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VGC2016 環境の変遷

JCSまであと1週間となり、VGC2016もいよいよ大詰め。

そこでルール発表から現在に至るまでの環境の変遷を整理しておこうと思いました。

 

ルール発表~1月INCまで

2015年12月8日、VGC2016のルールが発表される。

年が明けて1月19日よりスペシャルレートで実戦が可能になった。

 

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このルールでは15種類の禁止伝説級ポケモン(以下禁伝)の中から2体までをパーティに入れることができる。
2010年のGSルールと比べ使用可能な禁伝は増えたが、6世代で登場したゼルネアス・ゲンシグラードン・ゲンシカイオーガ・メガレックウザの4者が種族値・専用技・専用特性の強さで他の禁伝を圧倒する。
中でもジオコントロールで爆発的な能力上昇が可能なゼルネアスは抜きん出たスペックを持ち、それと相性の悪いドラゴン・悪タイプの禁伝は活躍が難しくなった。
ゼルネアスのパートナーとしては、鋼タイプの処理に長け、相手のゼルネアスにも強いゲンシグラードンが採られることが多く、「グラゼルネ」の組み合わせは今に至るまでトップメタとなる。
そして次点を「オーガレック」「カイグラ」「オーガゼルネ」らが争う構図がVGC2016の環境の基礎となった。

 

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環境初期のグラードンは、断崖の剣の命中不安を嫌ってか特殊型が流行。
特殊型は大地の力で相手の耐久無振りグラードンを一撃で倒すことも可能だったため、ミラーにも強いとされた。
一方、フェアリー・炎・地面技への耐性と高い特防を持つホウオウがグラゼルネ対策として台頭する。
それを意識してグラードン側も岩技・電気技を持たせることが増え、徐々にホウオウは姿を消した。
物理型のグラードンは主にトリパで使われることになる。
トリル要員のなかでもクレセリアグラードンと相性抜群であり、重力によって断崖の剣の一貫性と命中率を向上させる、スキルスワップによってカイオーガから天候を奪い返す、またはグラードンに浮遊を付与して地面弱点を無くすなどあらゆる面でシナジーした。

 

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このルールにおけるメガシンカポケモンガルーラボーマンダの二匹が非常に優れており、多くのパーティではこの2匹を採用して使い分ける2メガ体制で運用される。
両者とも禁伝と互角に殴り合えるパワーを持ち、猫だまし・威嚇によって味方の禁伝を補助することも可能。
ガルーラは親子愛で気合の襷を貫通できることから一般枠のポケモンにも強く、ボーマンダは禁伝のグラードンレックウザに対してタイプ相性で有利を取ることができた。
その他のメガシンカポケモンは、メガゲンガーメガクチートがよく使われる。
ゲンガーの影踏みは天候合戦において役立った。
環境初期にはエルゲンやレパゲンも流行したが、後述のファイアロークロバットの流行で早々に姿を消す。
クチートは、強い雨・トリル・フェアリーオーラ・ダークオーラと相性がよく、一部の禁伝と抜群のシナジーを誇った。

 

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禁伝・メガシンカ以外のポケモン達、いわゆる一般枠のポケモンはサポートに回るのが定石となった。
とりわけ全てのサポート技を使えるドーブルは凶悪さを発揮する。
持ち物固定でラムを持てないポケモンが多く、ダークホールが通りやすいことも強さに拍車をかけた。
ゼルネアスと並べ、ドーブルの補助でジオコントロールを決めていく戦術は単純ながらも非常に強力。
ダークホール対策として有効な技、トリックガードもクレッフィとこのポケモンしか使えない技であり、「ドーブルドーブルで対策する」という風潮さえあった。
嫌らしい拓ゲーを強いるうえに、特性のムラっけ・ダークホールの命中率・眠りターンと運要素の塊であり時に理不尽なゲームを仕掛けられるこのポケモンは、世界中のVGCプレイヤーからヘイトを集める。
ダークホールの禁止化も公式で検討されたというが、結局実現しなかった。

 

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特性悪戯心を持つサポーターは、ゼルネアスドーブルに対抗するうえでも重要な存在である。
当初はボルトロスよりもレパルダスの方が注目された。
タイプ一致イカサマでゲンシグラードンに打点を持てること、アンコールにより相手の行動を制限する能力が高かったことが評価されたのだろう。
エルフーンも悪戯心持ちの中で最速の挑発、気合の襷+がむしゃら、トリックルームなど非常にトリッキーな動きができるポケモンとして活躍した。
ニャオニクス♂かヤミラミに重力を使わせ、ゲンシグラードンの断崖の剣やホワイトキュレムの吹雪で攻める戦術も生まれる。

 

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上記の悪戯心持ちに対応できるファストガード、S操作の代表格である追い風の使い手として、ファイアロークロバットも高い評価を受ける。
ファイアローは疾風の翼によってジオコン後のゼルネアスも確実に殴ることができ、グラードン入りパーティなら晴れフレアドライブで強烈な打点を押し付けていくことができる。
クロバットは精神力によってガルーラドーブルの猫だましに行動を妨害されず、怒りの前歯によって高耐久の禁伝も削ることができた。
ただし、クロバットゼルネアスの並びは相性が悪く(ジオコン後は行動順がゼルネアスクロバットとなり、ゼルネアスの攻撃後に怒りの前歯を使う羽目になるため)、
ゼルネアス入りのパーティでは基本的にファイアローが選ばれることになった。

 

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禁伝枠、メガシンカ枠、一般枠としてそれぞれ抜きんでたポケモンを採用したグラードンゼルネアスガルーラボーマンダドーブルファイアローという形は「BIG6」と呼ばれこのルールのテンプレとなった。

 

 

1月INC~シーズン14終了まで

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当初はグラードンに押されて評価が低めだったカイオーガだが、徐々に使用率を上げていき、PGLのスぺレポケモンランキング2位にまで登りつめた。
グラードンが特殊型主流であったことは、特殊耐久の高いカイオーガにとって優位に働く。
ゼルネアスのパートナーにグラードンではなくカイオーガを採用した「オーガゼルネ」は多くの大会で結果を残した。
ボルトロスやゲンガーにめざめるパワー水を持たせ、強い雨とあわせてゲンシグラードンに奇襲を仕掛ける戦術も流行。
その他、悩みの種やスキルスワップ、なりきりで晴れを打ち消し、カイオーガグラードンを倒す方法も多用された。
また、カイオーガは強い雨で炎技を無効化できることから鋼タイプとシナジーがある。特にナットレイカイオーガの対策としても有用であり、オーガゼルネらを苦しめた。

 

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1月のINCが終わった頃から、カイオーガ+レックウザの組み合わせである「オーガレック」も大流行する。
この組み合わせでは、カイオーガの水技がゲンシグラードンの特性に無効化される問題をレックウザの特性で解決できる。
禁伝の二匹がグラードンに対して非常に強いことで、グラードンに弱い一般枠のポケモンでも活用できるのが大きな利点であった。
それ故オーガレックの取り巻きは多種多様だったが、特にクロバット+メガゲンガーを採用した型は有名になる。
めざパ氷・身代わり採用のメガゲンガーにより、BIG6のあらゆる初手に対応した形であった。

 

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グラゼルネに弱いとしてこれまで評価されなかった電気やドラゴンタイプのポケモンは、オーガレックメタとして日の目を見るようになった。
ディアルガライチュウボルトロス、サンダーなどがその例として挙げられる。
ディアルガは耐性面でオーガレックに強く、トリックルームで場を作ることも可能。
夢特性のテレパシーが解禁されており、これと相性の良い霊獣ランドロスを伴って使われることが多かった。
その霊獣ランドロスはオーガレック側のディアルガ対策としても使われ、使用率を伸ばした。
電気タイプのポケモンでは、ボルテッカーライチュウワイルドボルトボルトロスのように物理型を採用し、物理耐久の低いゲンシカイオーガに大きな打点を与えようとするものも現れた。
3月1日より夢特性の静電気サンダーも解禁されている。

 

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初期のレックウザメガシンカを前提に使われることが多かったが、オーガレックの開拓が進むにつれて2メガでの使用が増えた。
ゼルネアスガルーラで強さを発揮するクチートや、上記のようにBIG6対策として使われるゲンガー、ディアルガ対策となるガルーラなどがオーガレックに採用された。
オーガレックのカイオーガもまた、ゲンシカイキせずに拘りスカーフを持たせて使われることがあった。

 

 

シーズン15開始~現在

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クロバゲンガーオーガレックのパターンが認知されていくと、グラゼルネ側も対クロバゲンガー用の選出を練る、鉢巻レックウザを意識した耐久調整を行うなど対策を行うようになった。
さらに、オーガレックやクロバゲンガーの天敵となるボルトロスがシーズン15から使用率を伸ばす。
環境初期はグラードンへの相性の悪さから評価が低かったボルトロスだが、カイオーガ系の構築に対して有利なことが幸いして数を伸ばし、一般枠としてはファイアロードーブルに次ぐ使用率まで登りつめたのである。
こうした要因によってオーガレックは減少、クロバットとゲンガーはPGLポケモンランキングの圏外(13位以下)に落ちた。
オーガレックメタとして使用率を伸ばしてきたポケモン達の出番も減っていく。
特にディアルガは後述するグラカイ・イベルタルといった天敵の増加もあって逆風を受ける。

 

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ボルトロスの使用率が増えたことでカイオーガ系の構築は多くが弱体化し、電磁波を無効化できるグラードンの評価が再び上がる。
そしてBIG6をはじめとするグラードン構築は多くの大会で結果を残すようになった。
以前は特殊型の多かったグラードンだが、カイオーガゼルネアスへの打点の問題から主流が物理型へとシフトする。
物理型は岩技の搭載率が高いうえ重力と組み合わせられる場合も多い。
このためにグラゼルネを見ることが難しくなったホウオウは、環境からほぼ消滅してしまった。

 

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新たなグラゼルネ対策としてトリックルームがよく使われるようになる。
このルールのトリパは二匹のゲンシカイキを取り入れた「グラカイ」が代表的である。
トリル要員として使われるポケモンは以前はクレセリアが定番であった。
しかし最近ではドータクンが急増。
ゼルネアスに対して強いほか、苦手な炎技・水技をグラカイの特性で無効化できるなど禁伝と相性が良いことが評価されている。

 

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ドータクンの処理が難しいオーガゼルネでは構築の見直しが求められるようになる。
物理グラードンボルトロスといった天敵の増加も重なり、オーガゼルネにとっては厳しい環境となった。
逆にグラカイドータに強いポケモンとして、イベルタルの株が上がる。
ドータクンをはたきおとすでワンパンできる、グラカイには上からバークアウトやイカサマを撃って殴り勝てる、万が一S操作で上を取られても先制技の不意打ちでカイオーガを殴って潮吹きの威力を下げられるなど相性が良い。
もっともイベルタルにはゼルネアスという天敵が存在し、ゼルネアスイベルタル・グラカイトリパの三者は3すくみのような関係である。

 

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BIG6をはじめとする「ゼルネアス軸のパーティ」とグラカイドータをはじめとする「トリックルーム軸のパーティ」の間では激しいメタの張り合いが行われている。
ゼルネアス軸の構築ではトリル対策としてモロバレルや最遅ドーブルの導入が増えた。
これに対し、トリパ側の催眠対策も厚くなる。
ドータクンの持ち物はラムのみが使用率トップとなり、神秘の守りガルーラやいびきボーマンダを取り入れたトリパも結果を残している。