ポケモンダブルバトル入門

アマルガムに私が投稿したダブルバトル入門講座を当ブログでも紹介します。

7世代からWCSルールがランダムマッチの対戦ルールの1つとなり、”QRレンタルチーム”という便利なシステムも登場しました。これを機にダブルバトルに興味を持った方も多いと思います。

当記事ではそういった方に向けて、ダブルバトルの基本戦術やシングルバトルとの違いを解説します。ダブルバトルの世界に一歩を踏み出す方の手助けになれば幸いです。


■目次

・1,縛りと守るについて
・2,S操作について
・3,全体技について
・おわりに

■第一章 縛りと守るについて

まずはダブルバトルの盤面把握に欠かせない“縛りの概念”と“「まもる」の重要性”について、具体例を挙げて説明します。

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【プレイヤーA】カビゴン カプ・テテフ
vs
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【プレイヤーB】マッシブーン ベトベトン(アローラのすがた)


上の図ではプレイヤーAがカビゴンカプ・テテフ、プレイヤーBがマッシブーンアローラベトベトンを繰り出しています。
どちらのプレイヤーが有利なのでしょうか、そしてそれぞれのプレイヤーはどのように動くべきなのでしょうか。


シングルバトルでは、
f:id:barudoru:20170222232023p:plainf:id:barudoru:20170222232033p:plainマッシブーンvsカビゴン」はマッシブーンが有利
f:id:barudoru:20161220214552p:plainf:id:barudoru:20170222232047p:plainカプ・テテフvsアローラベトベトン」はアローラベトベトンが有利
といった具合でポケモン同士の相性を見て優劣が判断できます。

一方ダブルバトルでは、f:id:barudoru:20170222232033p:plainf:id:barudoru:20161220214552p:plainf:id:barudoru:20170222232023p:plainf:id:barudoru:20170222232047p:plainこのように4体のポケモンが場にいるため一見すると状況は複雑。そのことで”ダブルバトルは難しい”と考える人もいると思います。
しかし、ここで“縛り”という言葉を押さえておくと、盤面を紐解いていくことができます。


まず、マッシブーンカビゴンの関係に注目してみましょう。
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マッシブーンカビゴンより素早さが速く、格闘Z技や「ばかぢから」により一発でカビゴンを倒すことができます。言い換えるとマッシブーンが相手の場にいる限り、カビゴンは自由に動くことができず、「まもる」を使うか交代するしかありません。
これを”マッシブーンカビゴンを縛っている”と言います。

“縛る”という言葉は、このように“先手を取って相手を一撃で倒す態勢を作ることで相手の行動を封じる”という意味を指します。

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しかし、カビゴンの相方はカプ・テテフカプ・テテフは先手を取ってマッシブーンを一撃で倒すことができ、”カプ・テテフマッシブーンを縛っている”状況となります。マッシブーンが行動できないことにより、マッシブーンから縛りを受けていたカビゴンは自由に行動できるようになります。
これを“縛りを解除する”と言います。

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アローラベトベトンもまたカプ・テテフを一撃で倒すことができますが、素早さではカプ・テテフに劣っているため、カプ・テテフの行動を止めることは不可能です。
アローラベトベトンカプ・テテフを縛っている”と言うことはできないのです。


カプ・テテフマッシブーンを縛っているこの状況。
お互いのプレイヤーが普通に行動すると、まずカプ・テテフマッシブーンを「サイコキネシス」で倒し、次にアローラベトベトンが「どくづき」でカプ・テテフを倒す、最後にカビゴンが「10まんばりき」でアローラベトベトンを攻撃したり、「のろい」や「はらだいこ」を使う、という流れでターンが終了します。
カプ・テテフマッシブーンを縛り、これを行動させなかった分、プレイヤーAがアドバンテージを得ました。
このように相手に縛りをかけている側が有利に立ち回ることができます。
youtu.be
では、プレイヤーBの側はどのように立ち回れば良いのでしょうか。

正解はマッシブーンに「まもる」を使わせることです。

「まもる」によって「サイコキネシス」を凌ぎ、その間にアローラベトベトンの「どくづき」でカプ・テテフを倒すことができます。すると次のターンには縛りの解除されたマッシブーンカビゴンを縛ることができ、プレイヤーBが有利に立ち回ることができます。

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ダブルバトルでの「まもる」はこのように縛りを解除する手段として重宝されます。
シングルバトルでの「まもる」は『かそく』や「たべのこし」とのコンボで使われることはあるものの、そういったコンボを絡めず、相手の攻撃をただ守って凌ぐだけでは状況は変化しません。

一方、2体のポケモンで戦うダブルバトルでは、片方のポケモンが「まもる」を使っている間にもう片方のポケモンで状況を変えることが可能です。縛りを解除するほかにも、味方のポケモンが「トリックルーム」を使ってくれるのを待つなど、「まもる」の使用により相方と息を合わせて行動することができます。
こうした用途からダブルバトルの「まもる」はほぼ必須とされており、「とつげきチョッキ」や「こだわりスカーフ」を持たせるものを除きほとんどのポケモンの技に採用されます。


■第二章 S操作について

相手のポケモンを縛り、試合を有利に進めるためには、素早さで相手を上回ること、すなわち“上を取る”ことが欠かせません。相手の上を取れるよう、自分のポケモンの素早さを上げること、もしくは相手のポケモンの素早さを下げることを“S操作”と言います。

ここでは代表的なS操作とそれぞれの長所、短所、使い方について解説します。

f:id:barudoru:20170223233313p:plainおいかぜ

「おいかぜ」は4ターンの間、味方のポケモンの素早さを2倍に引き上げます。この4ターンには「おいかぜ」を使うターンもカウントされるため、恩恵を受けられるのは実質3ターンとなります。とはいえ、1ターンに敵味方あわせて4体のポケモンが行動するダブルバトルでは3ターンでも十分アドバンテージを取れます。
「まもる」と交代でうまくターンを凌がれてしまわないよう、一貫性のある技や全体技で確実にダメージを稼ぎたいところです。
2倍という上昇量は大きく、元の素早さ実数値が89以上あれば最速カミツルギを、101以上あれば最速カプ・コケコをも抜けるようになるため、中速ポケモンで高速ポケモンを縛ることも容易になります。「おいかぜ」を使うパーティのポケモンは、倍速になることを前提に素早さの能力値を調整をしておくと良いでしょう。

6世代以前の教え技が使用できないWCS2017でも優秀な「おいかぜ」の使い手は多数存在します。バルジーナファイアローペリッパープテラなどが代表的です。このうちペリッパー以外は「ちょうはつ」を使用でき、「おいかぜ」を使ううえで天敵となる「トリックルーム」を封じることもできます。

f:id:barudoru:20170223233253p:plainでんじは/へびにらみ/ほっぺすりすり

「でんじは」等を使って相手を麻痺状態にすることにより、素早さを半減させます。
状態異常であることから、「いやしのすず」などを使われない限り、永続的に対象ポケモンの素早さを落とせるのがポイント。25%の確率で行動を止められるのもおいしいところです。

ただし、素早いポケモンの多い電気タイプは麻痺せず、「へびにらみ」以外は地面タイプにも無効となります。さらにミストフィールドや「ラムのみ」など状態異常対策にも弱め。対象も1体のみであるため、2匹から上を取られている盤面を覆すのは難しく、「まもる」により防がれるのも難点です。
麻痺は前作と比べて大幅に弱体化しており(6世代までの麻痺状態は素早さが1/4に減)、カプ・コケコ、カプ・レヒレガブリアスらが猛威を振るうWCS2017の環境では使用率が低めです。

f:id:barudoru:20170223233328p:plainこごえるかぜ/エレキネット/じならし/がんせきふうじ

「こごえるかぜ」や「じならし」は素早さを下げる追加効果(100%)を持った攻撃技。ダメージが発生することから、「きあいのタスキ」や耐久調整を崩しつつ上を取れるのが強みです。
ただし、減少する素早さは1段階(2/3倍)のみであるため、これを活かすためには元々の素早さがある程度必要になります。加えて、能力変化なので交代されるとリセットされます。
また、特性「かちき」や「まけんき」のトリガーにされる場合があるため、ミロカロスなどの入ったパーティを相手にする際には注意して使う必要があります。

「こごえるかぜ」、「エレキネット」は相手2匹、「じならし」は相手2匹と味方、「がんせきふうじ」は単体が対象。
デメリットが無く、相手2匹の素早さを下げられる「こごえるかぜ」、「エレキネット」が最も強力ですが、どちらも6世代までの教え技であるため、WCS2017で使用できるポケモンは少数に限られています。
一方、「じならし」と「がんせきふうじ」は性能的には劣るものの、技マシンで多くのポケモンが覚えます。

f:id:barudoru:20170223233338p:plainトリックルーム

技「トリックルーム」を使用すると5ターンの間、素早さが遅いポケモンから順に行動するようになります。
素早さ関係を逆転させるため盤面への影響は非常に強く、耐久力の低い高速ポケモンは一転して縛られる側に回り、逆に素早さに一切努力値を振っていないような鈍足ポケモンが相手を縛る側に回ります。また、「おいかぜ」など他のS操作技はトリックルーム下ではむしろデメリットとなってしまいます。
トリックルーム」によって素早さの低いポケモンを活かすパーティは“トリパ”と呼ばれ、4世代以降常にダブルバトルの環境の一角を担っています。

強力である分、対策・妨害もされやすい技です。妨害手段は様々であり、集中攻撃や「ちょうはつ」はもちろん、「トリックルーム」の優先度が-7と低いことから「ほえる」「ふきとばし」なども受けます。
鈍足ポケモンで固めたトリパでは「トリックルーム」への依存が強く、トリル起動を妨害されてしまうと常に相手に上を取られる形となることから劣勢になります。「トリックルーム」のターンが切れた場合も同様なので、なるだけターン内に決着をつけられるよう攻め急ぐ必要があります。
また、相手のパーティの中にギガイアスカビゴンなど遅いポケモンが紛れていた場合、逆に「トリックルーム」を利用されかねません。

こうした問題のため、「トリックルーム」への依存は控えめにし、相手が速いポケモンを並べたり、「おいかぜ」で上を取りにきた場合の対策としてトリックルームを用いる“スイッチトリル”という戦術もあります。WCS2017環境の「トリックルーム」の使い手として最もポピュラーなポリゴン2は、高いスペックからスタンダードパーティにも採用しやすく、このスイッチトリル戦術を得意とします。

f:id:barudoru:20170223233506p:plain天候/フィールド

天候を軸に構築する”天候パーティ”では、『すいすい』や『ようりょくそ』といった素早さを2倍に上げる特性を活かし、手軽に高速ポケモンを用意することができます。

天候の起動は「おいかぜ」や「トリックルーム」のように技でする必要がなく、『あめふらし』や『ひでり』といった特性を使うことが可能なため、相手からの妨害を受けにくく速効性があります。『あめふらし』など天候を変える特性を持つポケモンと、『すいすい』など天候で素早さを2倍に上げる特性を持つポケモンを並べることで、試合開始1ターン目から高速ポケモンを用意し、圧倒的な素早さで相手に圧力をかけることもできます。

天候パーティの欠点はパーティ内でタイプ被りが発生しやすく、弱点を突かれやすいという点です。また、天候のターン数は5ターンと長いものの、別の天候を起動すると上書きされるため、相手に天候を取られることにも注意しなければなりません。
天候に関する特性を持つポケモンは全体的に種族値が低めなので、天候を奪われると立て直しが難しくなりがちです。
7世代では天候とよく似た状態であるフィールドも強化されました。フィールドの恩恵を受ける特性を持つポケモンアローラライチュウのみであり、エレキフィールド下で特性『サーフテール』によって素早さを2倍にします。アローラライチュウを軸にしたエレキパーティにも、天候パーティの長所、短所が当てはまります。

■第三章 全体技について

ダブルバトルには複数のポケモンを攻撃する技(以下「全体技」)があります。様々なメリットを有する全体技を使いこなすことはダブルバトルの勝率を伸ばす鍵となります。

◆全体技の仕様

・ダメージは通常の75%に軽減される
※ただし、ターン内に相手ポケモンの片方が倒れるなどして相手1体のみが対象になる場合は100%のダメージとなる(シングルダメージ)
・「このゆびとまれ」や『ひらいしん』に吸われない
・「ワイドガード」によって防がれる
・“①相手2匹を攻撃する技”と“②相手2匹と味方を巻き込む技”の2種類がある

◆主要な全体技

①相手2匹を攻撃する技

ハイパーボイス、ふんか、ねっぷう、しおふき、だくりゅう、ふぶき、こごえるかぜ、いわなだれ、バークアウト、マジカルシャイン

②相手2匹と味方を攻撃する技

だいばくはつ、なみのり、ほうでん、じしん、じならし

①相手2匹を攻撃する技について

“①相手2匹を攻撃する技”は味方のポケモンを巻き込まないため、相方を気にする必要がなく扱いやすい技です。威力などで多少劣っていても、単体技よりこの類の全体技の方が優先して採用される傾向にあります。
例としてシングルバトルでは炎タイプの特殊技は「かえんほうしゃ」や「だいもんじ」が一般的ですが、ダブルバトルでは「ねっぷう」が基本となります。

この類の全体技の主なメリットは下記の3点です。

 
1.ダメージ効率の良さ

75%のダメージを相手2匹に与えるため、単純計算すると150%のダメージを与えることができます。

 
2.追加効果

相手2匹に技を当てる分、試行回数が増え、追加効果の発動を狙いやすくなります。
特に強力なのは「いわなだれ」で、先手を取って当てることができれば30%の怯み判定を相手2匹に与えられます。
100%追加効果の発生する「こごえるかぜ」や「バークアウト」はダメージよりも追加効果に重きが置かれていると言えるでしょう。

 
3.読みに頼る場面を減らす

単体攻撃技と違い攻撃対象を選ぶ必要がないため、読みが求められる場面を減らすことが可能です。片方のポケモンに「まもる」を使われてももう片方には攻撃を通せることから、確実に相手を削ることができます。



特にダメージ効率の良さは魅力的であり、「ふんか」や「ハイパーボイス」など高威力の全体技で相手を一掃するのは爽快です。この爽快感はシングルバトルでは味わえないダブルバトル特有のものと言えるでしょう。

②相手2匹と味方を攻撃する技について

一方で”②相手2匹と味方を攻撃する技”は味方を巻き込んでしまうため使用には工夫が必要です。
「じしん」を使うポケモンの隣に特性『ふゆう』持ちや飛行タイプを置くなど、全体技に巻き込まれないポケモンを隣に置き、被害を受けないようにしたいところ。
7世代で登場したヤレユータンは特性『テレパシー』で味方の全体技のダメージを受けず、技「さいはい」によって全体技を連打させることができるため、この手の全体技を使うポケモンと非常に相性が良いです。
また、「なみのり」+『ちょすい』や「ほうでん」+「じゅうでんち」、「じならし」+「じゃくてんほけん」のように特定の攻撃を受けることをトリガーとする特性や持ち物とコンボで使うのも手です。

◆全体技の弱点

全体技の対策としては「ワイドガード」があります。
必ず先制でき(優先度:+3)、そのターンの間、自分のポケモン2匹は相手や味方が使った全体技を受けなくなるという技です。全体技を使う側としては「ワイドガード」を使いうるポケモンは警戒すべきであり、単体技で攻めることも必要になります。
この技の使い手が多いタイプは格闘・鋼・岩・地面。また、7世代で登場したポケモン、強化されたポケモンの多くがこの技を覚えるため注意しましょう。


ワイドガードを使用できるポケモン一覧(WCS2017で使用可能なものは太字)

パラセクト、カイリキーゴローニャアローラゴローニャキングラーサワムラーバリヤードプテラマンタインドーブルカポエラーラグラージペリッパーハリテヤマドダイトストリデプスエルレイド、ダイノーズレジギガスギガイアスローブシン、ナゲキ、イワパレスアバゴーラママンボウコジョンドギルガルドケケンカニドヒドイデオニシズクモキテルグマグソクムシャバクガメスソルガレオルナアーラテッカグヤアクジキング



■おわりに

ダブルバトル入門は以上となります。
この記事を最後まで読んでいただければダブルの基礎はバッチリです。
早速レーティングバトルに潜ってみましょう。
ダブルバトル用のパーティ、ポケモンを持っていなくても、PGLQRレンタルチームよりレンタルを行えばすぐにダブルバトルを遊ぶことができます。

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