿司が合体してからスキスワで天然を奪います。リキキリンはトリックルームを匂わせることも含めてヘイトを集めやすく、寿司の合体前に倒されると不味いので、フェアリーテラスタルやまもみがを駆使して盤面に残せるようにします。
個別解説
能力値
HP-こうげき-ぼうぎょ-とくこう-とくぼう-すばやさの順
努力値
H→HP / A→こうげき / B→ぼうぎょ / C→とくこう / D→とくぼう / S→すばやさ
タイカイデン
【10まんボルト、がむしゃら、おいかぜ、まもる@きあいのタスキ/ふうりょくでんき/テラスタルゴースト】
146-×-80-157-80-194(H4,C252,S252 おくびょう)
「おいかぜ」を吹かせる役です。追い風後は特性「ふうりょくでんき」により充電状態に入り、次に選択する電気技の威力が2倍になります。9世代から充電状態は電気技を選ばない限り保持し続けられるようになったため、別の技を選択して温存するプレイングも視野になります。
主力技は「10まんボルト」です。この構築では電気無効がガブリアスのみのため、放電ではなく単体攻撃の電気技を選びました。技スペース不足のため飛行技はありませんが、ウェーニバルに代わりの飛行打点を任せています。
持ち物は行動保障のための「きあいのタスキ」で、「がむしゃら」との組み合わせで相手のHPを1にするコンボになります。ヘイラッシャのような強敵を倒したり、全体技とあわせて相手を縛ったり、ウェーニバルのカモを用意したり、状況に応じて強い動きができます。先制攻撃技に弱い欠点はリキキリンのテイルアーマーで補いたいところです。リキキリンの恩恵を受けられない場合でも自身で「ゴーストテラスタル」を切ることでカイリューの神速やイッカネズミのフェイントを透かせます。
スカーフ持ちの凍える風+速いポケモンの集中攻撃で追い風前にワンパンされることが時々あるため「まもる」も持たせています。相手の守るを読んでこちらも守り、充電状態の10まんボルトを確実に当てていく動きも強力です。
性格「おくびょう」で最速。アクアステップ1回の味方ウェーニバルより1ポイントだけ速いので、タイカイデンで削ってそのままウェーニバルで相手を倒して自信過剰する流れを狙いやすいです。
サーフゴー
【ゴールドラッシュ、シャドーボール、パワージェム、トリック@こだわりメガネ/おうごんのからだ/テラスタル鋼】
183-×-116-187-112-130(H164,B4,C132,D4,S204 ひかえめ)
HB:マスカーニャ(A162)のはたきおとすを確定耐え
S:味方ウェーニバル抜き
全体技アタッカーその1。「こだわりメガネ」+「ゴールドラッシュ」を主軸に攻めます。相手が水テラスを切った場合はタイカイデンで弱点を突くことができ、炎テラスや鋼テラスを切った場合はウェーニバルのカモにできるため、安心して鋼技で拘れます。もともと鋼技の通りが悪い相手にはもう1つのタイプ一致技である「シャドーボール」で対応します。
「パワージェム」はウルガモスを仮想敵にしており、環境によってはマジカルシャインやサイコショックも候補になります。
「トリック」はトリックルーム起動役に拘りメガネを渡すことで次のターンにトリルか交代を強要する狙いで採用しています。キョジオーンやトロピウスで詰まないようにするのにも役立つ技です。
性格は「ひかえめ」で味方のウェーニバル抜きまで振りました。これによりサーフゴーで削った相手をウェーニバルで仕留める動きがしやすくなります。
「はがねテラスタル」はゴールドラッシュの強化が主ですが、ゴーストタイプとのミラーや、悪技を受ける時に弱点を消す使い方ができるのも便利です。
ガブリアス
【じしん、ドラゴンクロー、いわなだれ、まもる@いのちのたま/さめはだ/テラスタル地面】
183-182-115-×-106-169(A252,D4,S252 ようき)
全体技アタッカーその2。じだんだではなく味方を巻き込む「じしん」を主力技としており、タイカイデン又は飛行テラスタルを切ったウェーニバルを横に置いて撃っていきます。状況に応じて「じめんテラスタル」も切ります。フェアリー・ドラゴン弱点を消すついでに地震を強化できるのが良いですが、水草が弱点になるデメリットもあるのでマスカーニャやマリルリに注意する必要があります。
味方を巻き込めない状況では「ドラゴンクロー」がメイン技になります。味方と息を合わせて動くための「まもる」も必須として、残りの技枠には「いわなだれ」を選んで攻撃範囲を広げました。岩雪崩はウルガモスに対して有効で、テラスタルを切られても怯みの可能性を残せるのが強力です。
前作までであれば剣の舞も候補になりそうですが、ダブルバトルの剣舞は威嚇を読んで使う部分が大きかったため威嚇の少ない今の環境ではあまり役に立たないと判断。持ち物も威嚇対策になるクリアチャームではなく「いのちのたま」にして素の打点を上げています。
ウェーニバル
【アクアステップ、インファイト、ブレイブバード、アクアジェット@とつげきチョッキ/じしんかじょう/テラスタル飛行】
169-189-100-×-95-129(H68,A252,S188 いじっぱり)
HD:ペリッパー(C161)のぼうふうをとつげきチョッキ込みで確定耐え
HD:サーフゴー(C203)のこだわりメガネ+10まんボルトをとつげきチョッキ込みで高乱数耐え(14/16)
S:最速ペリッパー抜き。アクアステップ一回で最速マスカーニャ抜き。
後発から出すことが多く、全体技で削れた相手を狩って「じしんかじょう」で攻撃を上げていきます。専用技の「アクアステップ」は威力の高い水版ニトロチャージであり、特性と技で能力を上げれば高い制圧力を発揮できます。同じく水技の「アクアジェット」もラストヒットを取りやすい先制技として便利です。
格闘技は威力重視の「インファイト」。反動のないけたぐりや素早さ操作も兼ねられるローキックも検討の余地があります。
「ひこうテラスタル」には主に3つの用途があり、1つめは味方ガブリアスの地震避け、2つめはマスカーニャやウルガモスからの草技の軽減、3つめは飛行技「ブレイブバード」の強化です。ブレバはテラスタルしなくても使えるのがテラバーストとの違いとして大きく、普通の水格闘アタッカーが苦戦するモロバレルも易易と突破可能です。
持ち物は「とつげきチョッキ」を選択。サザンドラやサーフゴー相手でも動かしやすくしています。炎、水、氷、悪、鋼、岩、虫と7つ耐性があるので受け出しもそこそこしやすいです。
性格は「いじっぱり」で素早さを調整しています。実数値129はアクアステップ1回でマスカーニャ抜きかつ、味方のタイカイデンは抜かない絶妙なラインです。
リキキリン
【ハイパーボイス、スキルスワップ、みがわり、まもる@ものまねハーブ/テイルアーマー/テラスタルフェアリー】
196-×-102-165-91-112(H4,B92,C156,D4,S252 ひかえめ)
HB:ヘイラッシャ(A167)のウェーブタックル急所を最高乱数以外耐え
HD:グレンアルマ(C194)のねっぷう(+2)ダブルダメージを高乱数耐え(13/16)
S:2段階アップで最速スカーフシャリタツ(S220)抜き。
特性「テイルアーマー」で、追い風の天敵になる先制攻撃技を封じることができます。ガブリアスに対する氷の礫、サーフゴーに対する不意打ち、ウェーニバルに対する疾風の翼ブレバを防げるのは特にありがたいです。先制技無効やトリルを警戒させることにより相手の選出やプレイングに圧をかけられるので、選出していなくても仕事をします。
「ものまねハーブ」+「スキルスワップ」のコンボで寿司対策をしています。コンボがうまく決まってこちらだけ能力を上げた状態にすれば、ヘイラッシャだけでなく、後続のシャリタツや残りの相手ポケモンまで倒しやすくなるのでほぼ試合に勝てます。物真似ハーブは蝶の舞や弱点保険の対処に使えるし、スキルスワップは相手ニンフィア・マリルリの弱体化にも使えます。
相手の司令塔が発動した時に、リキキリンが場にいなければものまねできません。よってリキキリンの場持ちをよくする必要があり、「まもる」「みがわり」とテラスタルを駆使します。「フェアリーテラスタル」は元々の弱点である悪技と虫技の軽減が主で、味方の追い風によってマスカーニャより先に身代わりすれば身代わり人形が叩き落とすを耐えることもあります。ドラゴン技を無効にできるのも重要で、神速・氷の礫が撃てないカイリュー・セグレイブの逆鱗・巨剣突撃を無効にしてしまえます。
技スペース不足のため攻撃技はタイプ一致の「ハイパーボイス」のみ。アシストパワーがあればヘイラッシャをスムーズに倒せますが、なくてもスキスワまで決まった状態なら勝てるので不要と考えました。鋼寿司にはノーマル技が通りにくいため、味方のウェーニバルにスキスワで天然を譲って倒してもらう手もあります。
性格「ひかえめ」で準速まで素早さを上げました。追い風か物真似ハーブで素早さが二倍になっていれば最速スカーフシャリタツを抜くことが出来ます。ほぼヘイラッシャの相手が主になるため、残りの努力値は防御に多く振りました。
ドドゲザン
【ドゲザン、ふいうち、けたぐり、まもる@ぼうじんゴーグル/そうだいしょう/テラスタル炎】
205-205-141-×-106-72(H236,A252,B4,D4,S12 いじっぱり)
グレンアルマやモロバレルを意識して採用しています。元々が悪タイプなのでエスパー技を撃たれにくく、相手の炎技を誘って「ほのおテラスタル」を切る動きがグレンアルマ系に対して刺さります。炎タイプになれば火傷せず、「ぼうじんゴーグル」で粉技も効かないことから、鬼火や怒りの粉を盾に積みを狙う構成のパーティとも戦いやすいです。
バンギラスやサザンドラとの違いとして大きいのは先制技「ふいうち」の存在です。これがあることで雨パや砂パとも戦いやすくなります。不意打ちはサイコフィールド下で無効にされるため、イエアルマ対策に「ドゲザン」も持たせています。
この構築にはサーフゴーがいるので鋼技はそちらに任せ、「けたぐり」を持たせてドドゲザンミラーに勝てるようにしました(ドドゲザンに対しては威力100)。ダイマックス環境でなくなったことで体重依存技の使い勝手もよくなっており、主要な新ポケモンの体重はぼちぼち覚えていきたいなと思っています。
性格は「いじっぱり」でHAベース。素早さを72まで上げると最遅グレンアルマと同速になるのが嫌ですが、逆にこの理由からほとんどのドドゲザンはS71で止まっているとも言えます。環境にトリル型のグレンアルマがほとんどいないと判断し、ミラー意識の72にしました。
主な選出
基本選出
先発:タイカイデン+サーフゴーorガブリアス
後発:ウェーニバル+ガブリアスorサーフゴーorドドゲザン
追い風から全体攻撃を通していくシンプルな形。イッカネズミコノヨザルに対してはサーフゴーを先発に出して相手の炎テラスタルを先に切らせ、後発ガブウェーニバルで弱点を突いていく形を狙うことが多いです。
こちらのパーティにリキキリンが入っているためかトリルを警戒して追い風要員の選出をためらってくる相手も多く、その場合はこちらだけ一方的に追い風を使って戦えます。追い風合戦で素早さ負けしそうな場合(相手が追い風+ドラパルトなど)、先発にリキキリンを入れて相手にトリルを警戒させ、その間にこちらだけ追い風する戦術をとることもあります。
雨パや砂パに対しては追い風だけでは素早さ勝負に勝てないため、先制攻撃の使えるドドゲザンを後発に置きたいところ。
vs寿司
先発:タイカイデン+リキキリン
後発:ガブリアス+ウェーニバル
合体した寿司に対してものまねハーブ+スキルスワップコンボを狙っていきます。コンボが決まればハイパーボイス二発でへイラッシャを落とせるようになります。
相手が合体するまでの間、キリンはまもみがテラスタルを駆使して大事にします。キリンを後発から出してハーブスキスワを狙う事もできますが、へイラッシャの合体タイミングや攻撃が来ない方向を読む必要があるのでかなり難しいです。
砂寿司に対してはタイカイデンとリキキリンでは岩タイプに分が悪すぎるため、後発キリンもやむなしになります。先発ガブウェーニバルと出してバンギルガンに対応し、味方のどちらかが倒れたところでキリンを出せば、良い具合に寿司と対面しやすいです。